【海と食育 魚釣り教室と生き物観察会 第1回~第3回】を開催しました!
一般社団法人IKUHART企画は、令和5年度に兵庫県淡路市富島の富島漁港内で「海と食育 魚釣り教室と生き物観察会」を3回にわたり開催しました。魚釣りに初挑戦する親子連れなどが参加され、播磨灘の海と環境について考える体験機会としてもらいました。
2024.03.15
一般社団法人IKUHART企画は、播磨灘の海と環境を考え体験する事業として、令和5年7月から12月にかけて、兵庫県淡路市富島の富島漁港内で、<海と食育 魚釣り教室と生き物観察会>を開催いたしました。
このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
開催概要
海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
魚釣り教室 海と環境の勉強、岸壁でサビキ釣り
生き物観察会 タッチプールや生け簀を使って、魚介類を見て触れて学ぶ
食育 魚介類を調理して、焼いて食べる
日程
2024年
第1回7月1日(土)
第2回10月28日(土)
第3回12月16日(土)
開催場所
兵庫県淡路市富島 富島漁港
参加人数
124名
協力団体
兵庫県淡路県民局、淡路市、富島漁業協同組合、あわじ自然海浜の環境推進協議会
第1回 7月1日(土) 海と食育 魚釣り教室
淡路市富島の富島漁港で開催した魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、洲本市、神戸市、播磨町からたくさんの方が参加してくれました。開会のあいさつの後、当法人理事で魚釣りが趣味であり得意とする二木先生がリールや竿の使い方、糸の通し方、サビキ釣りの仕掛けの付け方、かごに餌を入れる方法などを丁寧に説明してくれました。淡路島は海に囲まれていますが、魚釣りを初めて挑戦する参加者がなんと8割を超えるのです。参加者にレンタルしている物は、釣り竿セット、サビキ釣り仕掛けセット、解凍したアミエビ、サビキ釣り用の吸い込みバケツ、糸切りはさみ、水くみばけつ、魚つかみはさみなど。漁港の市場前の岸壁で活動するので、子どもたちには、必ずライフジャケットを着用してもらいます。
魚釣りの時間は90分です。この日はスタート時はなかなか食い渋っていましたが、60分を過ぎたあたりから小鯖を中心に鈴なりで釣れ始めて、餌がなくても仕掛けを海中に入れるだけでどんどん釣れるという入れ食いの時間になりました。魚釣りに時間の制限を設けていたのですが、解散後も魚釣りを継続していた家族もいました。数えられないほどの魚が釣れて、参加者は、ジブロックLLサイズにパンパンになるほどの量の小鯖、小鰯を持ち帰りました。スタッフで富島漁協理事の田中さんが参加者に対して小魚の食べ方を紹介してくれましたので、参加者は、帰宅後の調理も楽しみにしていました。
第1回 7月1日(土) 海と食育 生き物観察
野島断層を抱えるこの地域は29年前の大震災で甚大な被害がありました。日本財団様をはじめ全国の皆さまからのご支援があり復興を成し遂げています。富島地区の皆さまは私たちが望んでいる以上の協力をしてくれました。この日は、富島漁業協同組合様が生き物観察会で使用する魚介類の確保に向けて早朝から底引き網漁船を一艘出港してくれました。参加者の人数分の天然鯛、様々な根魚、ヒトデなどの魚介類を漁港市場内のコンクリート製の生け簀に準備してくれました。
市場内の生け簀は大きくて深いので、生き物観察のために子どもたちが協力して魚を1匹ずつ青いたらいのプールに移動させました。活きた鯛に触れることが初めての子どもたちは運びながら大歓声で楽しんでいました。今回は鯛を見ながらひれやえらの名前、その働きなどを勉強しました。たこや多種の根魚にも触れる機会は大人も楽しんでいました。小さなハモも数匹用意していたので、参加者へ歯があり噛まれることを伝え金網をかけて見学してもらいました。普段のスーパーで見ている魚が活き活きと泳いでいる姿を見学する人は絶えることがありませんでした。その後、スタッフ総出で魚のうろこ取りとして、三枚におろしました。ドラム缶コンロを使ってBBQ、参加者の皆さまとともに塩焼きにして食べました。
第2回 10月28日(土) 海と食育 魚釣り教室
淡路市富島の富島漁港で開催した魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、神戸市、西宮市、播磨町から多くの方が参加してくれました。釣り竿の数や小さな子どもにも目が行き届くように定員を30名と決めています。市内の公共施設にチラシを配布した翌日には定員に達しました。
秋の大潮の日を設定したためか、この日はサビキ釣り開始直後からすぐに鈴なりに魚が釣れ始めて、親も子もスタッフも大忙しでした。様子を見に来てくれた地元の海鮮料理屋いちじろうの若大将も、釣れ続けて人手が足りず大変な状況でしたので魚釣りを手伝ってくれました。今回は小さな子どもから大人まで釣れた釣れたと歓声を上げ続け、全員が魚を釣り上げることができました。ぼくは魚釣り名人だと豪語する子どももいて可愛かったです。
このイベントに毎回しおりを配っています。しおりには、釣り竿、リールの使い方、サビキ釣りの方法、釣れる魚の種類と画像などが掲載されています。また、海と環境を美しく保ちましょうとの願いから、ごみの処理や釣り場での注意点なども掲載して、参加者には開会のあいさつの後、しおりを読み上げながら呼びかけています。前回も今回もイベント後は、ごみはもちろんのこと、釣り針ひとつ落ちてなくて、参加者に良い啓発活動が出来ていることも感じます。スタッフも活動後に必ず漁港市場内の清掃活動を実施しており、富島漁業協同組合様から感謝のことばをもらっています。
第2回 10月28日(土) 海と食育 生き物観察
今回は生き物観察のタッチプール用の青いたらいを釣り場の岸壁に2ヶ所に分けて置きました。その中に富島漁協が用意してくれた天然鯛、たこ、はまちを泳がせました。子どもたちは魚釣りの合間に魚介類と触れ合っていました。中には、たこの吸盤が腕に絡みついたり、たこの口でチクッと手のひらを噛まれる子どももいて、楽しい体験になったようです。子どもたち自身で、スタッフが調理する場所まで青いばけつや直接手掴みで魚を運ぶ役目は、わいわい言いながら魚を取り合いながら運んでくれました。
今回もスタッフ総出で魚介類を調理して塩焼きにしました。参加者の持ち物におにぎりを追加しましたので、すべての参加者がとても満足できる昼食になったようです。天然の真たこが高騰しているなか、余るほど提供できることは本当に有り難いことです。今回の活動の様子は、淡路市立津名図書館で11月1日から12月1日までチラシやしおり、活動写真やコメントを入れてパネル展示しました。多くの方がパネルを見て、図書館学芸員に次はいつ開催なのか?どこに問い合わせればよいのか?など反響がありました。
第3回 12月16日(土) 海と食育 魚釣り教室
淡路市富島の富島漁港で開催した魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、洲本市、加古川市、播磨町、神戸市から参加してくれました。前回開催時に津名図書館などで活動報告の広報活動をしていたので、今回は開催前から問い合わせが多くありました。チラシを印刷配布をする前に定員に達しました。
海水温が低くなり魚もえさを食い渋って、魚釣りが厳しい状況であることを聞かされていましたので、子どもたちが退屈しないか心配でした。海鮮料理屋いちじろうの坂部さんが大きなかごを5つ用意してくれました。現在、かご漁は禁止されていますが、富島漁協から海と日本プロジェクト2023の子育て支援事業の一環として特別に許可をしてもらいました。開催2日前にいわしをエサにかごを海底に5つ仕掛けて、当日引き上げると、大きなたこが3つ、かさごなど根魚もたくさん入っていました。釣果が厳しいなか、かご漁は参加者もスタッフも初めての体験でしたので、海からかごを上げる瞬間はわくわく歓声の連続でした。
またスタッフの家族が、参加者とスタッフの人数分のマフィンを焼いて配ってくれました。普段販売されているマフィンですので、あちこちから美味しいの声が聞こえてきて楽しく過ごしてくれました。スタッフからイベントに対する温かな協力を得て開催できています。
第3回 12月16日(土) 海と食育 生き物観察
今回は富島漁協から準備された大きな魚にも驚かされましたし、漁港市場に立ち寄られた魚屋兵部の田中さんが協力してくれました。富島漁協から準備してもらった魚介類は、真鯛、真たこに加えて、のそ(ドチザメ)でした。食用のドチザメは噛むことはないので触れることができますが、1m近くのあり暴れたときの尾びれは危険だということです。見た目はサメですから子どもたちは恐る恐る泳いでいるドチザメを見たり触れたり、大人も画像や動画を撮ったりして楽しんでいました。食用と聞きましたが、魚の調理を得意とするスタッフ福山さんも手に負えません。そんなとき、魚屋兵部の田中さんがやってきて、昔はよく食べたものだなどの話から、解体してもらえることになりました。参加者へ拡声器で「さめの解体を始めるよ」とアナウンスをするとほぼ全員が集まってきて、暴れるドチザメを出刃包丁1本で捌く姿に感動していました。
今まで鯛のうろこ取りなどの魚介類の調理はスタッフでやっていたのですが、魚屋田中さんの指導もあり、今回は子どもたち自身で活動してもらいました。4歳の女の子も真似ではなくちゃんと上手に真鯛のうろこ取りをやってくれました。コンクリート床を使っての真たこの塩もみも楽しんでいました。さらに刺身包丁を持って来て、大人向けに真鯛、真たこ、カワハギの刺身の調理のワークショップも開催してくれました。特別すぎる美味しい食に参加者もスタッフも大変満足しました。子どもたちの間で人気だった食は、天然鯛や真たこの塩焼きでなくドチザメの塩焼きでした。ドチザメは白身で旨みたっぷりで最後の方はじゃんけんをして取り合っていたことは驚きでした。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:124人