大田区立清水窪小学校で 「海と日本PROJECT 海洋プラスチックごみについて考えよう!」 を開催しました!
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンターは大田区立清水窪小学校の6年生を対象に海洋教育授業を実施。日本の現状を確かめるため千葉県から海岸の砂を取り寄せた調査実習で色鮮やかなプラスチック破片を抽出。海洋プラスチックごみ問題への意識を高めました。
2021.11.05
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンターは、2021年9月14日に大田区立清水窪小学校の6年生を対象として、海洋プラスチックごみについて考える海洋教育授業を実施いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
海と日本プロジェクトの一環で6年生を対象とした海洋教育授業を実施
日程
2021年9月14日(火)
開催場所
大田区立清水窪小学校
参加人数
児童66名、教員2名
協力団体
お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センター
プラスチックと私たちの未来 ~美しい海を取り戻そう~
映画「プラスチックオーシャン」を見つめる子供たち。映像にはクジラを海中で撮影しているその周りにたくさんのプラスチックごみが漂っている様子が映し出されています。今世界ではプラスチックごみが大きな問題となっています。
最近はテレビや新聞でも取り上げられることが多く、子供たちはぼんやりと大変なことがおきていると理解はしつつも、自分たちの身近な問題であるという認識がまだありません。先生からまずは日本の現状に目を向けるよう提案し、その意義について考えました。そして、子供たちから「自分事として考えるきっかけになる!」との意見がでてきました。
日本の海岸の現状はどうなっているのだろうか??
そこで日本の現状について知るきっかけとするために、日本の海岸にもプラスチックごみがあるのか確かめてみることにしました。今回は千葉県から実際の海岸の砂を取り寄せて、その中にプラスチックごみが含まれているのか調べました。
まず容器に海岸の砂を入れて、そこに水道水を注ぎました。そしてスプーンで砂を掘り起こすようにしてぐるぐるとかき混ぜると、砂の中に埋もれていた様々なものが浮いてきました。植物や海藻の破片などに混ざって色鮮やかな破片が見つかりました。紛れもない、プラスチックの破片です。中にはプラスチックごみなのか、そうでないのかはっきりとしないものや、砂に埋もれて浮かんでこないものもありましたが、10分ほどの時間をかけて、できるだけのプラスチックごみを取り出しました。
最後に各班が取り出したプラスチックごみを集めてみました。多少の差はありましたが、色とりどりの小さな破片がどの班の砂からも出てきました。残念ながらこれが日本の現状なのです。この結果を受けて、子供たちの眼の色が少しだけ変化しました。今日の授業をきっかけに子供たちはプラスチックごみ問題への意識を一段階高めることができました。子供たちの学習はまだまだ続きます。
内陸地域でも取り組むプラスチックごみ問題
大田区立清水窪小学校は、平成25年から文部科学省の教育課程特例校として、「サイエンスコミュニケーション科」(SC科)を新設し、理数教育に力を入れています。SC科の新しい単元「プラスチックと私たちの未来~美しい海を取り戻そう~」を開発し、プラスチック問題について科学的に考えることができる児童の育成を目指しています。本単元では、世の中のプラスチックに関わる問題や動向に着目して、プラスチック使用のメリットやデメリットを多面的に考えながら、様々な実習に取り組みます。今回はその一環で日本の海岸の現状を知るための調査実習を実施しました。引き続き様々な切り口からプラスチック問題に関わり、美しい海を取り戻すために私たちにできることについて考えていきます。
お茶の水女子大学は海から離れた内陸地域の子供たちでも海とのつながりについて考えるきっかけを作ることができるよう、海洋教育カリキュラムや教材の開発を進め、海洋教育授業の支援を行っています。本単元は大田区立清水窪小学校の教員とお茶の水女子大学の教員が共同して開発、実施しています。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:68人