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「地球1つで暮らす方法を『京都の食』から考える」ワークショップ in 京都先端科学大学附属中高等学校

⼀般社団法⼈SWiTCHは、京都先端科学⼤学附属中⾼等学校国際コースの1年⽣を対象に「地球1つで暮らす⽅法を『京都の⾷』から考える」ワークショップを実施。持続可能な食糧生産と生物多様性の両立などについて議論し、ワークショップも行いました。

2024.09.26

⼀般社団法⼈SWiTCH(代表理事佐座マナ、以下SWiTCH)は、⽇本財団のサポートのもと、京都先端科学⼤学附属中⾼等学校国際コースの1年⽣を対象に「地球1つで暮らす⽅法を『京都の⾷』から考える」ワークショップを実施しました。

本ワークショップは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「地球1つで暮らす方法を『京都の食』から考える」ワークショップ

日本人の生活基準で世界中の人々が⽣活をした場合、地球2.9個分の資源が必要になるとされています。この現状を踏まえ、地球1個分の資源で持続可能な暮らしを実現するための⽅策を探るワークショップを開催しました。本ワークショップでは、気候変動の主要因の1つである⾷産業に焦点を当て、「京都の食」を通じて「地球1つで暮らす⽅法」を考えるワークショップを全3回実施しました。参加者は、持続可能な食糧生産と生物多様性の両立、食品ロス削減などについて議論し、「京都の食」を守るための具体的なアイデアを出し合いました。さらに、京都の地産地消を推進する学校のプロジェクトを生徒たちと共に企画するワークショップも行いました。

⽇程:2024年7⽉29日(⽉)、30⽇(火)
参加者:京都先端科学⼤学附属中高等学校1年⽣国際コース34名
会場:京都先端科学⼤学附属中高等学校

第1回「地球1つで暮らす方法を『京都の食』から考える」ワークショップ

SWiTCH代表佐座が国際的な気候変動の問題についてレクチャーした後、気候変動の1つの原因である食業界に焦点を当て、温室効果ガスを減らす⽅法を京都の「食の生産」を通して知る機会を提供しました。最後には、京野菜を維持・守るために自分たちが取り組めるアイデアを参加者同⼠が話し合う時間も設けました。

<内容>
・気候変動についてのレクチャー
・「京都の食」のサプライチェーン
・サプライチェーンの安定化に貢献できるアクションとは

①SWiTCH代表佐座による「京都の食」のサプライチェーンに関するレクチャー
佐座が幼少期に環境問題に対する意識を高めた経験を紹介した後、⽇本⼈が地球の資源を過度に消費しており、現在では地球が2.9個必要という現状をクイズ形式で伝えました。さらに、国連環境計画が世界の18-25歳に知ってもらいたい環境テーマである「パリ議定書『1.5℃』・温室効果ガス・プラネタリーバウンダリー・サプライチェーン」問題についてクイズを交えながら紹介しました。その後、日本の食糧自給率に焦点を当て、その比率の低さの現状や原因について⾔及しました。
また、地球温暖化の加速を緩やかにするためにはフードマイレージ(食料の輸送距離)を小さくすることが重要であることに⾔及し、地元京都の食材を地産地消することの重要性について話しました。

②「京野菜」を普及させるためのアイデア出し
フードマイレージの低い地産地消の⾷材として「京野菜」の消費を増やすためのアイデアを、2~3人ずつのグループごとに出し合いました。各グループで考えたアイデアを発表したのち、実践したいアイデアの投票を⾏いました。以下、その結果です。

【投票結果】
21票:食べ残しが出たら肥料や発電に再利⽤
12票:農作業をする⼈が少ないので⽣徒が参加して農家の楽しさを体験
11票:政府から農家の⽀援をして農家を増やす、国産品を安くする
10票:京都の給食は京都産
6票:農家の無⼈販売で⾒かけが悪い食べ物も買えるようにする
4票:京野菜だけを売るスーパーを作る
4票:スーパーで京野菜がない!京野菜売り場がない。⼩学校では京野菜の献⽴があるけど、1ヶ月だけ。
3票:京野菜を作る農家体験、家族向け実施。家族で遊べる場所が少ない。京都に移住して農家をする。
3票:宣伝して京野菜を選んでもらい、生産量を増やして安くする
2票:京野菜のレシピアレンジ、テレビで流す、レシピ本
1票:地産地消を使って京都の料理、家庭で京野菜を使う。学校内の食べ物は学校で⽣産できるようにする
0票:空いた⼟地を農地に
0票:京都の環境に合う野菜で他に作れるものがあるか考える
0票:直売所が多いスーパーはある

第2回「地球1つで暮らす方法を『京都の食』から考える」ワークショップ

日本の食の安定性を確保するためには、国内の食糧生産を増やさなければなりません。どうすれば食料生産を向上させながら、⽣物多様性の保全も担保していけるのか、京都の食を通して⽣徒達が日々の生活でできることを考えるグループワークを実施しました。

<内容>
・第1回のレクチャーの振り返り
・生物多様性についてのレクチャー
・「京都の食」と生物多様性の豊かさについて考えるワークショップ

①SWiTCHによるレクチャー
第1回⽬のレクチャーとワークショップを振り返り、フードマイレージの低いサプライチェーンを選ぶ重要性について議論しました。⽇本の食の安定性を確保するためには、国内の食糧生産を増加させる必要がありますが、その一方で、食糧生産による生物多様性の損失が懸念されています。そこで今回のワークショップでは、「京都の食」を通じて、⽣物多様性を豊かにする可能性を紹介しました。
まず、人間は多様な生き物と密接に結びついて⽣きていること、そして地球の大気、水、食べ物、文化、暮らしが生物多様性によって成り立っていることを説明しました。生物多様性を守るためには、単⼀栽培や家畜飼料の生産のために森林を伐採する現在の農業を⾒直す必要があります。今後は、生態系を守るために私たちの食生活を見直し、生態系を豊かにする「キーストーン種」の保全についても考えていくことが重要であると紹介しました。

②「京都の食」は生物多様性を豊かにできるか?を考えるグループワーク
生徒たちは、「京都の食」を豊かにするために「学校でできる生物多様性の取り組み」についてアイデアを出し合いました。2〜3⼈ずつのグループに分かれ、それぞれのグループが考えたアイデアを発表し、クラス全体で実施したいアイデアに投票しました。以下、その結果です。

【投票結果】
15票:ハチが暮らせるようにするための養蜂をする
11票:道路や歩道などに草木を植える
3票:寄付でお金を集めて生き物の多様性が守られる場所を作る
1票:環境を守っている生き物(外来種)などを守るためにその生き物にとっての天敵を入れる
0票:余っている土地を花や草を植える
0票:植物に害が出ないぐらいの日陰を作る
0票:学校の窓の外にハチが好きな植物を植える
0票:緑を増やして生き物の生きやすい環境を整える
0票:家に花などの植物を植える
0票:ハチが暮らしやすい施設を作る。ハチが成⻑したら放つ
0票:畑に花を⼀緒に育てる
0票:緑がないところに緑を植える

第3回「地球1つで暮らす方法を『京都の食』から考える」ワークショップ

日本は食料の60%を海外から輸⼊しているにもかかわらず、年間で東京ドーム5個分もの⾷料を廃棄しています。食料ロスは地球温暖化の大きな要因の1つです。食料ロスをゼロにすることに加え、食料を大切にするための具体的なアクションとして、認証制度や分別、食料テクノロジーなどを紹介しました。最後に、京都の地産地消を推進する学校プロジェクトを考え、その実施に必要なステークホルダーを検討するグループワークを行いました。

<内容>
・食品ロスゼロの実現に向けたレクチャー
・地球1つで暮らすための「京都の食」の選び方のレクチャー
・自分が夏休みに取り組む食ロス削減の方法を考えるワークショップ
・生物多様性を増やすプロジェクトの実現に必要なステークホルダーを考えるワークショップ

①SWiTCHによるレクチャー
最終回のワークショップでは、気候変動の基礎情報を振り返り、世界の脱炭素化を早めるためには、温室効果ガスの約1/3を占める食品業界を変える必要があることを話しました。日本では、年間で東京ドーム5個分の食べ物が捨てられており、これを「食ロスゼロ」にすることで、温暖化の影響を防ぐことができると紹介しました。さらに、温暖化を緩和するための具体的な取り組みとして、生ごみの分別やバイオガスの⽣産、食べ切り、そして責任ある材料の調達が重要であることを学生に伝えました。また、MSC、ASC、FSC、フェアトレードなどの認証を選ぶことで、直接的にインパクトを与えることができることも紹介しました。

②自分が夏休みに取り組み食ロス削減の方法を考えるワークショップ

レクチャー後、各自が「夏休みにやってみる」食ロス削減のアイデアを発表しました。夏休みが明けた際には、その実践結果について情報共有が行われます。

【実践結果】
11票:冷蔵庫を整理し、買い物をする
4票:食べ切る
3票:家で出た生ごみを肥料に変える
3票:自分の食べる量を把握する
2票:値段だけでなく、生産地ラベルを確認する
2票:食材の期限を確認し
0票:適切な保存方法を知りゴミを出さない
0票:生ごみボックスに生ゴミを入れる
0票:賞味期限を紙に書いて冷蔵庫に貼る
0票:食べきれなかったものを冷凍庫に入れる
0票:しっかりと量を測って料理する
0票:調理方法を変える
0票:外食時は食べ切る量を注文する
0票:家族と生ごみの量を測る
0票:野菜はヘタのぎりぎりまで使い生ごみを減らす
0票:余った物(皮など)から新しい料理をする

③生物多様性を増やすプロジェクトの実現に必要なステークホルダーを考えるワークショップ

全3回の授業を踏まえ、2回目で決めたグループアイデア「ハチが住める場所と草木を植えるために」プロジェクトに必要なステークホルダーについて考えました。まずステークホルダーリストを作成し、その後、5~6人ずつのグループに分かれて、各ステークホルダーに何を、どこで、なぜ取り組んでもらうかを検討しました。以下は、生徒たちが考えた役割分担です。

【役割分担】
市長: ハチを守るための条例を制定する
教育委員会: ハチを守る活動が食育に役立つことを強調し、SDGs教育の一環として認めてもらう。
校長: 市長に要請して資金援助を受けるとともに、この取り組みの認知度を高め、ポピュラーにする。
先生/現場担当者: 生徒に授業を通じてハチの重要性を教え、意識を高める。
養蜂家: ハチの育て方を指導し、植物の水やりは生徒が担当することで、養蜂家の重要性を知ってもらう。
生徒会: 校内放送でこの取り組みを広報し、他の学部にも発信。生物に関心を持つ企業にプレゼンを行う。
植物店: ハチの育成に必要な草木の販売を担当する。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:34人