海と日本公式サイトの最新ニュースをウィジェットで埋込み

<iframe class="uminohi-widget official-newest" src=" https://uminohi.jp/widget/newest/" width="100%" height="800" frameborder="no" scrolling="no" allowtransparency="true"><a href="https://uminohi.jp">海と日本PROJECT【日本財団】</a></iframe><script src=" https://uminohi.jp/widget/assets/js/widget.js"></script>

みんなで釣った川魚を食べながら、川魚の生態系の変化や森と川の関係性について学びを深める「【おいしい流域】あゆ:奥多摩 あゆが減って、ふたたび増えたわけ」を開催しました!

一般社団法人 おいしい未来研究所は、「【おいしい流域】あゆ:奥多摩 あゆが減って、ふたたび増えたわけ」を開催。川魚の実釣と実食、東京サクラマスプロジェクトの菅原和利さんをお迎えした講義を通して多摩川の川魚の生態系について学びました。

2024.08.26

一般社団法人 おいしい未来研究所は、川魚の実釣と実食、東京サクラマスプロジェクトの菅原和利さんをお迎えした講義を通して多摩川の川魚の生態系について学ぶ、「【おいしい流域】あゆ:奥多摩 あゆが減って、ふたたび増えたわけ」を2024年8月6日(火)に開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
山から海までのつながりを「食べること」を通して学ぶ「おいしい流域」プロジェクトの第二回目。水の循環システムの仕組みや、山が水に与える影響、秋川および多摩川水系について学んだ第一回を経て、第二回では川魚の生態系や木の山に対する影響について学びます。イベントで学んだことを体験を通して実感し、日常生活に戻った際に川が自分の生活にどのように接続しているのか考えるきっかけにすることを目的としています。
日程
2024年8月6日(火)
開催場所
東京都 奥多摩
参加人数
10名

集合後は釣りのレクチャー、たくさんのニジマスが釣れました!

集合場所に着くと、目の前にはすでに魚が泳いでいる川がありました。子供たちは早く釣りがしたいとウズウズした表情。フライングして釣りのレクチャーをうける子供たちも。初めのオリエンテーションでは、まず運営と講師の菅原さんより本日の主旨の説明がありました。。実は、「あゆ」をテーマとしている「おいしい流域」第二回の本講義ですが、実際に当日釣るのは「ニジマス」です。この事実を伝えた上で、なぜニジマスを釣るのかは実際に釣りを体験し、ニジマスを食べてから別で行う講義にて答え合わせをすることを伝えました。

その後は約2時間ほどの釣りを楽しむ時間に。釣り竿の使い方から魚を釣る際のコツまで、手取り足取り教えていただきました。

開始まもなく「釣れたーー!」という声があちらこちらから聞こえてきました。夏場は実は川魚にとっても水温が高く、人間でいうところのサウナで食事を取る環境と類似しており食欲が湧かず、一年を通して最も釣れない季節なのだそうです。しかしながらイベント前日に雨が降ったことや当日の天候が曇りであったことなども相まって、この日は子供たちを中心にたくさんの魚を釣ることができました。

釣った魚をみんなで美味しくいただきました!

釣りを楽しみながら、どんどんと採れた魚から内臓処理をし、焼き場で焼いていきます。釣り場のスタッフが行う内臓処理を見た子供たちは「なぜ内臓を取り出すの?」「ちょっと怖い・・・」とさまざまな表情をしていました。自分達で実際に釣った魚を、今度は焼き場に持っていき、焼く様子を観察します。30分から1時間程度じっくりと中まで火を通し、焼く様子を見たり釣りをしたりと各々の時間を過ごした後は、みんなで釣った魚を美味しくいただきました。

「どれが自分の魚かな?」「せっかくだからテントの下ではなくて川のそばで食べたい!」と、自分達で釣った魚を楽しみながら笑顔で食べていました。

今日はなぜ、アユではなくニジマスを釣ることになったのか?

「おいしい流域」第一回目の本イベントでは、そもそも川や水の循環システムがどのような仕組みであるのか、川の支流、本流とは何かなど「川」について学びました。第二回ではそれを踏まえ、多摩川の生態系の変化について、海と川を行き来する魚の生態を通して、森と海の繋がりについて学びました。

ニジマスを釣ったのちには講義スペースに移動をし、まずは水槽に入っているあゆを見て大きさの違いや匂いを体感してもらいました。苔という主食や川の匂いが影響してか、菅原さん曰くスイカの匂いがするとのこと。子供たちは半信半疑で匂いを嗅いでみると、本当にスイカのような甘くて爽やかな匂いがしました。あゆは苔を主食にするため、ニジマスやヤマメのようにエサで釣ることができず、「おとりあゆ」や専用のルアーを使って縄張り争いで体当たりしてくるところを針にかけて釣るそうです。

奥多摩から海までは138キロ。縄文時代から生息しているあゆは、川で生まれて海に向かい、またそこから自分達の川の匂いをもとに登ってきます。広い海に降って大きくなり、おいしい苔を食べに夏頃に遡上をし、産卵をして一生を終える「年魚(ねんぎょ)」という生態になっています。

しかし現代では、人が水を飲むために作った数多くの取水堰があゆの遡上を堰き止めています。魚道はあれど全ての魚が登れるわけではありません。ここに人間が生態系に影響を与えた経緯がありました。また、放流のために外来種として持ち込まれたニジマスも、あゆや本来多摩川にいるはずのヤマメを主食にしているため、数が減ってしまったのです。このような理由で、いま多摩川上流部にいるあゆは、遡上してきたわけではなく養殖して放流されたものが多いそうです。

では我々には何ができるのだろうか? 菅原さんは、自身が現在魚を保護するための活動をしたきっかけは、3歳からおじいちゃんに連れられて行ってきた釣りにあるといいます。感動体験から継続し、大人になってから自分が魅力を感じ続けていた魚を保護するための活動をするようになったとのこと。子供たちには、「初めてのことを大事にしてほしい。関わり続けることで、自分達の代では変えられないかもしれないけれど大人になってからできることもあるかもしれない。」と想いを語ってくれました。

参加した子ども・保護者からの声

「釣りって楽しい!8尾も釣れた!」といった子どもたちの声
「自分達で釣った魚はおいしいね」という、感動する子供の姿
「アユはどうして川を登ってこれないの?」という、講義を聞く子どもたちの疑問の声
「アユは川と海の両方で生きられることを知らなかった!」という、親御さんの学びの声

今回の講義では、多摩川における生態系と人間が歴史上どのように手を加えそれに変化をもたらしてきたか、そこから我々は今後何ができるのかを学びました。次回は中流域での講義にうつります。山から離れ、中流域ではどのような川の見方がなされるのか、学びを深めていきたいと思います。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:10人