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【海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト】中学生研究生9名が最新3Dスキャン技術を実戦形式で学びました!

海洋研究 3Dスーパーサイエンスプロジェクト実行委員会は、2022年3月20日(日)、海洋や3Dに興味がある学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト2021」の第12回授業を東京海洋大学、マリンサイエンスミュージアムにて開催いたしました。

2022.03.29

海洋研究 3Dスーパーサイエンスプロジェクト実行委員会は、2022年3月20日(日)、海洋や3Dに興味がある学生を対象にした「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト2021」の第12回授業を東京海洋大学、マリンサイエンスミュージアムにて開催いたしました。プロジェクトの発表会に向けた実習授業です。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、物事を深く追求できる人材を育成する
日程
2022年 3月20日(日)10:30〜15:25
場所
東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム
参加者
生徒:中学生研究員9名
講師:吉本大輝、中村玄

第一部 3Dスキャン技術基礎(座学)

3Dと最新の3Dスキャン技術について解説
生徒は昨年からそれぞれ、クラゲやサメなど、テーマとする海洋生物を設けて研究に励んでいます。今回の授業では、今後研究したものを色々なスキャン方法でデータを取っていくので、そのためのアプローチを学びました。様々なスキャンがありますが、3Dスキャンは大きく「接触型」「非接触型」に分けられます。
その中でも研究に相性が良い非接触型のスキャナーを実際に使って、データをとる体験を行います。

光学スキャンの強み・弱み
海洋生物の研究に役立つ具体的な活用例として、「光学スキャン」について強み・弱みを学びました。光学スキャンとは、パターン光を当ててその歪みから形状を計測し点群データを作成するもの。(点群とは、3次元の座標(XYZ)で表現される点のあつまり)

<強み>
・外部形態を撮影できる
・持ち運びがしやすい
・入り込んだような複雑な形状を撮影することができる

<弱み>
・内部構造はスキャンできない(3Dスキャン全般)
・動いているものは撮影できない(3Dスキャン全般)
・原則色は取ることが出来ない ※同時に撮影できる機種もある
・極端に大きいものと極端に小さいものは撮影できない ※撮影できる機種もある
・黒いもの透明なも光沢があるものの撮影が苦手
・撮影環境が明るすぎたり暗すぎたりすると撮影できない

内部構造を撮影するときはCTやMRIなどの「断面画像撮影装置」を使います。解剖せずに非破壊で(壊さず)中を調べたい時に便利な方法で、断面画像を組み合わせ3Dデータに変換し研究に活用することができます。

第二部 3Dスキャン技術応用(体験)

午後は、まず中村先生の研究室でCTスキャン。先生にレクチャーを受けながら実践しました。生徒が持参したピーマンや貝殻、カメラなど身近なものを映していき内部構造を観察しました。
普段見慣れたピーマンの断面もCTを通して観察するととても新鮮で講師陣も含め発見の連続でした。
貴重な標本などは解剖せずに内部構造を調べる必要があるため、非破壊で調べることができるCTの特性を実習を通して体験できました。

教室に戻り、光学スキャン実習の続きでは、2班に分かれ光学スキャナーを使い、コマッコウの頭骨でスキャンの練習を行いました。一見簡単そうに見える3Dスキャンも機械の特性を知らなければ、うまく撮影することができないので、どうすれば綺麗な3Dデータを取得できるかみんなで工夫しながら撮影しました。
もう一方では、3Dスキャナーのセッティングを学びました。実際に標本を撮影できるように、各研究生のPCをスキャナーに繋ぎ一人で一からセッティングできるように練習しました。

参加した中学生研究生の声

・スキャナーを実際に触ることは初めてだったけれど、自分で体験できて面白かったです。
・CTスキャナーは、カメラなどの精密な内部構造も全部見ることができてすごいと思いました。
・卒業式に向けて、ちょっと緊張しますが、先生たちに教えてもらって良い発表ができるといいなと思います。

講師よりコメント

吉本先生
コロナ禍と重なりなかなか対面授業ができずオンラインが中心になってしまいましたが、3Dという難しい内容にも関わらずよくみんな理解してくれているなと、常に感心しっぱなしです。
3Dスキャンに関しては大学でも教えないような内容で、かなり難しいと思いますが、みんな好奇心旺盛で飲み込みの早さに驚きました。
3Dスキャナーを使いこなせる中学生なんて日本で探しても他にいないのではないかなと思います。

中村先生
まずは実際に皆さんと一緒に手を動かしながら授業ができて良かったです。
僕の研究室では3Dスキャナをよく使っていますが、実際にスキャンをしたことがある人は数人程度です。それくらい珍しい機械に触れることができたのは、生徒の皆さんにとっても貴重な体験だったのではないでしょうか。
ずっしりとした機械の重さに驚き、スキャンをした部分がどんどんパソコンの画面上で3次元画像として構築されていく様子に感動している子も多くいました。
CTスキャナーを使って巻貝、ピーマン、カメラなどをスキャンしました。
ピーマンの断面画像を見た子たちが「いつもまな板の上で見ているピーマンだけどなんか特別感がすごい」と言っていたのが印象的でした。たしかに、ピーマンの断面は見慣れていますが、スキャンしたピーマンは切られていません。これが非破壊で中を見ることができるCTスキャナーの特徴ですね。
短い時間ではありましたが、科学の最先端に触れられる貴重な機会を提供できたことを嬉しく思います。

 
 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

 

参加人数:9人