水中ロボットコンベンション in
JAMSTEC 2020 〜海と日本PROJECT〜
本年度の水中ロボットコンベンションはコロナ対策として、Zoomのウエビナー機能をつかって開催。現地、JAMSTECでプール開催参加者は最小限にとどめ、フリー部門の競技者関係者のみとして一部実施しました。
2021.03.01
本年度はコロナ対策として、Zoomのウエビナー機能により開催しました。現地、JAMSTECでプール開催参加者は最小限にとどめて実施しました。水中ロボットセミナー、ワークショップ、フリー演技などで盛り上がりました。
次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。本イベントの目的は、自作の水中ロボットによる競技会やプレゼンテーションを通じて参加者の交流の輪を広げるとともに、工学的知識・技術を駆使して現実的な課題に挑む機会を提供することです。そして社会に向けて水中ロボット研究の楽しさと重要性をアピールすることです。
日程
2020年12月05日(土)9:00~ 12月6日(日)17:00(本戦は12月6日(日))
開催場所
オンライン、神奈川県横須賀市海洋研究開発機構
参加人数
2日間のべ約400人(12/6(日)本戦 215人)
主催
水中ロボットコンベンションin JAMSTEC 2020 実行委員会
共催
日本船舶海洋工学会、IEEE/OES日本支部、MTS日本支部、テクノオーシャン・ネットワーク
後援
神奈川県、横須賀市、東京海洋大学、海洋研究開発機構、東京大学生産技術研究所海中観測実装工学研究センター、福島RTF
協力
アクアモデラーズ・ミーティング、松山工業株式会社
コンベンション概要と総括
本年度の水中ロボットコンベンションはコロナ対策として、Zoomのウエビナー機能をつかって開催しました。現地、JAMSTECでプール開催参加者は最小限にとどめ、フリー部門の競技者関係者のみとして一部実施しました。ジュニア部門はZoomのウエビナー機能を使い実施しました。
12/5 10:10より開会式、水中ロボットセミナー、ワークショップ(一般・ジュニア部門)実施。
12/6 10:00よりフリー演技(一般部門)、アバターデモ、現地デモ(一般部門)、講評(ジュニア部門)、結果発表・閉会式を行いました。初めてのオンライン実施にもかかわらず、昨年と同程度の参加者数でした。(参加者数:昨年は235名、今年は212名)。
一般・ジュニア部門のワークショップや水中ロボットセミナーでの質疑応答が、これまで以上に活発に行われました。
水中ロボットセミナー
水中ロボットセミナーを開催し、Zoomで聴講していただきました。水中ロボットセミナーは、⽔中ロボットの開発と利⽤の最先端で活躍している講師を招いて、その現状をわかりやすく説明するものです。
本年度は東大生産技術研究所、福島RTF等から講師の方より講演いただきました。質問も盛んにおこなわれ有意義な講演でした。また参加者へのアンケートの結果もとても好評でした。
・無人探査技術が切り拓く極域科学の新たな展開
野木義史(国立極地研究所)
・海のアバターの社会実装を進める会(福島RTFから中継)
吉田弘(JAMSTEC)
・画像処理用畳み込みニューラルネットワークの実時間処理及びロボット応用
丹羽雄一郎(防衛装備庁)
一般部門
一般部門は、ユニークなフリー部門のロボットの競技イベントです。技術内容やオリジナリティを競います。プレゼン点・競技点の合計で勝敗が決まります。プレゼン点はワークショップでの発表、競技点はフリー演技によって採点されます。全体で13チーム参加です。ワークショップ・フリー演技を行いました。競技結果は以下となります。
優勝: Team Blue(愛知工業大学)
準優勝: どるふぃんクリエータ(個人)
第3位: Team Green(愛知工業大学)
本年度は海洋生物を模したバイオミメティクス型のロボットが多い特徴があります。非常に優雅な水中動作をしており今後の発展が期待できます。
また、オンラインで行いましたのでJAMSTEC現地会場・プールのほかに遠方から動画等で発表があり楽しめました。
ジュニア部門
ジュニア部門は中学生・高校生・高専生を対象とした競技です。エントリーを済ませると、大会1か月前に水中ロボットキットが無償で提供されます。
例年ですと、組み立て指導やロボットを使った缶拾い競争が行われましたが本年度はコロナの影響を鑑み、すべてオンライン開催となりました。6チームが参加しました。本ロボットキットの開発者である山縣氏を中心としてワークショップと講評を開催しました。競技結果は以下となっています。
優勝: しんかい6.0(芝浦工業大学附属高校)
準優勝: 水俣高校機械科工作部(熊本県立水俣高等学校)
ベストプレゼンテーション賞: 東工大附属1年生有志(東京工業大学附属科学技術高等学校)
特別奨励賞(来年のキット優先配布権):
・東工大附属1年生有志(東京工業大学附属科学技術高等学校)
・寒河江さくらんぼ(山形県立寒河江工業高校)
本部門は競技だけでなく教育効果・水中ロボット技術の底上げの原動力となっており、今後の水中ロボットの躍進につながることが期待できます。
アバターデモ、現地デモ(一般部門)
「海のアバターの社会実装を進める会」と協力し、福島RTFより相互に中継を行いました。その中でJAMSTECのプールにおいて水中ロボット(ROV)を福島RTFよりJAMSTEC吉田様がリモート回線にて遠隔操縦するデモが行われました。初めての試みでしたが非常にスムーズに動作しており、この分野の将来性が期待できることであったと思います。
また、現地JAMSTECプールでは多様な水中ロボットが自由にのびのびと泳いでいました。例年と同様に水中ロボット等の開発者・研究者・ユーザー・愛好者が垣根を超え交流をし楽しみました。オンラインもよいですが水中ロボットはフィールドで動作する姿が一番興味を引きます。
参加者の声
参加者の満足度は非常に高く、来年度も参加したいとの声が多数出ていた。
特に遠隔地の参加チームからはぜひとも現地(JAMSTEC)での声も上がっていた。一方でオンライン開催については手探り状態であったが、容易に参加できることやSNSの活用が好評だった。特に、水中ロボットセミナーは最先端の情報や講演が聞けるということで多様な参加者から非常に好評だった。
本年度はオンラインを使ったJAMSTEC(横須賀)、東京大学生産研究所、福島RTFや自宅等の多彩な場所からの中継となったが新しい大会の形であるとの意見が多かった。しかし、やはり現地参加を望む声も多い。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:400人