海の宝わくわくサイエンスツアー 科学実験講座と工場見学~海と日本PROJECT~

2017.09.08

海の宝わくわくサイエンスツアー 科学実験講座と工場見学は、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」のサポートプログラムです。北海道函館市で、科学実験講座や工場体験を通し、科学理論が私たちの生活にどのように役立っているのかを学びました。

北海道立工業技術センターでは、平成22年から小学生を対象とした科学教室「わくわくサイエンスツアー」を開催しています。今年度は、北海道大学「海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング」と連携し、中学生まで参加対象を広げ開催しました。
今回のイベントでは、小学5年生から中学3年生までの参加者23名が、講義と実験を通じて「浮力」の仕組みについて学ぶと共に、浮力を活かした輸送手段である「船舶」の製造現場を見学、科学理論がどのように私たちの生活に役立っているのかを学び、科学のチカラを体感することを目的としています。

日程
8月8日(火)10:00~16:00

開催場所

北海道立工業技術センター、函館どつく(株)函館造船所

参加人数
23人

主催
公益財団法人 函館地域産業振興財団

第1部 科学実験講座
今回のイベントは、北海道大学「海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング」と連携し、小中学生を対象として実施しました。

第1部では、立命館宇治高校(京都)の渡辺儀輝教諭が講師を務め、大きな船を浮かべる力「浮力」を学ぶ講義と実験が行われました。渡辺先生は、平成25年3月まで函館市立函館高校に勤務。授業だけではなく、執筆やメディアへの出演、サイエンスショーなどを通じ、青少年に科学技術の面白さや深遠さを伝えています。
講義は、まず、清涼飲料水が入った缶を、テーブル上に斜めに立たせるデモンストレーションから始まりました。テレビでも紹介されたこの実験ですが、実物を見た参加者たちからは驚きの声が上がりました。この実験は、浮力を考える上で重要となる重力や重心、抗力を考えるのに最適な実験であり、大学教員による研究論文もあります。

次に、材質による浮力の違いに関する説明がありました。ボトル本体とふたをそれぞれ、水槽に入れると、ボトルは沈み、ふたは浮きます。これは、ボトルとふたの素材が異なり「比重」が異なるためなのです。

今度は、油粘土を使った実験です。まず、参加者は各自1kgの油粘土を手でこね、団子状にし水槽の中に入れます。当然、粘土は水槽の底に沈んでいきます。そこで、改めて粘土をこね、船の形にして、再度水槽の中に入れてみます。すると、不思議なことに船は水の上を浮かんでいるのです。浮かべるポイントは、船の床面積。渡辺先生は、床面積を広くし、団子のときよりも水中に入っている部分の体積を大きくすることで、船を浮かべる力「浮力」 が高まることを説明しました。

その後、渡辺先生が、錘(おもり)や水槽などを使った実験により、浮力の強さや方向などを説明した後、圧力と浮力の関係を学ぶ最後の実験が行われました。
ペットボトル内を水で満たし、その中に内部に空洞があるガラス製の人形を入れ、ふたを閉めます。最初、人形は浮かんでいるのですが、ペットボトルを左右から押したり戻したりすると、人形は沈んだり浮いたりするのです。ペットボトルを押した際に、押された水が空気を押しつぶして人形に入り込みます。そして、空気によって生まれる「浮力」は小さくなり、また入り込んだ水の分、人形が重くなり沈んでいくのです。

講義の最後に、渡辺先生からは、自然界の不思議な事象について、自分の頭や手を使って、考え調べることの大切さについてお話がありました。また、渡辺先生は、「調べてわかったことは他者に伝えることで、より理解が深まる」と、コミュニケーションの重要性を強調していました。

 

第2部 ものづくり工場見学
昼食後、参加者は、バスで函館どつく(株)にある函館造船所に移動、実際に船を作っている工場を見学しました。函館どつくは1896年創立、造船や艦船の修繕などを行っている企業です。
まず、函館どつくのスタッフから、造船所の説明や船を作る工程についてスライドを使って30分ほど説明がありました。造船所内見学の注意を受けた後、いよいよ工場見学となりました。

東京ドーム6個分の敷地(約28万㎡)にある函館造船所。工場見学中は、自転車で移動する作業員の姿も多く見られました。工場内では、船舶の主材料となる鉄板の切断作業から、鉄板の加工・組み立て、船舶の塗装などが行われていました。一つ一つの部品が大きく、大規模な作業が行われている光景に、子どもたちは圧倒されながらも、写真の撮影をしていました。また、なかなか普段は見ることができない、海上自衛隊護衛艦の修繕作業には目を丸くしていました。

参加者たちは、第1部で学んだ知識を基に、実際に船の製作現場や完成間近の大型船を見学することで、浮力に関する理解を深めると共に、科学の面白さやチカラを感じたようでした。


参加者の声
・長時間でしたが、とても面白かったです。先に船が浮かぶ仕組みを教えてもらったので、今までとは違った目で実際の船造りを見ることできました。
・漁船やボートなどの仕組みや船造りの工程も調べてみたいと思います。
・人形を使った実験が面白かったです。家でも試してみて、家族を驚かせたいと思います。

メディア掲出
事前
7/22函館新聞
7/26北海道新聞

事後
8/9函館新聞
8/15北海道新聞

<告知チラシ>

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

日本財団

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