海と日本公式サイトの最新ニュースをウィジェットで埋込み

<iframe class="uminohi-widget official-newest" src=" https://uminohi.jp/widget/newest/" width="100%" height="800" frameborder="no" scrolling="no" allowtransparency="true"><a href="https://uminohi.jp">海と日本PROJECT【日本財団】</a></iframe><script src=" https://uminohi.jp/widget/assets/js/widget.js"></script>

海辺の教室 in 福岡・糸島姫島『姫島のウニ採り・九州大学中央分析センター見学』を行いました

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、糸島市立姫島小学校でウニを採取して成分を調べる授業支援を行いました。地域の海産物を知ることで郷土愛を育み、海の現状や課題、環境保全の大切さを考えるきっかけになることを目的としています。

2024.09.26

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、糸島市立姫島小学校の授業支援を行いました。地域の海産物を採取し、その成分を調べることでより専門的な角度から地域の海産物を知ることにより郷土愛を育み、海の現状や課題、環境保全の大切さを考えるきっかけになることを目的に、2024年6月21日(金)はウニ取りを行い、9月9日(月)には、そのときに採取したウニを九州大学中央分析センターに持ち込み、走査型電子顕微鏡で観察を行いました。

この小学校の授業支援は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
福岡県糸島市立姫島小学校において、生活科の授業でウニを採取し、その時に採取したウニを九州大学中央分析センター内の分析装置を使用しウニについて深く知り、郷土愛を育み将来の島の担い手として活躍できる気持ちにつながるよう行いました。
日程
2024年6月21日(金)、9月9日(月)
開催場所
糸島市姫島、九州大学中央分析センター
参加人数
姫島小学校生徒と教員、地域の住人 延べ40名
協力団体
糸島市立姫島小学校

姫島の海岸でウニを採取

糸島市の離島の小学校、姫島小学校は全校生徒が8名の小さな小学校です。

姫島小学校では学校行事として、磯焼け問題の原因の一つであるムラサキウニの駆除を行っています。この日、島の子どもたちは海に入るための注意事項を説明する教員の言葉を真剣な面持ちで聞いていました。場所は学校のすぐ近くの岩場です。足をとられないよう上手に海に入って行きます。

洋服が濡れてもウニ採りに夢中な様子でした。時々、小さな魚やイソギンチャクなどがいましたが、優しく捕まえて、しばらく観察したあとは静かに放してあげます。触ってはいけない危険そうないきものには触りません。島のこどもたちから教わることが多かったように感じました。

専用の器具を使い、あっという間に沢山のウニを採りました。ウニ採り作業終了後にウニを持ち帰り校内で地域住民や保護者の指導を受けながら加工体験を行いました。初めは慣れない手つきでしたがすぐにコツを覚えて次々にウニを割り、たくさんの身をとって持ち帰りました。保護者の方の「この体験を生かして、もっと海の環境に関心をもってほしいです」という言葉が印象的でした。

九州大学中央分析センター

姫島で採取したウニを地域の住人は、そのまま畑に投入し肥料として使っていますが、ウニは本当に肥料になるのかを調べるために九州大学中央分析センターの低真空高度走査電子顕微鏡SEM(SU3500)で観察を行いました。成分分析では、よく聞く元素でO(酸素)やN(チッ素)、さらにCa(カルシウム)が含まれており、まさに肥料であることが分かりました。学術研究員はウニって何だろう?という内容を小学生に分かりやすいよう紙芝居のように説明し、島の子どもたちもウニの生態をよく知っている様子で、はい!と元気よく答えました。図鑑やテレビで見るようなミクロの世界に感動しながら、自ら操作を行ってウニの棘や殻の表面を観察しました。小学生があっという間にSEMを操作するのを大人たちは感服して見ていました。また、真剣なまなざしで分析をする姿は小さな科学者でした。棘がずらっと並んでいたり、たくさんの穴があいている多孔質であったり、いわゆる微細構造が見えました。漁村の生活を支えてくれているウニ、しかし磯焼けの原因として駆除されてもいるウニの、生き物としての不思議さに、一同が改めて気づいた瞬間でした。この経験は、今は分からなくても記憶に残りやがて学校の授業で「これはあの時に九州大学で見た、聞いたものだ」と思いだしてくれたらと思います。そして、ウニが肥料になるという可能性が確認できたことで、今後、島の物産品になり、地域まちづくりに繋がることを期待します。

九州大学構内見学と学食

九州大学の構内見学では、中央図書館などへ行きました。学校の中で見る図書室よりとても大きくて広いことに驚きの様子でした。何しろ、九州大学は全てが大きいです。「わあすごい、広い、大きい」と声がこぼれました。中央図書館には245万冊の本が収容されており国内でもトップという説明に更に驚きました。さて、今回の九州大学訪問で最も楽しみにしていたのは学食です。学食といえば大学とイメージがつくほど、給食との違いを楽しみにしていました。食券を買うところから、トレイに乗せて自分の席に運ぶこと。これだけで低学年の子には大変なことです。九大職員や先生に習いながらお腹いっぱい食べました。大学生が食べる食事は量が多く、想像が出来なかった生徒は少しだけ残してしまうほどでした。保護者の方からのリクエストであり、学食を食べることも経験のひとつとなりました。

水素ステーション見学

水素ステーションは、夏休みで子ども会等の申込みが多かったそうです。姫島小学校の生徒もこの機会に見学することができて大変貴重な経験ができました。科学の話が主になるので少し難しかったかもしれませんが、そのときに思い出してくれたら今日の体験は素晴らしい予習になるでしょう。自然からつくる再生可能エネルギーは、水のちからや風のちから、太陽のちから、地熱のちからがあります、自然の力をうまく使うことが大切であることを学びました。明日から学校で海や自然を見るときに見る角度がすこしでも変わることと期待します。あっという間の一日でしたが、有意義で貴重な時間を過ごすことができました。帰りは「ありがとうございました!」と大きく元気で力強い声を聞く事ができ、未来の海の精鋭が誕生しそうな予感がしました。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:40人