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琵琶湖の湖上で【絶滅危惧I類 ビワオオウズムシの生息について大規模調査!!】を実施しました!

琵琶湖の絶滅危惧種ビワオオウズムシについて大規模調査が行われ、子どもたちが立ち会いました。自立型無人潜水機(AUV)3基と遠隔操作型の無人潜水機(ROV)を投入。ワオオウズムシの存在を確認。湖水のサンプリング等も行い、今回の調査をもとに今後検証が行われます。

2021.09.29

認定特定非営利活動法人びわ湖トラストは、7月22日から7月28日までの一週間、琵琶湖の固有種であり絶滅危惧I類にも指定されているビワオオウズムシに関する大規模な探索調査が行われました。
海上技術安全研究所が所有する自立型無人潜水機(AUV)の「ほばりん1号」と「ほばりん2号」、及び、いであ株式会社が所有する同じくAUVの「ようざん」の合計3基がはっけん号から投入され、小学5年生から高校生がその様子に立ち会いました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる “日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

琵琶湖の固有種『ビワオオウズムシの湖底での生息調査』調査日程及び場所
1. 7月 23日(木)塩津湾 ・・・ 固定遺跡(縄文)
2. 7月 24日(金)葛籠尾崎(竹生島北)・・・固定遺跡(飛鳥)
3. 7月 25日(土)第1湖盆(今津沖)・・・磁場異常
4. 7月 26日(日)最深部(安曇川沖)・・・ベント
5. 7月 27日(月)最深部(安曇川沖)・・・ベント

 

琵琶湖の固有種『ビワオオウズムシ』についての調査内容

2021年7月22日
初日は長浜港にてAUVやその運用に必要な機材の搬入、ロボットの調整・投入練習が行われました。AUVの搬入はユニッククレーンを用いて、はっけん号の上から吊り下げる形で行われました。調整がある程度済んだのち、参加していた子供達にロボットの機能や装備についての説明が行われ、試験投入が行われました。長浜港内での作業であったため自動航行は行えませんでしたが、水中での動作確認と投入・引き揚げの際のクレーンやウィンチの操作の確認が行われました。

2021年7月23日
北湖の塩津湾でAUVの練習走行が行われました。本調査と同様に自動航行でロボットが運用され、動作のチェックや支援船との連携が確認されました。この日は湖底の濁りがひどく、AUVで撮影された画像にはほとんど湖底の様子が記録されていなかったため、翌日以降の調査で改善できるよう設定変更が話し合われました。

2021年7月24日
湖底遺跡が眠る葛籠尾崎での湖底調査です。前日同様にAUVが投入されましたが、またしても濁りがひどく湖底の様子を伺える画像はあまりありませんでした。その一方で遠隔操作型の無人潜水機(ROV)も投入され、その画像からビワオオウズムシの存在が確認されました。今年の春以降捕獲できていなかったウズムシの姿に子供達も喜びを見せていました。また、環境DNA(湖に生息している生物から放出されているDNA)からビワオオウズムシの実態を把握するため、湖水のサンプリングも行われました。湖底、表面と中間層の湖水が採水機を用いて採取され、DNA検査に向けた下準備が行われました。

2o21年7月25日
今津沖の第一湖盆にてAUVの投入が行われました。これまでと比べて湖底付近の濁りも少なく、良質な画像を撮影することに成功しました。そしてこれらの画像からビワオオウズムシの存在を確認することができました。またこの調査でもROVの投入も行われ、その映像から昔ほどではないものの、一定数のビワオオウズムシが棲息していることが確認できました。この調査地点は普段ビワオオウズムシを捕獲するためのトラップを敷いているところの近くであるため、なぜ生物トラップではこの数ヶ月間ウズムシを捕らえる事ができなかったのか、今後検証が行われます。

2021年7月26日
安曇川デルタ沖の琵琶湖最深部でAUV投入による調査が行われました。この日は再び湖底付近で濁りが見られましたが、機材の調整の甲斐があり湖底の様子を写すことができました。ROVも投入され、そちらでも湖底の様子を見ることができました。また、この日も環境DNAの調査を行うためのサンプルの採水が湖底付近と表面で行われ、必要な下処理が行われました。しかしながら台風8号の接近を受け、午後からは強風の影響により1時間程度早くに作業が打ち切られました。

2021年7月27日
当初は前日と同じく琵琶湖最深部で調査が行われる予定でしたが、台風の接近の影響で波が高かったため、葛籠尾崎付近での調査に変更されました。調査内容はこれまでと同様にAUVの投入によって行われました。また、この日はAUVを用いた調査の最終日であったため、長浜港に帰港後は積み下ろしの準備が行われました。(写真はZOOMでのライブ中継の様子)

2021年7月28日
AUVの積出が行われました。積み込みと同様にユニッククレーンを用いた作業で行われました。その後長浜港から大津港に回航する途中、琵琶湖最深部の東西方向の8地点でマイクロプラスチックの採集をするための採水が行われました。この付近は琵琶湖の還流が発生する地点であり、マイクロプラスチックの分布を調べるため湖水1tを漉しとる形で調査が行われました。現在サンプルの処理が行われており、今後マイクロプラスチックの有無やその量が調べられます。

※新型コロナウィルス感染症対策のため、参加人数を調整し、参加できなかった方のためにリモートでのライブ配信も行いました。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています