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海ノ民話のまち 秋田県男鹿市の海ノ民話アニメーション 「黒神と赤神の戦い」が完成! 上映会と特別授業を開催しました

一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2024年2月19日(月)、秋田県男鹿市にて男鹿市を舞台に制作したアニメ「黒神と赤神の戦い」の上映会と特別授業(フィールドワーク)を開催いたしました。

2024.02.26

一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2024年2月19日(月)、秋田県男鹿市にて男鹿市を舞台に制作したアニメ「黒神と赤神の戦い」の上映会と特別授業(フィールドワーク)を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しています。

 イベント概要                                   

名称 海ノ民話アニメーション「黒神と赤神の戦い」上映会および特別授業
主催 一般社団法人日本昔ばなし協会
共催 日本財団 海と日本プロジェクト
日時 2024年2月19日(月)13:25~14:30
会場 男鹿市立脇本第一小学校 第3学年教室
参加者 脇本第一小学校第3学年児童25名
実施概要 脇本第一小学校の授業内で、2023年度を通して総合学習として地元男鹿市、脇本地区について学んできた第3学年児童25名(当日1名欠席)を対象に実施。

■講師
海ノ民話のまちプロジェクト PRプロデューサー​ 柴田 英知 氏
男鹿市文化財保護審議会委員 永井 登志樹 氏(男鹿市海ノ民話のまち実行委員)

■上映会
・海と日本プロジェクト「海ノ民話のまちプロジェクト」概要説明
・海ノ民話アニメーション「黒神と赤神の戦い」上映​

■特別授業(フィールドワークの代替)
柴田氏による授業内容
・海ノ民話のまちプロジェクトの意義
・漫画とアニメの違い
・民話アニメの制作 等

永井氏による授業内容
・民話の舞台(青森県竜飛崎・十和田湖・秋田県男鹿半島)の説明
・民話に登場する「孔雀の窟」の動画・絵画を活用した解説
・ジオパークに認定された男鹿半島の地質的な特徴 等

 

開催レポート

「黒神と赤神の戦い」は、黒神が住む青森県竜飛崎と赤神が住む秋田県男鹿半島の地質の違いから想起された秋田県男鹿市に伝わる海の民話だと考えられています。「黒神」が住んだ竜飛崎の岩は雄々しい黒色であるのに対し、「赤神」が住んだ男鹿半島の岩場は少し赤みを帯びた穏やかな形をしています。秋田と青森を舞台にした物語に照らし合わせて、それぞれの大地の成り立ちの違いなどに目を向けることができます。地域の民俗だけでなく科学的な地質学にもつながる総合学習の教材としても期待される民話アニメーションとしてのポテンシャルを鑑み、地元・男鹿市や脇本(わきもと)地域について一年間学習した男鹿市立脇本第一小学校(佐々木蘭子校長)第3学年「総合」の授業時間に上映会および特別授業を実施しました。

民話「黒神と赤神の戦い」は、地元男鹿市民でも知っている人がごく稀なほどで、今回の上映会まで民話の存在自体を知っている児童はいませんでした。

予備知識が十分でない中で上映会はスタート。いつもは学習のポイントを表示する電子黒板が、温かみのあるタッチで描かれたアニメと男女2人の声優が何役も演ずるナレーションが飛び出すまるで映画館のスクリーンに。5分35秒の上映時間が一瞬と感じるほど、児童は食い入るようにアニメを鑑賞し、上映後には自然と拍手が湧き起りました。

男鹿市文化財保護審議会委員で男鹿半島・大潟ジオパークの解説員も務める講師の永井登志樹(ながい・としき)氏は、民話アニメの舞台となっている青森県竜飛崎・十和田湖・秋田県男鹿半島を説明したうえで、それぞれの地質的な違いを丁寧に説明。また、民話アニメに出てくる「孔雀(こうじゃく)の窟(いわや)」を実際に調査した時の動画を交えて、地元男鹿市の所によっては少し赤みを帯びた岩も見られる地質的な特徴を解説しました。また校長室に孔雀の窟を内部から外海を臨んだ絵画が飾られていたことから、「赤神と女神視点の孔雀の窟」として紹介しました。

海ノ民話のまちプロジェクトPRプロデューサーの柴田英知(しばた・ひでとも)氏は、漫画とアニメの違いや今回の民話アニメの制作について画像を交えながら説明し、アニメを通して地元の海の学びを伝えるために、制作スタッフだけでなく、多くの地元の人も汗をかいて完成させたことを伝えました。

現在も断崖絶壁の海食洞窟として残っている「孔雀の窟(こうじゃくのいわや)」だけでなく、男鹿半島はかつての火山活動と、波の浸食による独自の地形が絶景をつくり、芸術作品のような見どころが多数存在します。この民話アニメ「黒神と赤神の戦い」は、地域の学習教材としては勿論、観光資源を再発見するコンテンツとしての活用も期待されます。

参加児童の感想

授業時間の都合上、1人の男子児童が代表で感想を発表してもらいました。「アニメとしても面白く、家に帰ったら家族にもYouTube等で観るよう伝えたい。ジオパークの学習について興味を持った。舞台となっている孔雀の窟に行ってみたい」と述べました。

今回の上映会および特別授業は3年生を対象に実施しましたが、民話アニメーションは、今後、全校児童に視聴します。全員に「推しメン」投票付きの感想文書いてもらう予定で、民話アニメを制作した沼田心之介(ぬまた・しんのすけ)監督に贈ることにしています。

今回の作品(海ノ民話アニメーション)の視聴URL

タイトル「黒神(くろがみ)と赤神(あかがみ)の戦い」
https://uminominwa.jp/animation/46/

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています