20人が参加! 銚子沖洋上で「自然エネルギーの活用で本来の地球環境を取り戻せ!」を開催!
自然エネルギーの利活用など将来の発電方法について考えるイベントを開催。銚子沖にある洋上風力発電施設の見学や専門家からの解説を通して、さまざまな視点から自然エネルギーの現状と可能性を改めて考える機会になりました。
2021.10.08
千葉市科学館は、「洋上風力発電」について、その技術や、環境との関係性を知ることを通して、自然エネルギーの利活用を含めた将来の発電方法について考える機会を作るべく、2021年8月6日、10日に「自然エネルギーの活用で本来の地球環境を取り戻せ!~洋上風力発電を中心として~」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
銚子沖洋上にある洋上風力発電施設の見学や、技術者による施設についての解説、専門家から の事例紹介等を通し、洋上風力発電について肌身で感じ、改めて考える機会を持ってもらいます。
日程
2021年8月6日(金)、10日(火)
参加人数
8月6日20人、8月10日24人 延べ44人
協力団体
東京電力リニューアブルパワー株式会社、銚子海洋研究所
2日間を通して見えたもの
8月6日(金)の活動は、東京電力リニューアブルパワー株式会社の担当者から、洋上風力発電施設の概要や、これまでの調査研究で分かったことを話してもらうところから始まりました。風車に併設された観測タワーは海面からの高さが100m、風車本体は高さ126mもあると説明を受けましたが、参加した子どもたちの反応を見るに、移動中のバス車中から海上に小さく見えたローターとはイメージが結び付いていないように思えました。説明後は銚子海洋研究所の協力で船に乗り込み、今度は発電施設のすぐ側まで近づいて現地で説明を受けました。幸いに風はそれほど強くなく、うねりはあるものの海はそれほど荒れていない日でしたが、大きく首を逸らして見上げるブレードは、ゆっくりと回っているように見えても、その先端の速さは時速100kmほどにもなると教わりました。風の強い日には新幹線ほどの速さになるという解説も驚くべきものでした。船に乗るのは初めてという参加者も多かったですが、一人も船酔いしないほどに興奮し、洋上風力発電が強く印象付けられた1日でした。
8月10日(火)は、風間健太郎氏(早稲田大学人間科学学術院 准教授)と渋谷正信氏(株式会社渋谷潜水工業 代表)を講師に招き、科学館職員から自然エネルギー導入の現状、2人の講師からは鳥類との関わり、海の生態系や漁業との関りという、初日とは異なる視点からの話を受けました。残念ながら良い面だけでは終わらない風力発電の現状、調査の結果見えてきた環境との共生の可能性、発電だけに留まらない視点を知ることは、参加者たちに非常に大きな衝撃を与えていたように思えます。事例紹介が終わった後の座談会では、それぞれの参加者が感じた想いを一人一人の言葉で聞くことができました。
イベント終了後にもらった保護者からのメールには、家庭でも洋上風力発電について熱心に語っていた様子が書かれていました。2日間の経験は、確かに子どもたちの記憶に残ったようです。
洋上風力発電は私たちに何を考えさせてくれるのか
8月6日(金)、10日(火)の2日間イベントに参加してもらうことで、技術や環境との関係性、日本や世界各国における自然エネルギー発電導入の現状など、洋上風力発電について複数の側面から捉え、考えてもらう場とすることを目指しました。
脱炭素が叫ばれ、世界のエネルギー事情は今大きな変動の最中にあります。自然エネルギーによる発電は今後益々重要なものとなっていくでしょう。しかし、自然エネルギーだから必ずしも良いものである、又は悪いものであると決めつけてしまうのは危険かもしません。思い込みや固定観念で判断するのではなく、広い視野・確かなデータに基づいた論理から、その利用について考えていく必要があるのではないでしょうか。
洋上風力発電について、異なる分野の専門家の話を聞くことで複数の観点を知り、自然エネルギーを利活用していく上で何を考えるべきなのか、将来の発電方法とは何を目指すべきものなのかを、考えてみる切っ掛けをつくることができたと考えています。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:44人