信州の企業等が開発!かぼすブリと大衆魚アジをさばいて海を学ぶ『日本さばける塾 in 長野』を開催しました!
一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトin長野は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み「日本さばける塾 in 長野」を11月25日(土)に開催いたしました。
2023.11.30
一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトin長野は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み「日本さばける塾 in 長野」を11月25日(土)に開催し、8組19名の親子が参加しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
日本さばける塾 in 長野
開催概要
”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来に引き継ぐアクションの輪を広げる取り組みとして
①海にまつわる講義を受ける
②講師による魚さばき・調理実演
③参加児童がブリ・アジ料理作りに挑戦。親子で試食。
以上を実施
日程
2023年11月25日(土)
開催場所
清泉女学院大学上野キャンパス調理実習室
参加人数
8組19名(小学生と保護者)
講師
深谷薫・堀江早貴(㈱マルイチ産商 鮮魚課)
主催
一般社団法人 海と日本プロジェクトin長野、一般社団法人 海のごちそう推進機構
共催
⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
協力団体
マルイチ産商・kono-kono Kitchen studio・清泉女学院大学
天然魚が減少する中、増える養殖魚 ~海なし県長野に鮮魚が届くまで~
海の学びの講師は、長野県最大の水産物の卸売会社のマルイチ産商の深谷薫さんと堀江早貴さんです。最初に日本でとれる天然魚の量は、最もとれた時期と比べ、今は3分の1程度に減っていると説明。その理由は海水温の上昇や魚の取り過ぎ、海の変化によりとれる魚が変わったこと、クジラによる食害等が原因ではないかと考えられています。こうした中、安定的に安全においしい魚を届けるため、人間が育てた養殖魚はこの40年間で14倍になっているという背景があります。マルイチ産商は海がない長野県の会社ですが、大分県の海でかぼすをエサにつかったオリジナル品種かぼすブリを開発し、長野県を含めた全国に出荷しています。全国には2785もの漁港があり、卸売り会社がそれをスーパーやレストランなどに運ぶ役割をしている流通網があるからこそ、鮮魚が全国津々浦々に届くということも教えてもらいました。マルイチ産商の深谷さんは、「山の環境が保たれていると川を通じて豊かな栄養が海につながっているので、海の環境と長野県は、とても関係が深い。だから、おいしい魚を食べるとき、個のつながりを思いだしてほしい。」と参加者に伝えました。
この後、1本5kgのかぼすブリの解体をデモンストレーション。「大きくても、みなさんがさばくアジとやり方は同じですよ。」と伝え手際よく三枚おろしを披露すると参加者からは拍手が沸き起こりました。普段食べている刺身の切り身が本物の魚からとれるものという当たり前のことを直接見たことで、こどもたちは感動。あらためて命のありがたみを感じた様子でした。
初めてのアジのさばきに挑戦
参加児童の多くが魚をさばくことが初めての経験でしたが、指導を務めたクッキングコーディネーターの浜このみ先生が三枚おろしのコツについて、「骨のギリギリの部分に包丁を入れて、”骨に当たる音”が聞こえるくらいが正解」と、まずはやり方を披露しました。その後、さっそく児童たちがアジのさばきに挑戦。「身がぷよぷよしてる。」「結構骨があって、固いんだな。」など魚の身に興味深々。三枚おろしに「意外と簡単だったので、家でもやってみたい。」との声も。アジは、小麦粉を付けて、多めの油で揚げ焼きに。最後にチーズとカレー粉でまぶしたパン粉をかけてさっそく一品出来上がり。二品目はかぼすブリの漬け丼。マルイチ産商の深谷さんにさばいてもらったかぼすブリを醤油とすりごまを混ぜて出来上がり。その後、参加者全員でいただきました。「自分でさばいたから、特に美味しい。」「お店で出せる味。」と上々の出来に大満足な様子。イベントの最後には浜このみ先生からさばけるマスターの証しとしてカードがひとりずつ手渡されました。
参加した子ども・保護者からの声
⼩学5年⽣男子
「天然魚が減ったいることを初めて知った。海には沢山の変化が起きていて心配になった。海を守るために、ごみ拾いを積極的にして海を守りたい」
⼩学6年⽣男⼦
「魚をさばくのは初めてだったけど、教わると一人でもできるのがわかったので、家でも絶対やりたい。家族に自分がさばいた魚を食べてほしい。」
⼩学3年⽣⼥⼦保護者
「単なる料理イベントではなく、魚や海の環境についても学べる他にはないイベントで子どもたちにとって貴重な場となった。私自身も知らないことが多くためになった」
⼩学5年⽣男⼦保護者
「魚を触ることすらできないと思っていた子どもが進んでさばく様子を見て成長を実感できた。自宅ではさばきを敬遠していたが、家庭内でのさばける塾を実施したいと思いました。」
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:19人