ごみゼロの川は、ポイ捨てされにくい!「川ごみ清掃マラソンin 高松 御坊川」報告会を開催
瀬戸内オーシャンズX推進協議会は、河川を清掃しきれいになた川の姿を見せることでポイ捨て抑制効果につなげる試験的な取り組み「川ごみ清掃マラソン」を、香川県高松市の御坊川(ごぼうがわ)で実施。活動の経過報告と、今後の展望を伝える報告会を開催しました。
2022.04.21
瀬戸内オーシャンズX推進協議会は、「川ごみ清掃マラソンin高松 御坊川」の報告会を2022年3月26日に実施いたしました。「川ごみ清掃マラソン」とは、1つの河川とその支川全てのポイ捨てごみを完全に清掃することでポイ捨てされにくい環境をつくる試験的な取り組みです。
のイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
開催概要
海洋プラスチックごみの削減のためには、発生抑制が重要です。そこで、対象とする河川の散乱ごみを一度すべて回収し、社会にきれいになった川の姿を見せることで、ポイ捨て抑制効果につなげることを目的とする試験的な取組みを『川ごみ清掃マラソン』と名付け、香川県高松市を流れる延長12kmの二級河川「御坊川(ごぼうがわ)」で実施しました。2022年3月13日から清掃を開始し、26日に無事ゴールを迎えるこの活動の経過報告と、今後の展望をお伝えする報告会を開催いたしました。
日程
2022年3月26日(土)13:00
開催場所
御坊川の御坊川新橋(香川県高松市今里)
参加人数
メディア3社
協力団体
一般社団法人かがわガイド協会、高松市
ごみゼロの川は、ポイ捨てされにくいはず。
洋ごみの7〜8割は陸で発生しており、河川や水路を伝って海に流出していきます。一度海へ流出してしまうと回収が難しくなるため、散乱ごみの清掃活動と並行してポイ捨てごみを発生させない取り組みができないかと考えました。今回、瀬戸内オーシャンズX推進協議会はこの課題解決の糸口を探すため、御坊川で「川ごみ清掃マラソン」を実施。この取り組みの狙いは、割れ窓理論を応用し、川をきれいにすることで、生活者がポイ捨てをしにくい環境をつくろうとするものです。同時に、ポイ捨て抑制効果に関する知見を蓄積し、今後の活動に活用していきます。
合計約1,400kgのごみを回収
今回の清掃活動では、プラスチック系ごみ約900㎏を含む合計約1,400㎏のごみを回収。全国一小さい県面積の香川県では、高松市を中心に人口が集まっており、降雨頻度が低く、延長が短い河川が多いという特徴を有しています。このため、川に散乱したごみを大雨の前に回収しておけば、ごみの海洋流出が防止できます。4月以降も地域の協力を得て、御坊川の散乱ごみの分布の状況を観察し続け、川がどの場所から、どのように汚れていくのかをモニタリングし続けていきます。市民にとって身近な地域の川で、こまめな清掃活動が実施され、きれいな川が維持できている中にポイ捨て行動を躊躇するような周辺環境が生まれること、「川にごみを捨ててはいけないんだ」という心理と行動の変容が起き、香川県全域に広がっていくことを期待しています。
清掃実施メンバー、地域住民の声
【清掃メンバー】
・普段は海洋ごみを清掃することが多いが、河川ごみの清掃の作業は正直大変だった。泥の臭いや天候による水位や水流の変化への対応などの安全面も注意が必要。ごみは生々しいものが多く、普段の生活により近しいところで発生したように感じた。食品トレイやペットボトルなど流れてきて間もないものが目立つが、資材の袋など劣化したプラスチックも多く堆積している。
・何らかの障害物や支川との合流ポイント等、ごみの溜まりやすいホットスポットが把握できた。ごみが多いところはごみを呼ぶというように、ごみがあることでポイ捨てがしやすくなるように思う。今回の取り組みで川がきれいになることで、発生抑制につなげていきたい。
・河川ごみ清掃の作業や調査のノウハウを「かがわ海ごみリーダー(※1)」たちと共有し、環境教育の実践の場となったことも成果の一つとなった。今後は継続的な観測に加え、ホットスポットに溜まるごみを定期的に回収し、回収したごみを行政の協力を得ながら処理する仕組みを検討するなど、次のアクションにつなげていきたい。※1香川県が主催する、かがわ里海大学「海ごみリーダー養成講座」を終了したメンバー
【地域住民】
・ペットボトルをポイ捨てする人を見かけたり、ごみステーションからこぼれ落ちたりする場面を見ることがある。自宅の周辺にも様々なごみが溜まることがあり、気が付いたときは掃除するがきりがない。御坊川をきれいにする活動をしてくれて、とてもありがたく思う。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています