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第28回 海辺の教室 in佐賀・熊本~干潟を活かす地域の未来をユース交流で考える~を開催しました!

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、有明海沿岸の荒尾干潟と東よか干潟を巡りラムサール条約認定までの足跡を学ぶ「第28回 海辺の教室 in佐賀・熊本」を開催。環境活動や研究に取り組む高校生らが学習を通し交流を深めました。

2023.12.27

九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは、ユースの交流と、ラムサール条約に認定された有明海沿岸の荒尾干潟と東よか干潟を巡り、観察会を交えながら干潟の素晴らしさ、ラムサール条約認定までの足跡を学ぶことを目的として、2023年12月16日(土)に第28回 海辺の教室 in佐賀・熊本 ~干潟を活かす地域の未来をユース交流で考える~を開催いたしました。

本バスツアーでは、共催者に、次世代のためにがんばろ会が運営するエコユースやつしろ(熊本県八代市)を迎え、福岡県立新宮高等学校(福岡県糟屋郡)、福岡工業大学附属城東高等学校(福岡市東区)、エコユースやつしろの高校生が、ラムサール条約湿地とその関連施設での学習を通し交流を深めました。

各々の地域で環境活動や研究に取り組んでいる高校生らは、ラムサール条約の認定を受けるに至った有明海の条約湿地の成功例と普段の活動地域とを照らし合わせ、これからの課題や行動指針を考えていく大きな一歩となりました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
共催者として、次世代のためにがんばろ会が運営するエコユースやつしろ(熊本県八代市)を迎え、ユースの交流と、ラムサール条約に認定された有明海沿岸の荒尾干潟と東よか干潟を巡り、観察会を交えながら干潟の素晴らしさ、ラムサール条約認定までの足跡を学ぶバスツアー
日程
2023年12月16日(土)7:30~18:10
開催場所
荒尾市役所、荒尾干潟、東よか干潟
参加者
54名
共催
次世代のためにがんばろ会・エコユースやつしろ(https://www.ganbarokai.net/
協力
荒尾市役所環境保全課(https://www.city.arao.lg.jp/
荒尾干潟保全・賢明利活用協議会
荒尾干潟水鳥・湿地センター(https://www.city.arao.lg.jp/kurashi/shisetsu/higata/
東よか干潟ビジターセンター(https://www.higasasu.city.saga.lg.jp/
福岡県立新宮高等学校(https://singu.fku.ed.jp/Default2.aspx
福岡工業大学附属城東高等学校(https://jyoto.fit.jp/index

【交流会・講話】漁業者が肌で感じた保全の必要性

バスツアーの始まりは、荒尾市役所の会議室にて、”荒尾干潟保全・賢明利活用協議会”の福田信雄様と松浦弘様にお越しいただきご講演をいただきました。
荒尾干潟保全・賢明利活用協議会とは、漁業協同組合を筆頭に、農業協同組合・商工会議所・観光協会・市政・教育委員会・自治会・市民環境団体・野鳥の会からなる組織で、荒尾干潟のラムサール条約湿地登録を目標に掲げ2012年に発足しました。登録後は荒尾干潟の保全と賢い利用(ワイズユース)に向けた取組を行っています。
ご講演の最初は、荒尾干潟保全・賢明利活用協議会の福田信雄様より、ご本人が漁業者として有明海の自然と向き合うなかで、生物が減少し干潟が疲弊していく異変に危機感を感じ、保全の必要性を訴えはじめた経緯や、かつての有明海の豊かさを語ってくださいました。
県下の高校で生物の教師をされていた松浦弘様からは、有明海に生きる生物の紹介から、生物調査の手法、荒尾干潟保全・賢明利活用協議会の取り組みなど多岐にわたりご講演いただきました。
有明海沿岸の中でも最初のラムサール条約湿地として認定を受けた背景には、漁業と保全との相互理解を深めてきた功績があることを学ぶことができました。

【荒尾干潟】生物多様性の恵み”有明海の食文化”に興味津々

荒尾干潟では、荒尾干潟・水鳥湿地センターのスタッフの皆様が出迎えてくださり、丁寧なガイドをご提供くださいました。
この日の荒尾干潟の午前中は、満潮と寒波の影響を受けて強い波がうねっていました。その様子について、「有明海の中でも荒尾干潟は一部が外海に開けている場所に位置するため、強い波が起こる」とセンターのガイドスタッフが解説してくださり、またその波は干潟の底質を攪拌するとともに新しい酸素を供給する大切な役割があると教えてくださいました。博多湾の奥にある和白干潟で活動をしている城東高校の生徒は、普段見ている干潟との違いに衝撃を受けている様子でした。
ビジターセンターの施設内では、干潟に生息するムツゴロウやトビハゼ、カニ類、貝類の生体展示や、飛来する水鳥たちの実物大パネルなど充実した展示品が陳列されていました。なかでも高校生の興味を引いたのは、有明海がもたらしてくれる食材による食品サンプルでした。
有明海とともに暮らしてきた地域の食文化を知ることによって、干潟の恵みを賢く使い続けていく”ワイズユース”についても深い理解を得ることができました。

【東よか干潟】有明海の湾奥、保全の難しさを学ぶ

午後は佐賀市の東よか干潟ビジターセンターにご協力をいただき、東よか干潟と関連施設のガイドをご提供いただきました。
午前とは打って変わって干潮の時間を迎え、広大な干潟が露わになっていました。東よか干潟は有明海の中でも最も湾奥に位置し、荒尾干潟と比べて海が穏やかで土壌の粒子が細かいなどの違いが見て取れました。
東よか干潟ビジターセンターでも干潟に関する展示品が充実しており、なかでも幅5.5mの大スクリーンに映し出された水鳥たちの映像は圧巻の大迫力でした。
施設見学を終えた後は、研修室をお借りしてベテランガイドスタッフによる座談会と質疑応答の場を設けてくださいました。高校生たちは、東よか干潟を象徴する”シチメンソウ”に興味が向いたようで、塩生植物としての特徴や保全、栽培などの質問が集中しました。
八代河口干潟で活動するエコユースやつしろの高校生からは干潟保全に関する質問が寄せられ、「125もの河川が流れ込む有明海においては、流入する河川の水質やごみの影響をそのまま受けるため、流域との連携が必要不可欠である」と教えていただきました。

参加した高校生の声

(荒尾干潟の感想)
・ムツゴロウが可愛かった。
・あいにくの天気でしたが広大な有明海を感じました。
・干潟の先に長崎、佐賀、福岡が見えて、熊本の地にいるというのがとても感動しました。
・海苔を作ることの大変さや有明海のおもしろさを体験できてとても満足です。
・料理の展示は地元の人も「これ食べたことある!」となったり、地元の人でなくても「こんな料理あるんだ!」と知ることができるのでいいと思いました。

(東よか干潟の感想)
・東よかの干潟では鳥を見れてたくさんのお話を聞けて良かったです。
・有明の鳥は人が近づけないことを知っているのが驚きです。
・水鳥の種類が多く、渡ってくる個体数も多いと知り、多くの水鳥がいる春にまた来たいなと思いました。
・シチメンソウが枯れたけど回復できたことを聞いて、ラムサール条約に登録されるまでに大変な苦労があったと思うと、干潟を守ろうと活動をしてきた方や地域の方はすごいなと思いました。

(ツアーを通しての感想)
・干潟の色んな生き物について知ることができてよかったです。
・国内最大級の干潟である有明海の仕組みを学ぶことができた。
・絶滅危惧種に分類されている生物について学ぶことができて良かった。
・普段見ている砂浜の海と違う生物が干潟にはたくさんいて、とても興味深かったです。
・ラムサール条約に登録されている干潟を実際に見ることができ、とても貴重な経験となりました。
・知らない生き物の特徴や歴史、珍しい文化のつながりを知ることができとても楽しかったです。
・干潟の歴史やそこにしかいない生きものを楽しく知ることができてとても楽しかったです!
・水鳥たちが幸せに暮らせるような環境を守っていかなければいけないなと感じました。
・人と生き物が共存していける環境をつくっていければいいなと思いました。
・多くの人が干潟に関心を持って守ろうと活動することは重要であり、必要だと感じました。
・自分たちの近くの干潟は砂質なので、泥質の干潟は生態系含め様々な違いがあり、面白かった。
・自分が調査などで行った事がある和白や津屋崎の干潟との違いがわかり面白かった。
・身近にある和白干潟と、その他の干潟とを比較して考える機会を得られてよかった。
・荒尾干潟や東よか干潟では和白干潟で見たことの無い様々な生物が存在していることを知れた。
・バスの中で清野先生が説明してくださったことを聞き、本当に多くの自然の恵みを受けていると感じた。

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:54人