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駿河湾について3つのテーマで学ぼう!駿河湾の神秘 徹底調査!第2弾イベント【駿河湾の神秘 徹底調査ゼミ】を開催しました!

一般社団法人自然科学体験学習ネットワークは、9月11日(日)に実施した西浦のサンゴ調査体験イベントに引き続き、2022年10月23日(日)に第2弾イベント「駿河湾の神秘 徹底調査ゼミ」を開催いたしました。

2022.11.08

一般社団法人自然科学体験学習ネットワーク

一般社団法人自然科学体験学習ネットワークは、9月11日(日)に実施した西浦のサンゴ調査体験イベントに引き続き、2022年10月23日(日)に第2弾イベント「駿河湾の神秘 徹底調査ゼミ」を開催いたしました。一般公募で選ばれた静岡県内の小学5-6年生、14名が参加し、3つのテーマ①駿河湾に流れ込む一級河川「富士川」の神秘(海底地形を知る)②伊豆半島沖に生息する南海生物の神秘(海で起きている異変を知る)③次々に発見されている新種生物の神秘(新種の生物を知る)、について東海大学海洋学部の専門分野の研究者から、最新の研究成果をわかりやすく子ども達に伝えました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
学習1「沼津のサンゴの種類の変化の理由と影響について」
学習2「駿河湾の地形と富士川の流れについて」
学習3「深海魚の新種について」
それぞれ東海大学の専門の先生方から最新の研究成果について学びました。
日程
2022年10月23日(日)14:00~16:00
開催場所
東海大学海洋学部 清水キャンパス 8号館4階(静岡県静岡市清水区折戸3-20-1)
参加人数
小学5-6年生 13人
協力団体
海大学海洋学部、東海大学海洋研究所

学習1 沼津の平沢で起きているサンゴの生息域の変化の理由は?

9月11日(日)沼津の平沢マリンセンターでは、 これまで平沢沿岸でみられなかったサンゴ種であるニホンミドリイシとクシハダミドリイシを水中ドローンなどで観察できました。これまで、平沢沿岸でみられなかったサンゴ種であるニホンミドリイシとクシハダミドリイシが、なぜ2020年に入って平沢沿岸でも観察されるようになったのか?という宿題について、小学生が考えを発表しディスカッションを実施。中村先生から温暖化による海中水温とサンゴの関係の研究成果を児童にわかりやすく説明し、冬の水温上昇により南方の生物が生息出来る環境に変化した事を理解してもらいました。

ディスカッションでは、駿河湾の奥の沼津付近でも南方のサンゴが身近に見れる環境になる事で、良い面(熱帯の生物が静岡で見られ、ダイビングなど観光業は潤う)と、悪い面(生態系が崩れ、これまで採れた魚が獲れない環境になるる可能性がある)が存在する事実など、身近な環境変化が及ぼす生活への影響を先生がヒントを出しながら話し合いました。最後に中村先生は「このまま二酸化炭素の排出が続けば、2090年には日本近海で全てのサンゴが見られなくなる可能性がある。9月にみんなが植樹したサンゴの生育を、時々平沢の海に行って見守ってほしい」とコメント。

学習2 駿河湾の海底地形と富士川の流れについて学ぼう。

駿河湾の地形について坂本先生から、駿河湾は2つのプレートのぶつかるところで、駿河トラフという深い海になっていて、富士川河口は急激に深海に沈み込んでいることを駿河湾の海底模型を元に説明してもらいました。駿河湾の地形は、音響や実際に海底の泥や石を採取することで分析されていて、海底にも川筋のようなものがあり、南北に走る川筋から採取した泥の中には富士川由来と思われる雲母など発見されており、子どもたちも実際に海底で採取した雲母や南アルプスの富士川上流の雲母を顕微鏡で見てもらいました。富士川由来の石(火成岩)と大井川由来の石(堆積岩)も実際に見て触って違いを比べました。

参加者は、駿河湾には水深1000mでも青々とした植物が海底に流れ込んでいる映像、レジ袋が海に流れ込む映像を鑑賞し、富士川の流れが深海まで続いていることを感じていました。駿河湾の海底の地層を調べることで、大雨や台風などで陸地で起こる気象の変化によってダイナミックに海底地形が動いていることを学びました。

学習3 つぎつぎ見つかる深海魚の新種(クサウオ)について

村﨑先生はクサウオという深海魚の専門家で、これまで7つの深海魚の新種を発見し、そのうち駿河湾で5つの種を発見しました。先生曰く、新種の深海魚を見分ける際に大切なのは、観察力とのこと。小学生の参加者には、見分ける力を実際に深海魚の写真合わせパズルで試してもらい、細かな違いで種類を見分けることを学びました。クサウオは深海に多くいる仲間ですが、小さくて体がゼリー状で柔らかいため、実物を調べることが困難です。博物館で放置されていた30年前の魚を調べたり、130年前のベーリング海で発見された2匹目の魚など、アメリカのスミソニアン博物館まで出向き、標本を見に行ったりするお話を聞きました。顕微鏡を見ながら緻密にスケッチしたものが、これまでに見つかった魚の特徴と一致しなかった場合、論文を英語で発表し新種と認めてもらうという話を学んだ様子でした。「駿河湾は、陸地に近いところでも水深が2500mほどあり、1000m以上の深海には未知の生物がたくさんいるので、ぜひ駿河湾に興味を持ってほしい」とコメントし、参加者に駿河湾の魅力を訴えました。

参加した子ども・保護者からの声

・サンゴは動かないと思っていたが幼生は泳げることを知ってびっくりした。同じクラスの友達に教えてあげたい。
・植物やごみ袋が駿河湾の深海まで流れ着いていて驚いた。海にごみを捨てないように気をつけたい。
・キラキラと金色に光る雲母がきれいだった。
・深海魚の新種のスケッチが手書きですごいと思った。
・毎年のように駿河湾では新種の深海魚が見つかっているのでこれからたくさんも見つかると思う。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:13人