地域と海を舞台にした「あたらしい旅」のあり方を考える「海旅ミーティング2024」を開催しました!
一般社団法人海と食文化フォーラムは、2023年度に実施した「海と旅モニターツアー」参加者と、海に興味関心を持つ企業の担当者や一般の方を対象にしシンポジウム「海旅ミーティング2024」をワテラスコモン 1Fサロンで開催しました。
2024.03.30
一般社団法人海と食文化フォーラム(本部:北海道函館市、理事長:谷岡真由美)は、2023年度に実施した「海と旅モニターツアー」参加者と、海に興味関心を持つ企業の担当者や一般の方を対象にしたシンポジウム「海旅ミーティング2024」をワテラスコモン 1Fサロンで開催しました。
プログラムの前半で、2023年度の「海と地域を結ぶ旅コンテンツの開発及び調査研究」事業の活動報告と、あたらしい旅「海旅」に関する提言があり、有識者によるクロストークでは消費型ではない旅のあり方について議論が交わされました。後半は、参加者と有識者が交流するネットワーキングセッションが行われました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
「海旅ミーティング2024」概要
日時
2024年3月28日(木)18:00~20:30
場所
ワテラスコモン 1Fサロン(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
内容
(1) 開会あいさつ
(2) 2023年度事業報告
・コンテンツ開発のための調査結果
・モニターツアー実施報告
(3) 海旅とは?今後のブランディングについて
(4) クロストーク
<ゲストスピーカー>
・株式会社TABIPPO 代表取締役CEO 清水直哉 氏
・合同会社フラットアワー 代表社員 銭本慧 氏(オンライン)
・株式会社ウオー 代表取締役 中川めぐみ 氏
(5) ネットワーキングセッション(懇親会)
参加者
海×旅のコンテンツ開発に興味関心を持つ企業の担当者および一般
2023年度「海と旅モニターツアー」参加者
計43名
主催
一般社団法人海と食文化フォーラム
共催
日本財団 海と日本プロジェクト
2023年度事業報告~「海旅」の取り組み紹介と今後に向けて
開会にあたり、日本財団海洋事業部の溝垣春奈氏から、本事業がスタートした経緯や意義についての説明がありました。その後、一般社団法人海と食文化フォーラムの國分晋吾から、今年度の取り組みについて写真や映像を豊富に用いた発表がありました。
旅で得られる実体験や人とのつながりが重要な要素となり、「たのしい」を入口に学びを深めていく設計がポイントになる、という「海と旅」に関するアンケート等の調査結果の報告と合わせて、情報感度の高い若者と海体験を提供できていない親と子供向けに企画・実施したモニターツアーについて、実施の様子をまとめた映像を交えて報告しました。モニターツアーに参加した若者からは、旅によって海が自分ごとになったという感想が共有されました。
「たのしい」を入口に、興味をもって気づきや自己成長があることが、あたらしい旅「海旅」のポイントであるとして、「地域と海を舞台にしたあたらしい旅、場所にも人にも、もっともぐる」という「海旅」のキャッチコピーが紹介されました。
クロストーク~消費型観光ではない「海旅」の可能性について
海と旅をキーワードに、3人のゲストスピーカーがそれぞれの活動で感じている課題やこれからの取り組みについて語り合うクロストークを行いました。
旅の総合WEBメディアを運営されている株式会社TABIPPO 代表取締役CEOの清水直哉さんは、「旅する人を増やしたいという理念を掲げて活動している。これまで旅は「レジャー」としてカテゴライズされてきたが、動画コンテンツやモバイルゲームなど、無料でも楽しめるコンテンツがますます増えていて、いわゆる観光目的だけの旅はコストパフォーマンスが悪い。むしろ負けてしまう。消費型観光ではない、自己投資につながるようなあたらしい旅の価値を再定義することが大事」と、海旅の可能性について語っていただきました。
西伊豆町で海×観光ツアーに取り組んでいる釣りアンバサダーで株式会社ウオー 代表取締役の中川めぐみさんは、釣った魚を地域通貨と交換できるツッテ西伊豆の仕組みを紹介し、「観光客が釣った魚を流通させる仕組みを作ることで、漁師が減っているという地域課題を楽しく解決することができる」と語り、釣りを入口に地域の関係人口を増やすこと、まだまだ知られていない地域の魅力的なプレイヤーの存在を繋げる仕組み作りについてお話しされました。
対馬で漁業体験ツアーに取り組んでいる合同会社フラットアワー 代表社員の銭本慧さんはオンラインで登壇し、「漁師は普段お客さんが喜んでいる姿を目にすることが少ないので、ツアーを実施することで、仕事へのやりがいや誇りが生まれている。ただ、天候リスクには苛まれるので地域内で連携して陸のコンテンツを作っておくことが大事である」と、地元のホスト役としてツアーを企画・運営する上で大切なポイントを紹介してくださいました。
ネットワーキングセッション(交流会)
2023年度事業報告とクロストークに続き開催されたネットワーキングセッションでは、海×旅のコンテンツ開発に興味関心を持つさまざまなプレイヤーが集まり、活発な情報交換が行われました。また、クロストークのゲストスピーカーと交流するなかで、消費型観光ではないあたらしい旅「海旅」に関して多くのアイデアが生まれました。
参加者からの声
・観光の新たな可能性というものを海旅を通して発見し、学んでいきたいとイベントを通して思いました。
・地域によって捕れる魚種や食べ方が異なると思うので、地域ごとの差別化ということも含めて、旅のメニュー開発ができたら面白そうだと感じました。
・地域の方とのコミュニケーション方法(少し範囲を広げて町おこしプレーヤーと繋がる)など具体的なアドバイスをいただけたりなど、とても有意義だった。
・環境学を学んでおり、環境問題という側面では知っていることが多かったが、それを旅と掛け算するのが面白かった。ぜひ今後モニターツアーなどあれば参加したい。
・「海」という日本が世界に誇るべき資源への捉え方が変わった時間でした。
・数ヶ月前まで2年間宮古島に住んでいました。そこに住むことで、その地の人と関わり根ざすことで、その地のことを知ろうとしていたんだなと今回の講義を聞いていて思いました。
・地方創生×研修プログラムみたいなところをやりたいと考えております。プロジェクト自体めちゃめちゃ素敵だなと思ったので機会があれば参加したいですし、共創できるのではないかなと感じています。ぜひ機会があれば一度お話ししてこれからも関わっていけたらと思っております!
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:43人