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7組17名の親子が「アカマチ」と、「連子鯛」をさばいて料理!【日本さばける塾 in 沖縄県】を開催

日本さばけるプロジェクト実行委員会は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み『日本さばける塾 in 沖縄』を9月26日(日)に開催し、7組17名の親子が参加しました。

2021.10.11

日本さばけるプロジェクト実行委員会は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み『日本さばける塾 in 沖縄』を2021年9月26日(日)に開催し、7組17名の親子が参加しました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

日程
2021年9月26日(日)10時~13時
開催場所
オンライン開催
参加人数
7組17名(小学生と保護者)
講師
上原一心(うえはらかずみ)/マルカ水産
主催
海と日本PROJECTin沖縄県実行委員会、⽇本さばけるプロジェクト実⾏委員会
共催
⽇本財団 海と⽇本プロジェクト

沖縄三大高級魚・鮮度抜群のアカマチをさばく!

今回のさばける塾in沖縄県の講師は、那覇市泊いゆまちに店を構える有限会社・マルカ水産の上原一心さん。せっかくさばくなら子どもたちに最高のモノをという上原さんの思いで、本番前日に水揚げされた沖縄三大高級魚と言われるアカマチ(ハマダイ)と連子鯛という、最高の鮮魚をご家庭にお届けして頂きました。

まずは、講師・上原さんのデモンストレーション。うろこを取るところから始まります。
「うろこ取りは包丁の柄に近いところを使って取っていきますが、昔からの知恵として、例えばビニール袋に入れながらやると飛び散らなくていいですよね」「釣りをしたことのある人は分かるかもしれませんが、包丁の代わりにペットボトルのキャップなんかで代用してもいいですよー!」。上原さんが”生活の知恵”とも言える方法を軽快に話しながら、魚をスムーズにさばいていきます。この生活の知恵という部分も、上原さんが子どもたちに伝えたいことの一つ。普段何気なく口に入る魚も、誰かの手が入り、その方法が生活の知恵となっているくらいずっと身近な存在であるということを感じてほしいという思いがあります。
デモンストレーション中は、じーっと画面を見ながらその手捌きを見つめていた子どもたちですが、いざ自分たちの順番となると、先生の慣れた手つきとは一転、思うように魚体を扱えず、序盤から苦戦します。
そんな中でも「自分のペースでやりましょう」「ケガをしないのと楽しんでやるのが一番」と励ましながら進める上原さん。オンライン開催となりましたが、それを感じさせない暖かい雰囲気となりました。

そして、さばき方を教えるというプロジェクトの魅力が光ったのが、魚のエラの外し方。どうやって取ればいいのか質問が来ると、カメラを魚に近づけて、魚の喉元を見せながら、包丁を入れる場所を一つ一つゆっくりと説明していきます。その様子は、対面で見るよりも分かりやすい拡大映像だったのではと思うほど。慣れない作業で1人1人の進捗が異なるのは当然ですが、同じ場所に集う対面開催では、中々質問がしづらい一面もあります。それぞれが焦らずにペースを守ることができるオンライン開催の強みが出た場面でした。
さばく工程が終了すると、一気に調理にかかります。3枚におろしたアカマチはムニエルに、ぶつ切りにした連子鯛はアラ汁(魚汁)にしていきます。アラ汁のポイントは、水から連子鯛を入れることと、アクを取りすぎないこと。まずはアラ汁調理をして、茹でている最中にムニエルを仕上げていきます。このあたりから、上原さんが促さなくとも、「先生〜!」と茹で時間やポイントなどの質問が少しずつ増えていきました。先に完成した子どもの中には我慢が出来ずに、「先に食べていいですか〜!?」という質問も。

完成後は、「骨の硬い部分はお母さんにやってもらったけど、いつもは生の魚を、刺身でしか触らないし、3枚に下ろすのも初めてで面白かった」、「魚のエラをさばくところが難しかったけどうまく出来た!」など、やりきった表情で感想を語ってくれました。

沖縄の水産業の仕組み/魚を食べなくなると、、、

講師の上原さんは、水産業に携わって約20年。普段から、子どもたちに魚を身近に感じてほしいと、講演やオリジナルキャラクターによるイベントなど、業界を盛り上げようと奮闘しています。今回子どもたちには、そんな上原さんだからこそ話せる、沖縄水産業のイマを学んで頂きました。

まずは、上原さんの仕事の始まりである、せりについてです。朝4時のせりの様子を見ながら、沖縄のせりの特徴である、鮮魚と太物(まぐろ類)を同時に行う様子や、上げぜり、黒板ぜりというそれぞれの仕組みを解説。「海人(うみんちゅ・漁師)が命懸けで取ってきた魚を、消費者のために仲買人が目利きし、スーパーなどを伝ってみんなの手元に届くというサイクル。目利きのプロが、安心してお客様に出せるようにとプライド持ってやってる。」と心構えを伝えました。そんな硬い話の一方で、話が上原さん考案のお魚戦隊デーラカージャーの活動や、なぜかお店でせり落とす珍魚の話になると、子どもたちや保護者も笑顔に。魚は楽しいという気持ちを持って欲しいという上原さんならではの進行が光ります。
講義の中で上原さんが強調したのは、沖縄の魚の価値を知って欲しいということでした。
上原さんは、「県民がその味を知らず、県外の人が知っているとなると、海人も県外に行くし生鮮ものが食べられなくなる。」と起こりうる悪循環について説明。乱獲と漁獲制限に触れながら、「マグロが生鮮で食べられるのは実はすごいこと。大切な魚を守って後世に残していくという意味でも、まずは有限で大切な資源であるその魚の価値を知って欲しい」熱い気持ちを語りました。
講義のあとには、子どもたちからさまざまな質問が。
Q.「スーパーに沖縄の魚がないのはなんで?」
A.「沖縄の魚は天候に左右されるので値段も安定していない。だけど、魚市場に行けばあるので、是非遊びにきてください!」
Q.「沖縄で水揚げされる深海魚はなんですか?」
A.「深海魚ってわけではないが、実は、今沖縄県では金目鯛を推していて、魚って大きい目と小さい目があって、大きい目の魚ほど深い海にいるそうで、海人に聞いたら、深海に行けば行くほど、目に光がいくようにという。確かにアカマチは目が大きくて深いところにいる、シチューマチは浅いところにいる。そんな違いが面白い。」
Q.「オニダルマオコゼって売られてますか?」
A.「知っているとはさすが!方言ではアーファーっていいます。背鰭に毒があるけど取り除いて唐揚げにすると美味しい!だけど、獲るのは危険なのでおすすめしないです。うちのお店にあります(笑)」
など、子どもたちらしい着眼点の質問に、上原さんも楽しそうに答えていました。







イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:17人