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「水門シビックテック」で効率的な用水路ごみ清掃を目指す 高校生、歩いた・調べた、ごみが溜まる水門の場所!活動報告

瀬戸内オーシャンズX推進協議会は岡山市内の高校生と進めてきた「水門シビックテック」の活動報告会を開催しました。市内に張り巡らされた用水路の効果的な清掃を目指し、春休み中の地元高校生たちが用水路沿いを歩き、アプリを活用しながら調査活動を展開したものです。

2022.04.21

瀬戸内オーシャンズX推進協議会は、岡山市内で地元の高校生らと進めてきた「水門シビックテック」の活動報告会を開催しました。本取り組みは効果的な用水路のごみ清掃を目指し、ごみの溜まりやすい水門の場所をスマートフォンアプリで記録する活動です。

このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。

開催概要
岡山県では、県人口が集中する岡山市、倉敷市に、全国平均約5倍の密度で用水路が張り巡らされており、用水路でのごみがひいては海洋ごみとなるため課題となっています。ごみを回収せぬまま水門を開ければ、ごみが海へと流出してしまうため、用水路の効率的なごみ削減を目指し、シビックテックによる調査活動を展開するべく、春休みにはいった地元高校生たちが立ち上がりました。そこで、その調査結果や今後の展望についての報告会を開催します。
日 程
2022年3月20日~28日
開催場所
岡山市南区藤田653-44(県営かんがい排水古川地区)付近
参加人数
30名(高校生15名、看護専門学校生12名ほか)
協力団体
山陽学園高等学校、ソワニエ看護専門学校、グリーンパートナーおかやま、笹川平和財団海洋政策研究所、内外地図株式会社

10日足らずで700箇所の水門の場所とごみの状況を見える化できた!

2022年3月、地元の高校生ら延べ70名が参加し、岡山市内の用水路沿いを歩き調査しました。今回の調査では、効率的な用水路のごみ清掃を目指して特別に作ったスマートフォンアプリを活用。ごみの溜まりやすい水門の場所を、このアプリに記録する活動を「水門シビックテック」と名付け取り組みました。「シビックテック」とは、市民(Civic)自らがテクノロジー(Tech)を活用して主体的に行政と連携し、社会課題を解決したり、生活の利便性を向上させたりする取組みを指します。身近な社会問題を解決するための取り組みとして昨今注目されています。
今回の報告会では、活動に参加した山陽学園高等学校の高校生からは、この調査活動に参加して感じたことなどについて、また、ソワニエ看護専門学校の学生からは、たも網をつかった用水路の清掃体験などについて話してもらいます。また、瀬戸内オーシャンズX推進協議会からは、活動の狙いや今後の期待などについてお話します

把握できた水門総数の約2割、閉じていた水門の約4割でごみが溜まっていた!

調査の結果、約700基の水門の位置が特定でき、そのうち閉じている水門(461基)の約4割で、ごみが溜まっていたことが確認できました。今回の定量化・見える化を通じて、これからの田植え時期を控え、水門を開ける前に付近に溜まったごみを回収することの重要性が伺えます。
県の人口が集中する岡山市・倉敷市では用水路の分布密度が全国平均の約5倍あり、網目状に発達した用水路の周辺では、都市化と高齢化が進み、古くから行われてきた用水路清掃を行う町内会は年々減少傾向にあると言われています。
今後は、まずできるところから用水路の清掃に着手するとともに、ごみが溜まっている水門の分布や、清掃に適した時期、清掃の担い手の有無などを把握し、相互に助け合いながら効率的な清掃が展開できるよう、体制を整えていく必要があるのではないかと考えられます。農業が盛んな岡山の地で、用水路清掃の伝統が引き継がれ、世代を越えた活動として地域に根付いていくことが期待されます。

参加者の声

・今回、自分が住んでいるエリアの用水路を見て回り、水門が閉じているところに多くのごみが溜まっている現場をたくさん見た。もし水門が開けばごみは流れて行ってしまうと思うと、拾わなければと感じた。ただ、落ちたごみを拾い続けるのは大変。人の手を離れる時点で、ちゃんと回収することが大事だと思う。(調査をした学生メンバー)
・学生たちが手足を使い、心を込めて集めた今回の調査データは、ぜひ行政や企業にも活用していただきたいと思う。また、今後は活動を一緒に行ったり、意見交換をしたりと、地域が一体となった活動に発展させていけたらうれしく思う。(担当教員)
・自治会などでも地域ごとにごみ拾いやボランティアの立ち上げなどは行っている。そのため、地域により温度感や活動回数に差が出ることもある。そうした中で、今回のように学生さんが広域にわたり調査してくれることはとてもありがたい。地域と連携しながら進めていけたらよりよい活動になると思う。(地域住民)

 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:30人