鎌倉 [海と文芸] カーニバル
2015.10.09
5つの海岸がある鎌倉。海が近くにある暮らしを愛する人たちが多い鎌倉の町にはいつの時代も独特の空気と時間が流れています。そんな環境を求めてか、昔から鎌倉には多くの作家も暮らし「鎌倉文士」と呼ばれていました。昭和9年、その鎌倉文士たちの発案ではじまり、約30年間開催されていたのが「鎌倉カーニバル」。若宮大路を数々の山車が練り歩き、由比ケ浜では「ミス・カマクラ」コンテストやダンスが行われ、大変な賑わいだったそうです。
みんなに愛された夏の風物詩「鎌倉カーニバル」への敬意を込め、この夏、五十余年の時を経て、鎌倉を再び熱く盛り上げようと企画したのが「鎌倉 [海と文芸] カーニバル」です。「鎌倉・海・文芸」をテーマに、いまだからこそできる、鎌倉が誇るクリエイターと鎌倉を愛する人たちみんなでつくる祭りが実現しました。
1.鎌倉にゆかりのあるクリエイターたちが集結
作家、女優、モデル、ラップアーティスト…それぞれ鎌倉にゆかりのある方々に、ワークショップや朗読パフォーマンスを行っていただきました。
日本を代表するラップアーティスト・高木完さん、Boseさん、環ROYさんを講師に迎えたラップワークショップには約20人の子供たちが参加。Boseさん、環さんにアドバイスをもらいながら子供たちが思い思いに言葉をつづり、高木さんのDJに乗せたラップにして披露。講師陣のライブも織り交ぜられ、微笑ましく賑やかなステージになりました。角野栄子さん(童話作家)と高橋源一郎さん(作家)はそれぞれご自身の作品を、KIKIさん(女優・モデル)と鶴田真由さん(女優)は「鎌倉」にちなんだ作品を選んで、それぞれ朗読してくださいました。夕暮れの潮風の中で心地よい時間でした。
2.子供たちが参加するワークショップ
鎌倉在住の現代アーティスト・水内貴志さんが風見鶏ならぬ「風見船」をつくるワークショップ、画家の横山寛多さんと岡本果倫さんによる「MARIANA KAIKOUZ」が海のスタンプとカーニバル帽子をつくるワークショップを行ってくれました。ワークショップコーナーはずっと子供でいっぱいでした。
3. パレード、「ボンボリアバター」と盆踊り
このイベントのために結成された「鎌倉カーニバル楽団」が会場内をかつての「鎌倉カーニバル」のときにつくられた「カーニバル鎌倉の歌」をアレンジしたメロディを演奏しながら練り歩くパレードでは、五十嵐大介さん、折原みとさん、養老孟司さんが描きおろしてくださったフラッグもはためいて、会場が華やかに。日が暮れてからは、藤原大デザイン事務所による「ボンボリアバター」と名付けられた大きなオブジェが姿を現し、それを囲んで最後はみんなで盆踊り。会場に集まった人たちみんなの笑顔が印象的でした。