北の魚の赤ちゃんと海藻の世界 函館空港
海と日本プロジェクト
2016.09.28
命を育む海の魅力を多くの人々に紹介することを目的に、函館周辺の海に生息する魚と海藻を函館の空の玄関口で展示公開する。
日程
8月10日(水)— 17日(水)
9月3日(土)— 10日(土)
開催場所
函館空港
主催
北海道大学大学院水産科学研究院
協力
株式会社ノース技研、函館空港ビルデング株式会社
参加人数
8月10日(水)— 17日(水):12,086名
9月 3日 (土)— 10日(土):10,705名
四方を海に囲まれた日本。磯辺の潮だまりでは、岩の下から小さなカニが飛び出してきたり、小魚がスイスイ泳いでいたりと、生き物たちの生き生きとした姿が観察できます。
さらにその先の藻場では、コンブやワカメなどが生育。ここは、海の生き物にとって産卵・誕生・成長の場となっています。
しかし、昨今は自然景観を残す海岸が減少。そこで、8月と9月、夏休みの帰省客や観光客で賑わう函館空港の1階ロビーに、函館近郊の海を再現。小型水槽に、函館周辺の海だけに生育するガゴメ(昆布の一種)を入れ、そこにカレイやニシキギンポ、ソイ、温暖化の影響なのか、近年、函館近郊でも見られるマダイなどの稚魚や幼魚を放しました。題して「ガゴメと魚の赤ちゃん」の水槽です。
到着口の前に設置した水槽の前で、真っ先に足を止めたのは、好奇心おう盛な子どもたち。「おさかなだ〜!」、「赤ちゃん、かわいい〜!」とはしゃぐ声につられて大人たちも立ち止まり、海藻について解説するパネルに目を通す人もいて、まるで水族館の一角を切り取ったような賑わいで、いつもとは違う函館空港となりました。
水槽の前に子どもが立つと、全長20cmほどのニシキギンポが、エサをもらえると思うのか近寄ってきて、こちらに顔を向け、くるくると目玉を回したり、口を開けたりと愛嬌たっぷり。「あら、カワイイ!」と、大人の見物客から歓声があがっているわきで、「これ、ガンズ(ナガヅカ)に似てるなぁ」と、つぶやく年配男性も。たしかにニシキギンポはナガヅカに似ていますが、片や活けで築地市場に入荷されると高級魚扱い。北海道沿岸でよく捕れるナガヅカは、もっぱらすり身の原料として流通し、その姿を小売店で見かけることはほとんどありません。
水槽をバックに記念撮影する子ども連れの家族の姿や、水槽の前で立ち止まり、魚たちが泳ぎ回るようすをジーッと見つめるビジネスマンも。どうやら、魚の赤ちゃんには癒し効果があるのかもしれません。
1階から2階の搭乗口へと目を転じれば、検査場脇のショッピングゾーンの一角には、赤ちゃんたちが天敵からの隠れみのや遊び場に使っているガゴメの加工食品を取りそろえたコーナーがあります。津軽海峡や函館山を望む丘の上にある函館空港は、ガゴメやマコンブが採れる海岸から至近。豊かなコンブの森は、保育園のように魚の赤ちゃんたちで賑やかなことでしょう。
その他
メディア掲出
8月11日 北海道新聞 朝刊
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています