第4回国際海洋環境デザイン会議:bayside【沿岸地域の都市計画を考える「UMI2050」】を開催しました!
一般社団法人3710Lab(みなとラボ)は、第4回国際海洋環境デザイン会議:baysideを開催いたしました。国際海洋環境デザイン会議は、海洋環境デザインのアクションを共有し、促進していくことを目的に開催しています。
今年度、みなとラボはウェブミュージアム「海をつなぐミュージアム―MOON」を開設予定であり、最初の企画展のテーマは「海の未来」です。メイン企画「UMI2050」は、日本沿岸地域の未来をテーマに2組の建築家が、2050年に実践可能なビジョンを提示します。本会議ではその中間報告会として、構想段階の思考や視点を共有し、参加者とのディスカッションを行いました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
2026.03.06

イベント概要
第4回国際海洋環境デザイン会議:baysideでは、2026年3月に新たに立ち上げるウェブミュージアム「海をつなぐミュージアム―MOON(Museum of Ocean Nexus)」の紹介と、企画展「海の未来」のメインコンテンツである「UMI2050」の中間報告会を実施しました。
・日程:2026年1月31日(土)13:00〜17:00
・開催場所:OSO RESEARCH SPACE/オソリサーチスペース(東京都目黒区鷹番3-17-6)
・参加人数:30名
2026年3月公開「海をつなぐミュージアム–MOON」
みなとラボは、「海と人とを学びでつなぐ」をテーマに活動し、今年で11年目を迎えます。教育分野から始まった活動は、次第に「デザイン」や「編集(記録・発信)」の視点を取り入れながら、多角的に展開してきました。今年度の大きな取り組みとして、ウェブサイト上に「海をつなぐミュージアム(Museum of Ocean Nexus、通称MOON)」を3月3日に公開予定です。
本ミュージアムは、日本には「海をテーマにした総合的な博物館機能を持つ機関が存在しない」という課題認識のもと、海に関する多様な資料をアーカイブ・共有し、様々な関心を持つ人が海とつながるきっかけを提供することを目的としています。企画展と常設展で構成され、最初の企画展のテーマは「海の未来」です。このメインコンテンツとして、2050年の海を見据えたビジョンを2組の建築家が提示する「UMI2050」を企画しました。
沿岸地域の都市計画を考える「UMI2050」
本企画は、丹下健三による「東京計画1960」を参照し、過去の経済成長を支えてきた海から、未来においては「人と自然の関係回復」を担う海へと、その役割を再定義することを目指しています。⼩野寺匠吾建築設計事務所[OSO]、dot architectsの2組の建築家が参加し、⽇本の沿岸地域の未来を、2050年に実践可能なビジョンを提示しました。東京湾岸地域、⾹川県坂出市王越町という、規模や背景も異なる計画地を想定し、それぞれの検討内容や方向性についてプレゼンテーションを行いました。
「オルタナティブ東京湾岸」/⼩野寺匠吾建築設計事務所[OSO]
最初に発表を行った⼩野寺匠吾建築設計事務所[OSO]は、東京湾岸地域を対象にリサーチ・計画を進めています。東京湾は高い生物多様性のポテンシャルを持つ一方、干潟の喪失や都市部の冠水、海水温上昇といった課題を抱えています。また、沿岸部では経済性や機能性が優先され、複数の自治体にまたがる統一的な都市計画が不在である点が指摘されました。海外都市の港湾再開発事例との比較から、東京湾の直線的なショアラインは人が海を感じにくい構造であることが共有されました。勝どき・築地エリアを対象に、3つの「if」シナリオを用いて都市像を検討し、水辺空間の再生や水上利用の可能性、条例による開発誘導などのアイデアなどが挙げられました。

「⼭から海へ歩き、“いま”を観察するー10の作物で⾵景をつなぎなおす、25年後の王越に向けて」/dot architects
dot architectsは、香川県坂出市王越町を舞台に、日本の経済発展を下支えしてきた沿岸地域の歴史と、その先の姿を構想するプロジェクトを発表しました。王越町は、かつて塩田や漁業で栄えた一方、近代化以降は産業廃棄物処分場を抱え、人口減少と高齢化が進む地域です。2022年の瀬戸内国際芸術祭を契機に、文献調査や聞き取り、空き家調査、古道の復旧などを重ねてきました。発表では、「風景をつなぎなおす」をコンセプトに、山から海へと歩きながら地域を読み解く視点を提示し、小さな作物を点在させるアートトレイル構想を通じて、25年後の王越町のあり方を検討しました。

参加者を交えたトークディスカッション/今後の展開
2組の建築家によるプレゼンテーション後、参加者を交え、ディスカッションを行いました。手法の異なる2チームの発表が対照的に示され、建築史家や家電デザイナーなど多分野の参加者が加わることで、議論は多角的に展開されました。都市開発については、海外事例を踏まえ既存の枠組みを見直すことの重要性や、空間を文化拠点として再活用する「プレイスメイキング」の視点が共有されました。参加者は自身の敷地の印象や日常の業務と重ね合わせながら意見を交わし、実感を伴った議論の場となりました。
本会議でのディスカッションを踏まえ、MOONにて3月に完成プランを発表します。

参加者からの声
・海、建築、芸術を横断する視点から話を聞くことができてよかった。
・本プロジェクトをきっかけに、大学などの教育機関や行政からのフィードバックが得られることを期待している。
・リサーチや思考実験にとどまらず、少しずつ現実を変え、同様の問題を抱える地域のプロトタイプとなることを望む。
<団体概要>

団体名称:一般社団法人3710Lab(みなとラボ)
URL:https://3710lab.com
活動内容:活動内容:みなとラボは「海と人とを学びでつなぐ」プラットフォームです。教育を軸に、授業やワークショップの実施、プログラム開発等おこなっています。学校、地域、自治体、そして何より子どもたちと教育学者、科学者、デザイナー、写真家など多様な専門家たちをつなぎ、“みんなとみなとラボ”で海と生きるとは何か──を深めています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
参加人数:30人