大阪湾を知ろう!2020 ~海と日本PROJECT~
海遊館が取り組む地元高校・中学校への環境学習支援で、今年は地元の大阪湾をテーマに3つのイベントを開催。野鳥園の干潟でのフィールドワークを通じて大阪湾の自然環境や人間活動の影響などを知る機会にしてもらいました。
2020.12.18
海遊館が行う地元高校・中学校への環境学習支援で、今年は地元の大阪湾をテーマに3つのイベントを開催しました。野鳥園でのフィールドワークを通じて、大阪湾の環境を知ってもらう機会になりました。
海遊館では、地元の高等学校や中学校を対象として環境学習の支援を行っており、その一環として地元の海「大阪湾」をテーマにした取り組みを行っています。生徒たちに、大阪湾の自然環境や人間活動による影響などを知ってもらう機会を提供しています。
日程
2020年7月4日(土)、8月29日(土)
開催場所
南港野鳥園
参加人数
51人
主催
NPO法人 南港ウェットランドグループ、海遊館
共催
北海道大学大学院水産科学研究院
増えすぎた干潟のカキ礁を生徒たちが移設
本年はコロナ禍の中、予定イベント8件のうち3件のみ実施することができました。なお、今回はNPO法人南港ウエットランドグループが実施主体となっています。実施プログラムの結果は下記の通りです。
1、干潟の保全作業(カキ礁増設)
実施日時 : 2020年7月4日(土)10:00~12:30
場 所 : 南港野鳥園
参 加 者 : 大阪市立築港中学校 生徒17名 引率教師3名
野鳥園の干潟では最近カキ礁が増えて砂泥質の干潟を覆ってしまっています。砂泥質の干潟をついばむ小型シギ・チドリ類の餌場確保と多様な生物の住処確保のためにはカキ礁と砂泥質干潟の両立が必要です。そのため干潟を覆うカキ礁を深場に移設させる作業を行いました。最初に会議室でカキ礁が持つ役割と、作業の意味について説明をした後、干潟に入り作業を行いました。開始時間には雨が降っていましたが、干潟に入る頃には雨が弱まり予定通り作業が行えました。干潟を覆っているカキを拾い集め、生徒たちがバケツリレーで運び、昨年度までの作業で作っていたカキ山の上に投入することでさらに大きく高くすることができました。
干潟の野鳥観察で秋の渡りの実態を確認
2、シギ・チドリ観察会(秋の渡り観察)
実施日時 : 2020年8月29日(土)10:00~12:00
場 所 : 南港野鳥園
参 加 者 : 大阪府立市岡高等学校 生徒7名 引率教師1名
会議室で干潟の環境やシギ・チドリの生態、渡り鳥にとっての干潟の重要性などのレクチャーを行いました。その後展望塔2階に移動し、観察補助員の指導によりフィールドスコープの使い方等を学び、実際に干潟の野鳥観察を行いました。シギ・チドリとしてはアオアシシギ・キアシシギなどを観察することができ、秋の渡りについてその実態を知ることができました。また、野鳥園は大阪港の出入口付近に位置し、展望塔からは普段見る機会の少ない港外の様子や神戸・淡路島方面も遠望できます。生徒たちにとって、地元の海を地理的にも理解する機会になったようです。
夕暮れ時の干潟周辺の森でアテガニの放仔観察
3、アカテガニ放仔観察会
実施日時 : 2020年8月29日(土)17:00~19:30
場 所 : 南港野鳥園
参 加 者 : 大阪府立市岡高等学校 生徒10名 引率教師1名
大阪市立築港中学校 生徒9名 引率教師3名
展望塔会議室でアカテガニの生態や繁殖行動についてレクチャーを行いました。日暮れ時に干潟周辺の森に移動し、隠れ家から出てきたアカテガニやクロベンケイガニなどを観察。その後干潟の水際に移動し、集合してきたカニの行動を観察しました。水中に入るアカテガニのメスや周囲で待ちうけるオスを多数確認できましたが、メスが放仔する様子はなかなか確認できず、一部の参加者のみ単発的に観察することができました。人の足音や光で驚かせてしまうことや夜間の時間制限のある中で十分な放仔観察はできませんでしたが、アカテガニの生態の一端を十分知ることができました。
<チラシ>
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:51人