海と日本公式サイトの最新ニュースをウィジェットで埋込み

<iframe class="uminohi-widget official-newest" src=" https://uminohi.jp/widget/newest/" width="100%" height="800" frameborder="no" scrolling="no" allowtransparency="true"><a href="https://uminohi.jp">海と日本PROJECT【日本財団】</a></iframe><script src=" https://uminohi.jp/widget/assets/js/widget.js"></script>

第6回環境DNA学会九州大会 公開シンポジウム「環境DNA – 革新技術が開く科学と社会の新たな姿」を共催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは第6回環境DNA学会九州大会の一環として公開シンポジウム「環境DNA – 革新技術が開く科学と社会の新たな姿」を開催。環境DNAによる魚類相調査の普及と技術開発の促進を図りました。

2024.02.06

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、第6回環境DNA学会九州大会の一環として、環境DNAによる魚類相調査の普及と技術開発の促進を目的に、2023年12月3日(日)に公開シンポジウム「環境DNA – 革新技術が開く科学と社会の新たな姿」を開催いたしました。

「環境DNA」は、生物を捕獲採取せず採水だけで高速に多様な生物の生息を確認できる技術です。環境DNAによる魚類相調査の第一人者である宮正樹 氏(千葉県立中央博物館 主任上席研究員)を基調講演に迎え、技術開発に至る経緯や、急速な科学界での発展、社会での展開、今後の可能性について論じました。パネルディスカッションでは、各界の専門家とインフルエンサーに環境DNA調査を経験して得た学びや、現在の水産資源管理の実情や今後の課題、魚食普及のための活動など、各々の切り口から魚にまつわる多面的な議論が交わされました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
環境DNAによる魚類相調査の第一人者である宮正樹 氏(千葉県立中央博物館 主任上席研究員)を基調講演に迎え、技術開発に至る経緯や、急速な科学界での発展、社会での展開、今後の可能性について論じる。パネルディスカッションでは、各界の専門家とインフルエンサーに環境DNA調査にまつわる水産資源管理、料理、若手の魚類研究、魚食普及、食文化、アウトドアから技術の可能性を多面的に議論する。
日程
2023年12月3日(日)14:00〜16:30
開催場所
九州大学西新プラザ(福岡県福岡市)
大会長
清野聡子(九州大学工学研究院・准教授/九州大学うみつなぎ統括プロデューサー)
基調講演
宮正樹 氏(千葉県立中央博物館 主任上席研究員 )
パネリスト
佐々木ひろこ 氏(一般社団法人Chefs for the Blue 代表理事/フードジャーナリスト)
伊藤柚貴 氏(中学生のおさかな博士)
江﨑恭志 氏(福岡県水産海洋技術センター有明海研究所)
モデレーター
明石信宏 氏(NECソリューションイノベーター株式会社/九州大学うみつなぎアドバイザー)
来聴者
123名

【基調講演】環境DNAの第一人者・宮正樹氏

シンポジウムの基調講演に宮正樹氏(千葉県立中央博物館 主任上席研究員)を迎え、「環境DNAメタバーコーディング:バケツ一杯の水から棲んでいる魚がわかる技術」をテーマにご講演いただきました。

宮氏が開発したMiFish法と呼ばれる魚類環境DNAを用いた多種同時並列検査法は、今や世界中の海や川で使われる魚類群集モニタリング法となり、生物や生態学の研究が大きく変わりました。

基調講演では、宮氏の幼少時代から育まれた魚類への好奇心と、研究者へのターニングポイントのお話し、そして、研究史では、魚類分類学の古典的な形態学に始まり、深海から沿岸までの現地調査、進化学、そして遺伝子分野の導入により急速に発展した研究展開についてご講演をいただきました。好きなことに没頭し、最先端の技術を取り入れながら研究の道を拓いてきたお話は、会場に詰めかけた中学生や高校生にも希望や夢を与えてくれました。

宮正樹氏のご活躍についてはこちらをご覧ください。
https://researchmap.jp/mum-usagi

【パネルディスカッション】環境DNAで生き物、食文化、アウトドアを楽しもう!

シンポジウムの後半は、モデレーターに環境DNAに基づいた魚類分布シミュレーションの実証実験に携わってきた明石信宏氏を、パネリストにフードジャーナリストの佐々木ひろこ氏(一般社団法人 Chefe for the Blue 代表理事)、中学生のおさかな博士の伊藤柚貴氏、および水産技術職員の江﨑恭志氏(福岡県水産海洋技術センター有明海研究所)の3名を迎え、九州大学うみつなぎ統括プロデューサーである清野聡子とともに「環境DNAで生き物、食文化、アウトドアを楽しもう!」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

伊藤柚貴氏は、自らが体験した博多湾での環境DNA調査の結果を披露し、普段は牡蠣殻の中に隠れているために目視することがなったイダテンギンポが多く検出されたことや、南方の魚類が検出されたことによる海水上昇による環境変化の可能性、一杯のバケツから29種ものDNAが検出されたことなどをご紹介くださいました。

九州大学の清野聡子からは、従来の手法による多地点での調査を行う中でも刻々と自然環境が変化していく危機感を肌で感じた自らの事例が紹介され、環境DNAの調査はその一瞬を切り出すことができる有用な手法であることが示されました。

以上のように、環境DNAを用いた調査は自然へのダメージを抑えつつ、バケツいっぱいの水から網羅的な情報が得られる画期的な技術であり、これからの発展や需要が語られたシンポジウムになりました。

【感想】「海のキッズサポーター」はるき君が感じたこと

日本財団「海のキッズサポーター」のメンバー、はるき君(中学一年生)から今回のシンポジウムを傍聴しての感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。

「清野先生に声をかけていただき初めて来た九州大学、 環境DNAの「バケツ一杯の水から棲んでいる魚がわかる技術」のポスターをみてワクワクする気持ちで参加しました。 技術的な所はむずかしい話もありましたが、ぼくもいつも活動している芦屋の海にどんな生き物が棲んでいるか環境DNAの調査をしたくなりました。 もし、まだ出会ったことのない生き物のDNAがでたら探してみたいです。 環境DNAを活用して、魚の動きを調べ漁業に活かすこと、変わりゆく海を文化で対応していくには食べる文化で価値を上げていくという話などを 生物、科学、環境、食文化のパネリストの方々のそれぞれの立場から聞いて、13歳のぼくには何ができるだろう?と考えながら帰り、夕飯にツバスを捌きました。 宮先生の言われていた四つの心『(好奇心+探究心+冒険心)×向上心』を持って来年はたくさんいろんなことを吸収していきたいです。」

感想を寄せてくれたはるき君は、ビーチコーミングやビーチクリーンなど海辺での活動や、パネリストの伊藤柚貴君と同様に自ら魚を捌き、その腕前をSNSで披露しています。

日本財団「海のキッズサポーター」についてはこちらをご覧ください。
https://uminohi.jp/kidssupport/

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:123人