2020 日本遺産の誇りで繋ぐ海洋教育連携事業 in 山形 〜海と日本PROJECT〜
酒田市で海と暮らしのつながりを学ぶイベントを開催。今も昔も人々の暮らしを支える港や港湾湾施設を見学したり、さまざまな体験を実施しました。
2021.03.08
酒田市で小学生が港や港湾施設、北前船との関わりを知るイベントを開催しました。今も昔も酒田の経済を支える港で港湾湾施設を見学したり、漁業監視船「月峯」の船上からまちや海を眺めたりしました。また山形の米の集積拠点になった山居倉庫なども見学し、海と人とのつながりについて学ぶ機会となりました。
人々の暮らしを支えてきた海と港湾施設を多角的に見て体験し、海と暮らしのつながりを学びます。輸送手段が海上だけでなく鉄道や車と様々な形が現れる中でも、今なお、韓国や中国へ日用品などを運ぶ国際定期便や外国クルーズ船の寄港地として地域経済と生活を支える大きな役割を果たしています。この港を海と人とのつながりの象徴ととらえ、海が人の暮らしに欠かせないことを学びました。その中で今も昔も酒田の経済を支える港湾施設について役割を学び、施設内を見学。また、船上から船乗りの視点で港湾施設と海を見つめ、高台から施設の全体像を把握するとともに、海と人とのつながりを示す象徴の「港」を中心に街が広がり、海と人との生活が密着していることも学びました。
日程
2020年9月30日(水)
開催場所
山形県酒田市
開催場所
35人
主催
一般社団法人北前船交流拡大機構
共催
海と日本プロジェクトin山形実行委員会
協力
酒田市立浜田小学校、庄内総合支庁水産振興課、酒田市商工港湾課、酒田市資料館、菅原鮮魚、JA全農山形
オリエンテーション
講師:佐藤寿尚校長
学びの行程やポイント等について確認。
子どもたちはノートにメモをとりながら確認し、これからの調査に備えました。
酒田港の仕事を知ろう
講師:酒田市商工港湾課 小林正巳氏
酒田港にて、どのような仕事が行われているのか、模型や動画を見て学び、その中で、北前船や港街の歴史を学びました。また、今と昔の酒田港の様子の違いを確認。船の種類等の模型も確認し、港と船の役割について深みをもって学習しました。
地元の魚について知ろう!
講師:菅原鮮魚の皆様
地元鮮魚店にて、水揚げされたばかりの魚に触れ、種類やその漁法、どのようにして食卓まで運ばれていくかを確認しました。
生魚を見たことのない子どももおり、食べるまでの過程について知ると大いに驚いていました。
海から現代と昔の酒田港を比べよう!
講師:山形県庄内総合支庁 漁業監視船 月峯機関長 齋藤勝三氏
漁業監視船「月峯」に実際に乗り込み、船の上から酒田港を学ぶとともに、今と昔の酒田港の様子の違いを確認。山形県沿岸部の地形等を海からの目線で学びました。
また、現在の船の船内を見学し、艦橋や無線室等船上生活についても学びました。
日和山から海、街を知ろう
酒田市資料館 調査員 相原久生氏
北前船が盛んだった時代に米の集積地となっていた日和山公園にて、その広さを体感。大量のモノを一度に運ぶことのできる海運の重要性について学ぶとともに、高台から港湾施設、その先にある海を観察しました。
また、常に明かりの消えることなく船に位置を知らせた常夜灯や北前船の模型を見て学び、酒田から江戸への西回り航路を整備した河村瑞賢氏について学びました。
何度も訪れている公園で、海運の規模の大きさや、海運に支えられ作られた街並みを知ることで、子供たちにとっても北前船文化を自分の街のこととしてとらえられる時間となりました。
街中探索!当時の地図で今の街を歩こう!
講師:酒田市教育委員会 川島氏
酒田市は北前船の全盛期の時代の地図がそのまま使えるほどに道路が変わっていない特異な街です。街を当時の地図を使いながら歩くことで、昔の暮らしが今の暮らしにつながっていることを知り、いつも通る道が違って見えたようです。
旧鐙屋を見学し、海と人の暮らしのつながりを学ぶ
講師:酒田市教育委員会 川島氏
酒田を代表する廻船問屋で、江戸時代を通じて反映し、その時代の姿を今に伝える旧鐙屋を見学。北前船で運ばれた昆布等のだしを使った食事を食べ、当時の問屋の作りや、町家づくりについて学ぶとともに海と人との暮らしのつながりを学びました。
子どもたちは、エアコンや電気のない中、海風を生かす家づくりをみて、当時の街の暮らしを想像していました。
山居倉庫を見学して多くの発見をする
講師:JA全農山形 管理部総務課副審査役 阿部氏
川と海の接する位置におかれ、山形の米の集積拠点になった山居倉庫にて山形の米が海を通じてどう運ばれたのかを学びました。電気のない中で温度管理をするために特徴的に作られた屋根やその保管方法などを学ぶとともに、海運が街の中核を担い、当時の庄内米の名声が海運によって成り立ったことを学びました。子どもたちも慣れ親しんだ場所であり、改めて倉庫の成り立ちを聞くことで、海と人とのかかわりの重要性について子どもたちが確認しました。
参加者の声
・今もさまざまなものを運ぶ酒田港が自分たちの生活にも大きく関わっていることを知り、その重要性を学んだ。
・実際に船に乗り込んで酒田港を回り北前船がどのように物を運んできていたのかを体験した。
・日和山から港を見渡し、海と川が繋がっていることを実感した。
・海、港が自分たちの生活に大きく関係していることが分かった。
・山居倉庫、資料館で米俵を担いだり当時の資料を見たりしてここまでに学んだことをさらに深く知れた。
配布資料
北前船こども調査団ノート
メディア掲出
新聞:荘内日報(2020年10月1日)、朝日新聞(2020年10月2日)
テレビ:テレビユー山形(2020年9月30日 夕方ローカルニュース「Nスタやまがた」)
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:35人