“本物”を見て、手や心で触れてみる!【第2回 お茶大海のジュニアティーチャー養成講座 海藻おしばを作ろう】を開催しました!
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーション研究所は、海洋教育の担い手を育てる海洋イベント「第2回 お茶大海のジュニアティーチャー養成講座 海藻おしばを作ろう」を開催。海藻おしば作り体験やクイズなどを交え、海の環境問題を考えてもらいました。
2022.11.18
お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーション研究所は、2022年10月8日(土)に「第2回 お茶大海のジュニアティーチャー養成講座 海藻おしばを作ろう」と題し、海洋教育の担い手を育てる海洋イベントを開催しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
海と日本PROJECT「第2回お茶大海のジュニアティーチャー養成講座 海藻おしばを作ろう」
日程
2022年10月8日(土)
開催場所
お茶の水女子大学 国際交流留学生プラザ
参加人数
児童 33名(午前21名、午後12名)
協力団体
株式会社 なとり、お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究所
はじめに
水産加工食品を中心に幅広く製造・販売している株式会社なとり(以下、なとり)の協力を得て、東京都北区・文京区に在住・在学の小学4~6年生を対象に「海藻」をテーマとしたイベントを実施しました。イベントでは、植物と対比しながら海藻について理解を深めたり、本物の海藻を手に取って触ったり、海藻おしばを作る体験をしました。さらに海藻をめぐる海の環境問題「磯焼け」について知ることで、海の環境と私たちとの関わりについても考えるきっかけに。今回は第1回お茶大海のジュニアティーチャー養成講座を受講した中学生が、特別講師として参加しました。本イベント受講後、晴れて海のジュニアティーチャーとして認定された小学生は、今後、海洋教育の担い手としてさまざまな取り組みに参加することが期待されています。
海藻クイズと海藻観察
はじめに、海のジュニアティーチャーの中学生が一人ずつ自己紹介をしました。その後、海藻についての講義やクイズを行い、緑藻(アオサ)、褐藻(ハバノリ)、紅藻(フシツナギ)の3種の海藻の観察を実施。観察では、「触った感じはどう?」などと小学生に問いかけながら、体験を深められるよう中学生がサポートしてくれました。ふだんじっくりと海藻を見ることのない子どもたちにはとても新鮮だったようで、色や形がそれぞれ全く異なる海藻を前に、手で触ったり、においをかいだりと、五感を使ってたくさん観察することができました。
海藻おしば作り
続いて、海藻により親しみを持てるよう、海藻おしば作りを行いました。海藻おしば作りでは、名刺サイズのカードの上に自由に海藻をのせて作品を制作。はさみを使って海藻を好きな形にカットしたり、つまようじを使って細かな作業をしたり、海藻とたくさん触れ合いながら、皆さん個性豊かな作品を完成することができました。作品作りでは、「なるべくうすく広げると良いよ」といったポイントなども中学生がアドバイス。その後、乾燥機で乾燥させ、ラミネートし、素敵な海藻おしばが完成しました。
海藻の栄養や私たちが食べるまでのお話
海藻について、さまざまな視点から理解を深めるために、私たちが食べる海藻の栄養のお話や、海から得られた海藻を私たちが食べることができるようになるまでの工程について紹介しました。海藻に含まれる栄養素には、食物繊維や鉄、カルシウム、ヨウ素などがあり、私たちはまさに海の恵みをいただいています。簡単に手に入るように思いますが、実は海で採った後、干したり煮たり塩漬けしたり、さらに工場で加工・包装され、やっとお店に並びます。私たちが食べたいときにすぐに美味しく食べることができるのは、こうした企業の取り組みがあるのだと感じることができたのではないでしょうか。
海藻をめぐる環境問題「磯焼け」について
しかし、いまと同じようには食べられなくなるかもしれない、近年話題となっている海の環境問題「磯焼け」現象についてお話しました。「磯焼け」とは、海藻の集まりである藻場がなくなったり減ったりしてしまうことです。子どもたちは藻場が豊かな海と、磯焼けしている海の様子の動画を見てその違いを確かめ、藻場が海の生き物や環境にとって大事な役割をしていると知ることができました。さらに藻場再生に取り組む企業の事業やNPO法人の取り組みについても触れ、今後、自分たちにできることは何かを考えるきっかけになりました。
認定証のお渡し
最後に、受講生に認定証をお渡ししました。お茶大海のジュニアティーチャーとして認定された皆さんが、今日のイベントをきっかけに、今後、海洋教育の担い手として、さまざまな活動に積極的に取り組むことを期待しています。
また、お茶の水女子大学は海から離れた内陸地域の子供たちでも海とのつながりについて考えるきっかけを作ることができるよう、海洋教育カリキュラムや教材開発を進めたり、出前授業を行ったりしています。過去の取り組みやプロジェクトの概要は以下のサイトをご覧ください。
https://sites.google.com/view/ocha-ocean
参加した子どもの声
「海の色々な話をしたり実験をしたりして楽しかった」
「海藻は植物のような根・くき・葉にわけられなかったことがおどろいた」
「自分のわからなかったことが知れてとてもうれしい」
「海藻おしば作りがむずかしくてやりがいがあって楽しかった」
「私たちが食べている海藻にはいろいろなやくめがあるということを知った。海藻にはたくさん栄養があることを知りたくさん食べたいと思った」
「好きなアオサでも生のアオサは全然違って驚きました」
「海藻や海のことについてあまり知る機会がなかったから楽しかった」
「海外の海藻の種類はどこれくらいか調べてみたい」
「前の自由研究はアジを解剖した。来年は海藻について調べてみたい」
「海そうが少なくなってきていると知っておどろきました。今日のイベントを通して自然を守りたいと思いました」
「海藻にも減少する可能性があると知って、私たちも海藻や海の環境を少しでも守っていかなければならなきゃなと実感した」
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:33人