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学校と連携した海洋教育プログラム(事前学習4回と宿泊学習)始動!「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催しました!

一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきは、2024年4月26日(金)に上南方小中学校の6年生を対象に学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指して、海洋教育プログラム「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催いたしました。

2024.05.09

一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきは、2024年4月26日(金)に上南方小中学校の6年生を対象に学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指して、海洋教育プログラム「海と上南方小プロジェクト~海の学校2024~」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきは延岡市立上南方小中学校と連携し、上南方小中学校の6年生を対象に学習として「海へ行く機会」を創出し、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指して、海洋教育プログラムを行うことになりました。プログラムでは、事前学習4回(4月、5月、6月、7月)と宿泊学習(7月25・26日)で「山・川・海のつながり」、「宮崎のエリア課題(干潟の減少、漁獲高の減少)」、「宮崎の海から得られる恵み」を学んだのち、11月に成果発表会を行います。

このプログラムは最終的に、児童たちが未来の宮崎の海に対してどのように向き合うかを明確にし、どう行動すべきかを判断できるアクション形成を目標としています。

日時
2024年4月26日(金)10:00~12:45
場所
延岡市立上南方小中学校
参加者
6年生19名
講師
宮崎大学、チームくまもり

海と日本プロジェクトって?どんなことを学び、体験するのか理解しよう

今回実施するプロジェクトは、延岡市の特定の学校の学級単位で行うプログラムです。海が少々苦手な児童も興味を持って学習に臨むことができるよう、事務局は教育委員会などと連携しながら県内の海洋教育の課題等を抽出し、学校が主体的に活動できるような新たな海洋教育をこれから11月まで実施していきます。

今回の対象校である上南方小学校は、海岸から約13km内陸に位置しており、地域性として海との距離があるため海での活動機会が少ないという特徴があります。また、南海トラフ巨大地震が向こう30年以内に発生する可能性が高いとされる中、地震津波の怖さを自分事として捉えることができていない児童が多いことも、学校としての課題として認識されています。こうしたことから、上南方小学校の6年生19名と一緒に豊かな宮崎・延岡の海の「今」を学んでいくこととなりました。

1回目となるプログラムは、総合的学習の時間(3~5時限目)を使って「山・川・海の繋がり」をテーマにした授業を実施。まず初めに、これからの学びについてオリエンテーションを行うと、海洋学習に興味津々の子どもたちは目を輝かせ、今後の活動を楽しみにしている様子が印象的でした。

「わたしたちとつながっている、みやざきの山・川・海」

2限目の授業では、宮崎大学農学部海洋生物環境学科の村瀬敦宣准教授と一緒に、海から得られる恩恵や自然の成り立ち、そして山・川・海の繋がりについて学びました。山や川から栄養豊富な水が日向灘に流れ込むことで、海の豊かさが育まれること、生態系からの恩恵を受けるには生物多様性が重要であることを学びました。

また、日向灘に生息している魚の話に興味津々の児童たちは、宮崎には何種類の魚が生息しているのかを村瀬先生に質問するなど、積極的に学ぶ姿勢が見られ、宮崎の海は他の地域と比べてどれだけ種類が多いのかといった質問に対して、村瀬先生から「宮崎には約815種類の魚が生息し、北海道では800種類、東京では700種類ほどです」という答えを得て、驚きながらも興味深く話を聞いていました。 この授業では山・川・海の役目と、それぞれの自然観には私たちの生活と密接に繋がりがあることを学びました。

「海と山と川はともだち」~自然の繋がりを学ぶ保水実験

3限目の授業では、森を守る活動団体“チームくまもり”の鶴永貴史先生の授業が行われ、山の役割である「保水」について理解を深めながら、山・川・海の繋がりを学びました。

森林は適度な保水能力を持ち、川や海に栄養分を含んだ水を供給する役割を担っていますが、森が伐採されると雨は山を浸食し、栄養分の無い濁った水が川から海へ流れ込みます。すると、海での生物生産が低下し漁獲量の低下などを引き起こす原因となるのです。

宮崎県の山は60%が人工林とされており、そのうち70%は手入れの出来ていない放置人工林とされています。下刈りや枝打ち、間伐などの手入れをしていない人工林は木が密生し、これにより地表に陽の光が届かなくなり、地表に植物は生えず、土がやせて栄養豊富な水が川や海へ流れていかなくなります。そこでこの授業では、天然林の土と人工林の土を使った保水実験を行いその違いを子どもたちと体験しました。実験方法は、同じ量の土と水を用意し、天然林と人工林それぞれの土に水を流していきます。結果は一目瞭然で、天然林の土の保水力の高さが明らかになりました。子供たちもこの実験結果から、土の役割についてより理解を深めることができました。

今回学んだことを次回の学びに繋げながら、これからの学習を通して子どもたちの海への関心をさらに高めていきます。

参加した子ども・学校関係者からの声

〈子どもたちのコメント〉
・県北には寒い海の魚も暖かい海の魚も両方いて、自分の住む延岡には815種類の魚がいると知った。海に関する勉強をもっともっとしたい
・山と川と海が繋がっている事を知った。ポイ捨てなどを無くして海をきれいにしていきたい

〈延岡市立教育委員会 澤野幸司教育長〉
上南方小学校の学びを横に展開していくことによって、延岡市全体の子どもたちが海の環境について関心を持つ大きなスタートになるのではないかと思う

 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:19人