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海ノ民話アニメーション「奥浜名湖の鵺伝説」が完成!

一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2024年2月20日(火)に静岡県浜松市を舞台にした海ノ民話アニメーション「奥浜名湖の鵺伝説」が完成したため、アニメ監督が浜松市を訪問しアニメのお披露目と「海ノ民話のまち」認定式を実施しました。

2024.02.28

一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2024年2月20日(火)に静岡県浜松市を舞台にした海ノ民話アニメーション「奥浜名湖の鵺伝説」が完成したため、アニメ監督が浜松市を訪問しアニメのお披露目と「海ノ民話のまち」認定式を実施しました。
また同日、浜松市の中学校で同作品の上映会イベントを実施しました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しています。

<イベント概要 ①表敬訪問>

日時 2024年2月20日(火)16:30~17:00
会場  浜名区役所(静岡県浜松市浜名区貴布祢3000 なゆた・浜北3F)
プログラム ●司会挨拶

●海ノ民話のまちプロジェクト説明

●認定証・完成アニメパッケージ贈呈

●海ノ民話アニメーション上映(約5分半)

●会談
・感想などフリートーク
・上映会とフィールドワークの予定
・活用、展開についてフリートーク

●フォトセッション

●取材(中村公彦浜名区長)
・海ノ民話アニメーションの感想
・地域における活用構想など

●取材(沼田心之介監督)
・今回の作品に対する想い
・地域の皆様へのメッセージ

●その他取材
・商品開発事例①・・・鵺の張り子/張り子作家・坂田吉章氏
・商品開発事例②・・・鵺まんじゅう/菓子職人・伊藤暢洋氏

 

中村公彦区長コメント

この度は、この浜松市浜名区に伝わる伝説を、このように素晴らしいアニメとして制作してもらい、ありがとうございました。
アニメの制作にあたりましては、監督さんをはじめとしたアニメ制作会社の方々、そして、地元三ヶ日町観光協会の皆さま、また、地域の郷土史を研究されて、アニメ制作にたくさんのご協力をして下さった先生方、その他にも制作に携われた多くの皆さまに、感謝を申し上げます。
私が浜松市北区(=浜名区の前身)の職員だった時代、この三ヶ日町を担当した時期がありました。その時、「鵺代(ぬえしろ)」という地名があることは聞いていました。でも、その鵺代という地名が、このような伝説と結びついていることは、全く知りませんでした。
今回のアニメを拝見しまして、三ヶ日町鵺代という地名と、鵺伝説と、点と点がつながって線になりました。
「奥浜名湖の鵺伝説」という素晴らしいアニメの完成によって、「鵺代」が地元の歴史と絡まって付いた地名なのだということを知ることができまして、とても感慨深い思いがしました。
アニメを活用して地域に広めようと、鵺の張り子や、まんじゅうの開発に取り組んでいる状況もとてもおもしろいと思います。地元三ヶ日町の和菓子店が知恵を絞って、鵺の伝説をまんじゅう化したことは、特に面白いです。地域と一緒になって、こうしたことに取り組むことが、とっても良いと思います。
地域と一緒になって完成したアニメ「奥浜名湖の鵺伝説」を、浜名区役所としましても一緒になって広め、地域の歴史を知り、地域を学ぶきっかけとして、今後も役立てていきたいと思っております。

<イベント概要 ②上映会イベント>

名称 海ノ民話アニメーション「奥浜名湖の鵺伝説」全校上映会・道徳の授業
主催 一般社団法人日本昔ばなし協会
共催 日本財団 海と日本プロジェクト
日時 2024年2月20日(火)8:40~9:30
会場 浜松市立三ケ日中学校 体育館
参加者 三ヶ日中学校に通う中学生約400名
実施概要 三ヶ日中学校の道徳の授業内で、全校生徒約400名(予定)を対象に実施。

道徳の授業テーマ:完成した海ノ民話「奥浜名湖の鵺伝説】を見て、地元に伝わる歴史を学ぶ。また、アニメを活用した地域の活性化について

■地元の歴史に関する講師
・文化協会 鈴木義男会長​
・三ヶ日町郷土を語る会 河西正和会長​

■上映会
・海と日本プロジェクト「海ノ民話のまちプロジェクト」概要説明
・地元に伝わる鵺伝説について
・文化協会 鈴木義男会長​
・三ヶ日町郷土を語る会 河西正和会長
・アニメ制作舞台裏、制作秘話など​、アニメ制作チーム

柴田英知プロデューサーより
・生徒による質疑応答

■ワークショップ
・アニメ関連商品の開発について紹介​
・地元の和菓子店(三ヶ日製菓・伊藤暢洋氏)が、鵺まんじゅうを開発
・張り子作家の坂田吉章氏が、​伝統工芸の張り子技術で、鵺の張り子を制作
・中学生の皆さんによる、アニメを活用した地域活性化アイデア、

アニメの普及広報アイデアなどの提案(アンケート用紙に書いて提出)

 

講堂にいる人たち 自動的に生成された説明

当日レポート(上映会)

・上映会の詳細/背景など

民話の舞台となった浜松市浜名区三ヶ日町には、中学校が1つ、小学校が4つある。
この全5校でまずは上映会を実施しようと、実行委員会が企画した。その第一弾が今回の三ヶ日中学校全校上映会だった。

地元の歴史を学び、地域振興を考えるという社会学習的な観点で、当初は総合学習の時間が検討されたが、総合学習だと、クラスごとで時間がバラバラのため、火曜日の1時限目が全校で「道徳」の授業となっていることから、全校の「道徳」をアニメ上映会とワークショップに当てようと、三ヶ日中学校側が主体的に取り組んでくれて実現した。

・最も伝えたいポイントや、こだわった点

歴史の学習には小学校から登場する有名な作品「平家物語」にも記述のある「鵺退治伝説」が三ヶ日町と関わりがあること。鵺という妖怪は架空の存在と推測されるが、文献上に記述があることと、この鵺退治のご褒美が下賜されている史実などを踏まえると、歴史的に何かしらの事実があったことを思わせること。「猪の早太」という地元出身の武士が、この鵺退治に関わっており、地元三ヶ日町にある寺院の建築にも、鵺の彫刻が見られることなど、関心をもって調べるに値する歴史ネタであること。

・海の学びの内容

大地震をきっかけに、奥浜名湖にも海水が多く入るようになり、潮流が激しくなった結果、海難事故も起きるようになった。奥浜名湖の入口に造営された猪鼻湖神社では、海上交通の安全を祈るように神様が祀られている。地元に伝わる歴史を知ることで、海難事故の防止を意識していく。

・参加者の様子

アニメにとても見入っていた。柴田プロデューサーの説明にあったように、鵺という妖怪を本来よりも可愛らしいキャラクターにデフォルメしてある。小学校4年生以上を対象として、恐ろしいアニメではなく、民話を分かりやすく伝えていることについて、中学生にはとても良く理解できていた。

建物の前に立っている人達 低い精度で自動的に生成された説明

当日レポート(ワークショップ)

・アニメを活用した商品展開の事例を2つ紹介した。

地元の和菓子店「三ケ日製菓」による「鵺まんじゅう」が完成直前であることについて紹介し、また、張り子職人の坂田吉章氏からは、完成した張り子が披露された。

・参加者約400名に対してアンケートを実施して、アニメを活用した地域振興アイデアなど、291名から回答が得られた。

参加者の声

・生徒による質疑応答

「アニメを作った制作チームでは、鵺が実在したと信じているか?」

⇒柴田英知プロデューサーからの回答

アニメには、空想で作るものと、事実を取材して事実を元に組み立てるものの2種類があるが、今回の「奥浜名湖の鵺伝説」は後者にあたる。地元の歴史家の皆さんと沼田心之介監督が、しっかりと地元に伝わる歴史を取材し、ゆかりのある場所を訪ね歩いて、見たり聞いたりして、それをアニメにしっかりと反映させているので、かなり史実に基づいたアニメになっている。

・「鵺退治伝説には、三ヶ日に落ちた以外にどんな説があるか?」

⇒三ヶ日町郷土を語る会 河西正和会長からの回答

平家物語において、もともとは京都で起こった話。​

説1)弓の名手・源頼政が弓矢で鵺を射た上、家来の武士であった猪の早太が刀で斬ってとどめを刺し、遺体が4つに分かれて飛んできて、三ヶ日の4ヶ所に落ちたとする説
(落ちた場所が地名となり、鵺代、尾奈、羽平、胴崎、となっている)

説2)近衛天皇が源頼政に鵺退治を命じた。弓矢の名手である源頼政が妖怪めがけて矢を射た。いとも簡単に命中し妖怪が空から落ちてきた。鵺の死骸を葬るため、京の都から大阪の淀川へと流され、鵺の死骸を埋めたのが塚となり、現在では「鵺塚」として祀られている(大阪市都島区)

説3)当時、2つの天皇家の間で起きていた抗争があり、それを妖怪退治というストーリーに当てはめた
のではないか?と考える説。活躍した武士に、実際にご褒美が出ているので、何かしらの武士の活躍はあったと考えられる。

今回の作品(海ノ民話アニメーション)の視聴URL

「奥浜名湖の鵺伝説」
https://uminominwa.jp/animation/56/

 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:400人