中高生46人が参加! 文京学院大学でAtlantic Pacific Japan サマーキャンプ2021 を開催しました!
中高生たちが「海」などをテーマに学び深掘りしていく4日間のサマーキャンプを開催。海で安全に過ごす方法から海洋環境の保護、人類が海洋に与える影響などを学び、オンラインで海外からも参加する多様な講師たちや共に学ぶ間たちと交流しました。
2021.09.16
一般社団法人Atlantic Pacific Japanは、2021年7月26日~29日に中高生が海洋プラスチック汚染や救命救助、東日本大震災など「海」を中心としたテーマについて学びそれぞれの興味のある内容についてさらに深掘りする、Atlantic Pacific Japan サマーキャンプ2021を開催いたしました。
本プログラムはオンライン又は対面で参加できるハイフレックス型で開催し、ウェールズやロンドン、釜石からオンライン参加の多様な講師の方から異なるトピックについて話を聞いた後、活発に質問をして講師の方と交流しました。参加者は、グループに分かれディスカッションやプレゼンテーションに取り組み、新たな同世代の繋がりを作りながら互いから学び「海」に関する知識と仲間の輪を広めている様子でした。また、日本で最初の「Lifeboat in a Box(救命ボートステーション)」について学ぶと同時に、救命救助で用いるロープワークを実践したり、ライフジャケット試着などの体験アクティビティにも積極的に取り組みました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
中高生を対象にして、「海洋プラスチック汚染」「救命救助や海での安全」「東日本大震災と防災」など『海』について学ぶバイリンガルプログラムです。ピアラーニングやグループディスカッション、プレゼンテーションを通してさらに学びを深めます。
日程
2021年7月26日~29日 13:30~17:00
開催場所
文京学院大学
参加人数
合計46名(対面参加、オンライン参加の合計)
協力団体
一般社団法人 根浜MIND、mymizu、一般社団法人ユナイテッド・グリーンなど
「海」について学び考える4日間
(一社)Atlantic Pacific Japanは、「海」に関心のある中高生46名を対象に4日間のサマーキャンプを開催しました。
参加者は、海で安全に過ごす方法から海洋環境の保護、そして、いかに私たち人間が海の世界に依存しているのか、また人類が海洋に与える影響について学び、私たちを取り巻く海とその先について探究しました。また、救命救助活動についてやAtlantic Pacific が日本で最初の完全ボランティアで成り立つ救命ボートステーションをどのようにして始めたのかについても紹介され、参加者は積極的に質疑応答をしました。多様な講師の方からの講演やワークショップから知識を得た参加者はグループごとにプログラムで自分たちが一番興味をもったことを掘り下げ、さまざまな方法でプレゼンテーションをして最終日を終えました。釜石高校からの参加者は自分たちの周りにある釜石の海を盛り上げるアイディアを発表し、コロナ禍でありながらも地域を超えた交流があった4日間となりました。
1日目:海洋プラスチックについて学ぶ
ウェールズとオンラインで繋ぎ、Atlantic Pacific代表ロビン・ジェンキンズ氏のスピーチで開会式をはじめました。mymizuさんのワークショップでは、海洋プラスチック問題とプラスチック消費・削減について日本と世界の現状を学び、どれほどのプラスチックが消費され、海洋や動物に悪影響を与えているのかを改めて知り、参加者は熱心にメモをとっていました。ワークショップの最後には、プラスチック消費を削減するために社会で取り組めるシステムをグループごとにアイディアを出し合って考えました。
過去にAtlantic Pacific Japanのサマーキャンプに参加した高校生によるプラスチックの再利用ワークショップもあり、そこでは「My Action」として一人一人がプラスチック削減のために何に取り組むのかを考えたり、いらなくなったペットボトルのラベルを活用した栞作りも楽しみました。
1日目の最後には、参加者が日々使っているエコグッズを持ち寄りグループごとに共有しました。また、国内外のプラスチック削減へのクリエイティブな取り組みについても紹介され、身近な企業の取り組みや創意的な取り組みを知りました。マイボトルやマイバッグの利用が当たり前になった現在、自分たちがその先どのようにしたらプラスチック削減に貢献できるのかを学ぶことができた様子でした。
2日目:東日本大震災と防災・海での安全について学ぶ
今年で10年目の節目を迎えた東日本大震災について実際に震災を経験した方から貴重なお話を聞きました。震災当時、幼稚園生や小学生だった参加者は、同じく小学1年生の時に岩手県釜石市で被災した高校生と地元の旅館の女将さんから当時の話を聞きました。「自分たちがあまり経験していないから、経験した人から話を聞いてみたい」という参加者と「風化させないために語り継ぎたい」という講師の方の質疑応答の時間は大変活発に行われました。東日本大震災から得た防災の教訓を学び、自然災害が急増している日本で自分たちができることについて考える機会となりました。
プログラム後半では、世界的に問題になっている溺水や海で安全に過ごすための知識、救命救助についてAtlantic Pacificの代表からお話を聞きました。参加者はStop and think(止まって考える), Stay together(一緒に行動する), Float(浮く), Wave and call for help(手を振って助けをよぶ)という世界共通の4つのルールを覚え、溺水の危険があるのは海や川だけではなく、日本では温泉やお風呂などでの溺死が多いことを知り驚いた様子でした。また、実際に救命救助で使うロープワークも実践したり、救命ボート乗組員が着用するライフジャケットやヘルメットの試着もしました。
3日目:東日本大震災後の釜石でのさまざまな取り組みを知る
東日本大震災のあと、岩手県釜石市根浜海岸に日本初の「Lifeboat in a Box(救命ボートステーション)」が寄贈されるまでの経緯をAtlantic Pacific 代表と救命ボートクルーの方の対談形式で聞き、双方の想いや、困難だったこと、イギリスと日本の救命救助のシステムの違い、また現在どのような活動が行われているのか、これからの展望について学びました。
また2つ目のセッションでは、Atlantic Pacific が活動する釜石では、震災後行政と地域コミュニティがどのように復興に取り組んだのか、またLifeboat in a Boxがある根浜地区の住民が高い防潮堤を建てる代わりに住宅地の高台移転をした理由には地域の人々の海と共存するという想いがあることを学びました。
また、東京大学大気海洋研究所の先生を講師にお招きし、三陸の海と震災後の取り組みについてお話を聞きました。参加者は終始、興味津々にプレゼンテーションを聞き、質問をしました。3日目の最後には、SDGsに触れながら釜石でエコリビングを実践している方から、震災当時や直後、そして現在についてのお話を聞きました。活発に感想を共有したり議論をして参加者同士でさらに新たな学びを得た1日となりました。
4日目:参加者によるプレゼンテーション
プログラムを通して学んだことでさらに学びを深めたいことについて、グループで議論し発表するアウトプットの日でした。参加者はAtlantic Pacificのウェブサイトにてプラスチック削減を誓約しました。そして、グループごとにスゴロクやクイズをして、3日間の学びを楽しく振り返りました。ゲームのあとは、グループごとにプレゼンテーションの準備に取り組みました。オンライン参加と対面参加の参加者が混ざったグループも、画面越しに打ち解け、アイディアを出し合いながら素晴らしいプレゼンテーションを完成させました。それぞれがプログラムを通して興味を持った分野を掘り下げ、発表方法にも工夫をしてお互いのプレゼンテーションで4日間の学びがさらに深まった様子でした。
「海」の未来を守るために
Atlantic Pacific は「コミュニティエンパワーメント」「教育支援」「海との繋がりの促進」に価値を置く国際団体で、救命ボートのないところに救命ボートを提供する計画を持っており、それを通して世界中のコミュニティと関係性を築きながら海をより安全で健康な場所にします。Atlantic Pacificは、海について深い理解を広める事で私たちの海の未来を保証すると信じています。
海洋プラスチック問題はもちろん、国連で世界的溺水への対策が議論されるなど、世界的な溺水・溺死がますます深刻になっている今、若い世代の一人一人が海辺・水辺での安全や救命救助について知るための教育は欠かせません。Atlantic Pacificは溺水の影響を受ける人を減らすために設立されましたが、活動を通してAtlantic Pacificは団体として海の中や周りの命についてより深い理解を得ました。それを活かし、水辺で安全に過ごすための知識だけではなく、気候変動や自然災害などの世界中で起きていることについても情報を発信し中高生に学びの場を提供しています。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:46人