「海の日」20回を記念し、「海でつながるプロジェクト~海に想いを。~」スタート! ──海でつながるプロジェクト キックオフイベント
2015.07.17
「海でつながるプロジェクト」のバナーを持つ登壇者の皆さま。
7月20日は今年で20回目を迎える祝日「海の日」です。これを記念して、次世代を担う子どもたちを中心に多くの方々に、その意義について認識を深めてもらうと共に、海への好奇心を喚起し、行動を起こすムーブメントを作り出すことを目指して、「海でつながるプロジェクト~海に想いを。」(主催:海の日特別行事実行委員会/会長:宮原耕治)がスタート。7月2日(木)に、報道陣を招いて東京でキックオフイベントが開催されました。
本プロジェクトは、日本政府・日本財団・自治体・民間法人・大学等が連携して”オール日本”で多彩なイベントを全国的に展開。総合開会式や、今年が日本初開催となる国際海事連盟(IMO)の「世界海の日パラレルイベント・国際シンポジウム」(7月20日~21日 東京・横浜)に加えて、全国各地の海の日の取り組みを応援する日本財団の「あなたのまちの海の日サポートプログラム」による事業、その他関連事業が実施されます。
「あなたのまちの海の日サポートプログラム」では自治体・教育機関・企業・NPO団体などとの連携で56事業が実施予定で、その他研究機関や大学等による15事業などがあり、合わせて22都道府県・71事業が計画されています(7月2日現在)。
海でつながるプロジェクトの理念と狙い
─日本財団会長・笹川陽平
さて、海でつながるプロジェクト キックオフイベントでは初めに、海の日特別行事実行委員会委員である日本財団会長・笹川陽平が、「海でつながるプロジェクトの理念と狙い」と題してご挨拶しました。笹川会長は、日本財団とプリンストン大学、ケンブリッジ大学等の6大学との共同研究の結果として、2050年には世界の一部の海域における漁獲量が40~60%減少する予測が出たことに言及。気候変動の影響による海面上昇や、漁場の変動、海の酸性化による魚介類の減少など、人類の生存にかかわる問題が、静かに、しかし急速に進んでいることに警鐘を鳴らしました。そのうえで、海洋国家・日本として、持続可能な海洋環境を維持し、世界のために貢献していくという本プロジェクトの目的を表明。その第一歩として、日本国民に海からの恩恵を伝え、海岸清掃や、造船所見学など様々な事業を進めることを示しました。
笹川日本財団会長
各種海洋政策を強化中
──山谷えり子海洋政策担当大臣
次に、海洋政策担当大臣・山谷えり子氏が登壇されました。山谷大臣は、政府が人材育成や海洋産業振興、環境問題、法整備、安全保障など各種の海洋政策を強化していることを報告し、そのための産官民の連携を促しました。また自身の先祖が北前船貿易に携わったことに触れながら、海洋面積世界6位の日本国民には「われらは海の子」というDNAがあると指摘。現在、海洋風力発電や潮力発電などの海洋再生エネルギーや各種の資源開発など、海洋産業を成長分野として位置付けて実証実験を進めていること、海に関する教育に力を入れることなどを表明。さらに、海の日の記念式典には安倍総理大臣の出席が予定されていることなどを報告されました。
山谷海洋政策担当大臣
IMO世界海の日パラレルイベント実施国旗引き渡し
──アショク・マハパトラIMO上級次長/武藤浩国土交通審議官
続いて、IMO上級次長のアショク・マハパトラ氏から、国土交通審議官の武藤浩氏に、IMO世界海の日パラレルイベント実施国旗の引き渡しが行われました。
マハパトラ氏はご挨拶で、世界経済は海洋産業なしには機能できないこと、海運業がここまで育っていなければ、世界人口の半分が飢餓に陥り、半分が寒さに襲われることを指摘。安全・環境・持続可能性のために、海運関係の人材育成の重要性を強調して、IMOが今年の海の日のテーマを「海事教育と訓練」としたことを報告されました。
武藤審議官は、世界海の日パラレルイベントの国際シンポジウムについて、テーマが人材育成であることや太田国土交通大臣、IMO事務局長の出席予定などを報告、これらの活動を通して日本の若者が海事産業に興味を高めることに対して、期待を表明しました。
IMO世界海の日パラレルイベント実施国旗の引き渡し
左:マハパトラIMO上級次長/右:武藤国土交通審議官
「あなたのまちの海の日サポートプログラム」事業トピックスと応援メッセージ
──女優・川島海荷さん/学校法人服部学園理事長・服部幸應氏/俳優・気象予報士・石原良純氏
次のコーナーでは、ゲストとして、女優の川島海荷さん、学校法人服部学園理事長・服部栄養専門学校校長の服部幸應氏、俳優・気象予報士の石原良純氏が登壇。「あなたのまちの海の日サポートプログラム」の事業事例の紹介とともに、ゲストから各事業の応援メッセージをいただきました。
左から:川島さん、服部氏、石原氏
川島海荷さんは、お父さんとおばあさんが海の字が好きで、自分や妹など家族に海の字が名前についた女性が多いこと、おばあさんの住む青森県に行っての海水浴やホタテ採りなどが毎年の楽しみだったこと、今年の夏は友達と離島へ行って泳ぐことを楽しみにしていることなど、自分と海との関わりをコメントしました。
そして「あなたのまちの海の日サポートプログラム」の一つである「仮想空間学園 海洋観光大学 瀬戸内キャンパス」への応援メッセージをいただきました。同事業は、観光学系の学生や留学生が参加して、瀬戸内を舞台に旅行企画を研究・提案、旅行商品として実施される可能性もあるというものです。川島さんは、いろいろなことを詰め込んだわがままな企画がいいなとしたうえで、「学生ならではの目線で理想の旅行プランを応募してください」とメッセージされました。
川島さん
服部氏からは、「家族で海を味わう、学ぶ With PRIDE FISH」事業への応援メッセージをいただきました。この事業は、PRIDE FISH(プライドフィッシュ)=各都道府県の漁師が選んだ、季節ごとに本当においしい魚をテーマに、オリジナルメニューの提供や料理教室などを通じて、魚を味わうだけでなく、それを通じて地域の文化や人々について、家族みんなで学び考える総合的なプロジェクトです。
服部氏は、「1965年から1985年の20年間の日本人の食生活はいちばんバランスが良かったが、それ以降はだんだん魚が減って高タンパク・高脂肪となってしまった。せっかく和食が世界文化遺産になったこともあり、特に若い世代はおいしい魚の食べ方を知って、もっと魚を食べてほしい」とメッセージされました。
服部氏
石原氏は、「海のポスターグランプリ『うみぽすGP』」の審査員を務めていらっしゃいます。同事業は、「地元の海をスターにしよう。」を合言葉に、大好きな海や地元の海の宣伝ポスターをつくって応募いただくというもので、一般の部門とスマートフォンのアプリから応募する部門があります。
石原氏は、「日本人にとって、海は身近なようで実際はそれほど触れる機会がなく、距離がある。このポスターを見たら、潮水をざばーっとかぶりたくなるようなポスターを期待してます」とメッセージいただきました。
石原氏
閉会のことば
──宮原耕治「海の日」特別行事実行委員会会長
最後に、「海の日」特別行事実行委員会会長の宮原耕治(総合海洋政策本部参与会議座長・日本郵船株式会社相談役)が閉会のことばとして、「国民のみなさん、特に子どもたちに、もっと海の大事さをわかってほしい。同時に海外に対して、海洋国家・日本がどんな取り組みをしているか、もっと発信する必要があるということで、IMOとのジョイント事業を進めている。山谷大臣のお供で安倍総理にお会いしたが、総理は高い関心を示し、海洋事業はたいへん大事なのでしっかりやってほしいとのことだった」とお話ししました。
宮原「海の日」特別行事実行委員会会長