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浜田の味、さしみ醤油をキャラメルに! ユニークなコラボが話題<推進パートナーインタビュー>

キャラメルで漁業の街をPR。2年がかりで地元愛あふれるオリジナル商品をコラボ開発!

2024.07.11

浜田の味、さしみ醤油をキャラメルに! ユニークなコラボが話題<推進パートナーインタビュー>

島根県西部の浜田市でいま話題になっている「さしみ醤油キャラメル」をご存知でしょうか。
地元で長く愛されているさしみ醤油を練り込んだユニークなキャラメルで、甘塩っぱい味わいも人気となり、2023年11月の発売当初から品切れ店舗が続出。その後の数度の再販を経て、2024年5月からは東京など県外での販売もスタートしました。

これは海と日本プロジェクトinしまねと、推進パートナーの浜田市観光協会森田製菓、ふじもと醤油がコラボ企画として2年がかりで開発したもので、売上の一部は海洋保全活動に活用されます。

今回はそんな人気商品の共同開発を推進した、「商品が無事に完成して感動しました。しっかりPRしていきます」とおっしゃる浜田市観光協会の中山良一さんと、「島根の代表として携わらせてもらったと思っているので、今はほっと安心しています」という森田製菓株式会社の山内準司さんに、商品のことや開発の裏側などについてお話をお伺いしました。

地元オリジナルの商品をつくりたい! 同じ思いでつながってコラボ企画が始動

そもそもこのコラボ企画の発端は、前年に島根県特産の板ワカメを森田製菓と海と日本プロジェクトのコラボパッケージで商品化して発売し、たいへん好評だったことから始まりました。
次年度も同様のコラボ企画をと検討するなかで、せっかくなら「自社のオリジナル商品になるようなアイテムを何か考えたいと、浜田市観光協会さんに相談させてもらいました。その際にお互いのニーズが合致していることがわかり、それならばと共同開発させてもらうことになったんです」というのは、菓子や土産品の製造・販売・卸メーカーである森田製菓株式会社の山内さん。

相談を受けた浜田市観光協会の中山さんも、「浜田市観光協会にはオリジナルの土産品のお菓子がなく、前からあったらいいなと思っていたんです。森田製菓さんは以前からお付き合いもありましたし、一緒に取り組ませてもらえたらと思いました」と、いわば相思相愛で企画がスタートしたのが、一昨年のことでした。

いまでは大人気商品となった「さしみ醤油キャラメル」ですが、そもそもなぜ、刺身醤油をキャラメルにしようと目をつけたのか、とても気になります。

「原材料選びは、まず観光協会から県内各社にお声がけしまして、そのなかでふじもと醤油さんが手をあげてくださったんです。ふじもと醤油のさしみ醤油は、浜田市出身者にとっては『ふじもと醤油じゃないと食べられない!』と言われるほどの人気商品です」と中山さん。
刺身に合う甘さと旨味が特徴で、ふじもと醤油は特に甘いイメージなのだそう。浜田市を中心にした県西部でたいへん愛されている味です。

山内さんは県東部の松江市出身で「最初はふじもと醤油を知りませんでした。今回、あらためて県西部をマーケティング調査したところ、ふじもと醤油は全スーパーに置いてあったんです。これはイケる!と思いました」と振り返ります。

そんな浜田のソウルフードともいえる醤油を使って、さて何を作ろうかと案出しをしていたとき、ふとしたところでキャラメルという案が出たのだとか。
「4年前に別案件のマーケティング活動のなかで、市場からキャラメルがなくなってきていることに気づいて。キャラメルも良いのではないか…と」と山内さん。
中山さんも「最近はキャラメルを見かけなくなりましたが、懐かしさがあっていいなと。組み合わせの意外性などもあって、よいと感じました」と、すんなり企画が決まったそうです。
地元オリジナルの商品をつくりたい! 同じ思いでつながってコラボ企画が始動 

時間を費やしたのは、製造ラインの調整、味わいとパッケージへのこだわり

そこからあらためて類似商品について調べてみたところ、どうやらキャラメルの製造工程で醤油を混ぜるのは難しいらしく、類似商品の存在は見つけられませんでした。
「OEM製造を何社かに打診してみましたが、工場の製造ラインを変えられないということで、すべてお断りされてしまいました」と急に企画は難航したのだとか。
でもここで諦めたら面白くない、どうしても実現したいと粘り強く交渉した末に、なんとか繁忙期の合間だけならと引き受けてもらうことができ、現在も協力いただいています。

やっと製造に着手して出来あがった試作品は、口のなかで醤油味を探し出せないくらいの何とも言えない味だったそうで、次の試作品第二弾は、醤油味を強めにと試みたものの今度は辛すぎました。さらに、醤油を混ぜると硬さが出ないという問題も出てきて…。さまざまな調整を経て、納得できる味になるまで試作は5回に及んだそう。
「当初は販売まで半年、長くて1年くらいの想定だったのですが、最終的に1年10カ月ほどかかりました」と山内さん。

また時間を費やしてこだわったのは、パッケージ制作も同じでした。
中山さんは「地元のデザイン会社にお願いして、たくさんアイデアを出してもらいました。浜田の海の風景をモチーフに、ふじもと醤油のブランドカラーを落とし込んだデザインは、知っている人にはパッとイメージが伝わって手に取ってもらいやすい仕上がりになったと思います」と胸を張ります。
時間を費やしたのは、製造ラインの調整、味わいとパッケージへのこだわり 

そんな紆余曲折を経て無事に商品が完成し、中山さんは「浜田市観光協会の初めてのオリジナル商品だったので、商品が届いた時はすごく感動しました!」と喜びを表現してくれました。

一方で「とりあえず完成してほっと安心したというのが正直なところでした」という山内さんですが、安心したのも束の間、予想以上の反響で発売当初の4,000袋が1週間ぐらいで売り切れてしまったのだとか。
「読みが甘かったのですが、島根の県民性として、面白いものは必ず最初は買ってくれるんです。『売る気あるのか?』『やる気あるのか?』とクレームがすごかったです(笑)」と、慌てて追加生産をかけたそうですが、再販は発売から3ヶ月近く経った1月の後半、だいぶお待たせする形になってしまったと、反省と安堵が入り混じった複雑な心境だったようです。

東京や関西でも発売開始! さしみ醤油キャラメルで浜田の海や魚を知ってもらいたい

販売は近隣県だけでなく、板ワカメの販売でも協力いただいた東京のアンテナショップ「日比谷しまね館」で今は常設販売されているとのこと。ほかにも食のアンテナショップ「AKOMEYA TOKYO」から引き合いがあり、東京や関西など4店舗で取り扱いが始まりました。
「一風変わった商品なので目を留めていただけている様子で、今後に期待しています」と中山さん。
山内さんも「まずネーミングで驚いてもらえますし、食べてみるとみたらし団子みたいな味わいで、県外の方にも売り込みやすかったです。次の生産数をどのくらい見込めばいいか検討中です」と今後の準備も進めていました。

地域を超えてこれから初めて商品を目にするかもしれない皆さんにむけて、あらためてアピールをお願いすると、
「パッケージを見て、さしみ醤油キャラメル?なんじゃそれ?と思われるかもしれませんが、まずは一度、食べてみてほしいです。そして商品をキッカケに浜田市を知ってもらいたいですね」と中山さん。
「浜田市には海あり山ありの豊かな自然があり、県内一の漁獲量をほこる漁業の町です。『どんちっち三魚』と呼ぶブランド魚もあり、おいしい魚が食べられます。『さしみ醬油キャラメル』から、そんな浜田の海や魚をイメージしてもらえたらと思います」とアピールにも余念がありません。

観光協会では海水浴場の運営もされていますが、そのビーチは地元の方の協力で美化活動が行われています。売上の一部は、そうした環境保全活動に使われる予定です。
東京や関西でも発売開始! さしみ醤油キャラメルで浜田の海や魚を知ってもらいたい 

生まれたご縁と経験を活かして、次の取り組みに挑戦

最後に改めて、地元の海についての思いなどを伺ってみました。
浜田市生まれの中山さんは、小さなころから暖かくなれば海へ遊びに行っていたそうで、「いま週に何回かウォーキングしますが、なぜか自然と海岸沿いを歩いています。海を見て安心しているのかな、癒されているんだと思います。海が近くにあってよかったといつも思います」
そして、ふと「息子が海に携わる仕事についたんですが、学校が海岸の近くで小さなころから海を見て育ったことが影響したのかもしれないですね。浜田の子どもたちにとって海は近い存在なのだなと思います」と思いを馳せていらっしゃいました。

また松江市出身の山内さんも、海は身近な存在のようですが、
「行政の方とお仕事をするようになってから、海があるから魚が美味しいし観光も成り立っている、島根県にとって海が大事なのだと思うようになりました。そこからいろんな企画がつくられているんだなと。海と日本プロジェクトに携わって、普段見えないところまで海のことを深く考えるようになりました」と、意識が変わったことを明かしてくれました。

今回の取り組みを振り返れば、「初めての試みでしたが山内さんにサポートしてもらって商品を完成させることができて感動でしたし、本当に楽しかったです。ふじもと醤油の社長さんも、さしみ醤油がまさかキャラメルになるなんて…と喜んでくれているので、今後もしっかりPRしていきたいと思います」と意気込む中山さんは、さらに「次の新商品を開発したいですね。まだアイデアも何もないゼロベースですが。これから考えていきたいです」と楽しそう。

山内さんも「森田製菓は横とのつながりを大切にする会社です。それに、何にでも自由に挑戦させてもらえるので、今回もたくさんの方々と連携して取り組ませてもらいました。島根の代表として取り組ませてもらったので、途中まではプレッシャーもだいぶ大きかったです。今はほっとしていますが、今回の経験を活かして、また島根県から全国に向けた商品開発にチャレンジできたらと思います」と前向きです。

お二人の言葉からは、全力でやりきったという清々しさが感じられて、次はどんなアクションを起こしてくれるのか、自然と興味が湧いてしまいます。島根県からの次のニュースも楽しみに待ちたいと思います。
生まれたご縁と経験を活かして、次の取り組みに挑戦