山口県の魚 フグを通して海の未来を考えよう!「フクワク調査隊」(DAY1)を開催しました!
一般社団法人 海と日本プロジェクトinやまぐちは、山口県を代表する魚であり取扱量日本一のフグについて、どんな魚なのか、現在どんな危機的状況にあるのかを、県内の小学校5・6年生24名が2日間の体験を通して学んだことを発信するイベント「フクワク調査隊」の1日目を7月2日(日)に開催いたしました。
2023.07.06
一般社団法人 海と日本プロジェクトinやまぐちは、山口県を代表する魚であり取扱量日本一のフグについて、どんな魚なのか、現在どんな危機的状況にあるのかを、県内の小学校5・6年生24名が2日間の体験を通して学んだことを発信するイベント「フクワク調査隊」の1日目を7月2日(日)に開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
※「フグの取扱量日本一」下関市HP https://www.city.shimonoseki.lg.jp/soshiki/60/1173.html
開催概要
フグの生態や毒についての学習、市場にてフグ製品の調査・考察
日程
2023年7月2日(日)9:30~16:00
開催場所
市立しものせき水族館 海響館(山口県下関市あるかぽーと6-1)、唐戸市場(下関市唐戸町5-50)
参加人数
山口県内の小学5・6年生24名
協力団体
国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産大学校
市立しものせき水族館 海響館
下関唐戸魚市場仲卸協同組合
株式会社山賀
読売新聞山口総局
ライフスタイル協同組合
そもそもフグってどんな魚?
山口県内では前日に線状降水帯が発生するなど大雨被害も出ており、梅雨中での開催となりましたが、当日は天気も回復し日差しも出て開催することができました。山口県内の元気な小学5・6年生24人が海響館に集合し「フクワク調査隊」が結成されました。少し緊張気味な表情の子もいましたが、同じ班の隊員や水産大学校の生徒や学校の先生による学びサポーターとの自己紹介タイムを経て少しずつ和んでいました。
そして最初の講座がスタート。講師は、世界一「フグ」の展示種類数を誇る海響館でフグなどの生態の研究や日々の飼育を担当している荻本啓介先生です。 まずはフグの基礎知識と、このあと実際に観察する時のポイントを教えていただきました。
※「フグの展示種類数世界一」の海響館 https://www.kaikyokan.com/display.php
そして実際にフグを観察するため、学びサポーターと一緒に館内のフグ展示エリアへ。海響館には世界で400種類いるフグのうち、100種類が展示されています。色や形や大きさ、生息地域も違うのに、泳ぎ方など似ている特徴にも気付く隊員たち。 限られた時間いっぱい、キラキラした目で一生懸命観察していました。展示を見るだけでなく、いろいろな問題にクイズ形式で楽しみながら学び、観察の後に改めて荻本先生と学習のまとめを行い、興味が膨らむ隊員からはたくさんの質問が出ていました。
フグはどんなふうに食べられているんだろう?
ランチにフグフライを食べ、唐戸市場2階の調理室に会場を移して午後の部がスタート。 下関唐戸魚市場 仲卸協同組合理事長の酒井一先生に、毒のあるフグが、いつ頃からどのように食べられているかについて教えていただきました。また、安心して食べるために、今どんなことを行っているのかを実際に隊員の前で披露していただきました。忙しい時期には1日で100匹以上のフグをさばく職人さん、あっという間にさばかれていく手際の良さに隊員たちは興味津々の様子でした。
さばかれたトラフグは、薄く引かれフグ刺しとなり、隊員たちは出来立てのふぐ刺しを実食しました。「⿂⾷で笑顔に!笑顔で⾷を⼤切に!!」をモットーに、⿂⾷普及のための活動を⾏っている唐戸魚食塾(からとぎょしょくじゅく)の皆さんから食べ方のコツを教えてもらいました。フグを堪能したあとも魚食塾の先生方には、子どもたちからのフグの食べ方や毒についての質問が飛び交いました。
最後には、酒井先生から「なぜフグは毒があるのに食べられるのか」というお話がありました。それは「美味しいから」。どこに毒があるのかを長い時間かけて調べ、フグの知識を得ることにより、より美味しく感じます。また、下関付近でよく獲れ、フグによく合う食材が下関付近にあったため、下関にたくさんのフグが集まったのだということです。「ただ、そんなフグもこの最近は色々な問題が出てきています」と気になるお言葉も…。隊員たちはこの問題について来月の「フクワク調査隊(DAY2)」で学びます。
夢のフクらむフグ商品を考えよう
フグの魅力をたくさんの人に知ってもらうため、オリジナルのコラボ食品をみんなで考えてみよう! そのためにはフグを使った商品がどれだけ売られているかを知る必要があります。ということで、唐戸市場内を学びサポーターと一緒に班ごとに回って調査を含めたお買い物をして、できるだけ多くの種類のフグの食品を集め、ヒントに繋げます。から揚げ、握り寿司、干物などの種類の中から、参考になりそうな商品をみんなで相談しながら真剣に選んでいきます。買い物の後は、隊員たちが選んだ商品を実際に試食し、分析シートに記入していきました。味や形、パッケージなど、食べ比べて分析するのは難しいですが、 学びサポーターのリードで、コラボ食品のアイディアも出し合っていきました。
ここで、助っ人が登場しました。これまでさまざまなフグの商品を作り、今回の「フクワク調査隊」オリジナルのコラボ食品を作っていただく予定の株式会社山賀の山賀竜郎代表取締役に、商品作りにはどんな思いや戦略があるのか、大事にしていることや大変なことについてを伺いました。「味には最終到達点はありません」「色は気にした方が良いです」「君たちのような若い子たち、女性の方に人気がある商品が売れます!」など、これまでに得たノウハウ、成功談や失敗談を伝授してもらい、隊員たちのイメージが一層膨らんだようです。
フクワク調査隊は、本日の体験をもとにオリジナルコラボ食品のアイディアを各自考案します。次回8月2日(水)に下関市・南風泊市場、海峡メッセで行なわれるDAY2で食品づくりのワークショップを行うほか、「フグはどんなふうに獲られているか」と「フグの取り扱い拠点はどんなところだろう」を市場にて体験学習をしたあと、ワークショップ「山口県のフグが大ピンチ 福島県とズーム会議」にて、フグの問題について学びます。学びの成果はフグのお取り寄せ商品の開発販売や、新聞のパノラマ版特別号を3万部作成し、山口県内の全小学5・6年生、水族館や博物館などの学習施設、行政関係に配布する予定です。
参加した子どもの声
・フグの仲間が全世界にいることや、マンボウもフグの仲間とは知らなかった。
・私たちがフグを食べることが出来るのは、昔からたくさんの人がフグの毒で犠牲になり、毒の除去方法を研究 してくれたおかげだとわかった。フグ刺しの美味しい食べ方もみんなに教えたい。
・商品開発はとても難しいことがよく分かった。スーパーなどでいろいろな商品を見ていいものを作れるように色々考えたい。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:24人