2020 Sea級グルメスタジアム in 石川 〜海と日本PROJECT〜
高校生による小学生への授業を開催。石川県では能登半島の地形を生かした漁の歴史や、イカの漁獲量減少と海水温上昇の関係など、海の現状や課題を学びました。また高校生が開発中のオリジナル商品の完成に向けて小学生もアイデアを出し合い、商品名も考案しました。
2021.05.06
高校生による小学生への授業を開催。石川県ではイカの漁獲量減少と海水温上昇の関係など海の現状や課題を学びました。高校生が開発中のオリジナル商品の完成に向けてアイデアを出し合い、商品名も考えました。
次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として開催。高校生による小学生を対象とした授業を通して、地元の海の現状と課題を伝えます。
2回目の開催となる石川県の授業では、過去3年連続で漁獲量が下がっているイカの生態と海の環境について学ぶほか、今年は農業を通して自分たちができることとは何かを考えました。
授業は2回に分けて行いました。
1回目(8月)は石川県の海の現状と課題を知ってもらうこと。
2回目(9月)は児童が地球温暖化防止に取り組んだことの学びを活かす期間とし自ら行動してもらい、習慣づけることの大切さを伝えました。
また、班ごとに商品名とパッケージデザインを話合う時間を作り、授業以外の場でも参加者の意識づけになることを目的としました。
日程
2020年8月25日(火)~2020年9月28日(月)
開催場所
能登町立宇出津小学校
参加人数
石川県立能登高等学校(参加者:11人)
能登町立宇出津小学校(参加者:38人) 計49人
主催
海洋キッズスクール実行委員会
協力
石川県立能登高等学校、能登町立宇出津小学校、石川県水産総合センター
地元で親しみのあるイカの生態から知ろう
開催:8/25(火)
場所:能登町立宇出津小学校
内容:高校生による座学
まず、児童に頭の中のイメージでイカの絵を描いてもらいました。答え合わせはこの日のために高校生が考えたオリジナルのイカの絵描き歌です。また、生のイカを用いて生態観察をしました。
児童からは、赤ちゃんイカと大人イカの違いがたくさんがあることや、足の本数が異なることに驚きの声があがり、イカへの興味と調べる楽しさを感じてもらいました。また、高校生は小学生が理解しやすいよう、言葉をかみ砕いて説明することを気を付けていました。
地元、能登町の漁業について学ぼう
内容:高校生による座学
能登町にとって重要度が高い産業、それが漁業です。座学では能登半島の地形を活かし様々な漁を紹介しました。漁の歴史や、方法などを高校生がクイズを交えて解説しました。また、海洋調査船「白山丸」の役割をVTRで紹介。高校生には生でナレーションをしてもらい、その臨場感から児童には疑似乗船を体感してもらいました。
海水温上昇をくいとめるためにできることに取り組もう
高校生による座学・体験
イカの資源量が減る最大の原因は海水温の上昇だと学びました。
高校生がスライドによる解説をし、児童は地球温暖化防止のために自分たちができることは何かを考えます。ここでは、能登高校の取り組み「里山の森を守る活動」を取り上げました。
児童らは木を増やすことは地球温暖化を守ること、そして小さな苗木が大きく成長するのに40年もかかることに驚いていました。今回は希望者に苗木をプレゼントし、許可をもらって学校や自宅などに植えてもらいました。
高校生のオリジナル商品開発にアイデアを出し合おう
内容:商品開発(試作品の試食・デザイン案のグループワーク)
試作品「イモイカせんべい」をみんなで試食、商品化に向けてアイディアを出しあいました。「いかいもかりかり」「イーカんじせんべい」など小学生らしい「イカ」した名前が提案されました。またせんべいの固さ、味が薄いなどの意見もあり、高校生たちは更なる商品改良の必要性を感じていました。普段は連携がない高校生と小学生がタッグを組むことで、この海洋教室が教育の観点からも学び合いにつながると感じました。
思いが伝わる商品パッケージとネーミングを考えよう
開催:9/28(月)
場所:能登町立宇出津小学校
前回授業から約1か月。グループごとに商品名とパッケージデザイン案を考え、発表しました。「おいSeaせんべい」「イカせんイカが」など思いがたくさんつまったネーミングが全10案揃いました。ネーミングの理由、デザインのこだわりがつまった作品の中から商品名は「能登の里山里海のめぐみ イいカもせんべい」に決定しました。
参加者の声
【小学生】
・森を守ることが海を守ることにつながることを知りました
・商品の名前を考えられてうれしかった。ポスターを作ったりしてPRすればいいと思いました
【高校生】
・この授業で伝えたかった、海の現状や水産資源を守るための取り組みについて小学生に伝わったと感じた
・海水温の上昇や地球温暖化の進行を止めるためにも自分たちができることは何か、みんなに意識をもって生活してほしいと思う
【教 諭】
・能登町で取組む海洋教室の中でも未来につながる活動ができた
・高校生、小学生のタッグで考えたことを商品として具現化できるというのはキャリア教育にもつながりすばらしい
メディア掲出
・2020年8月26日(水) 北陸放送「MROニュース」
・2020年9月28日(月) 北陸放送「レオスタ」
・2020年8月26日(水) 北陸中日新聞・北國新聞
配布資料
Sea級グルメスタジアムノート
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています。
参加人数:49人