『第20回 海辺の教室 in長崎・対馬』~国境の島で国際ビーチクリーン活動に学ぶ~を開催しました!
九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センターは「第20回 海辺の教室 in長崎・対馬~国境の島で国際ビーチクリーン活動に学ぶ~」を開催。「日本一海岸漂着ごみが多い島」として注目される対馬市と韓国の大学が開催した国際クリーンアップに参加し、海洋ごみ問題に対する学びを深めました。
2023.09.07
九州大学大学院工学研究院附属環境工学研究教育センター(以下 環境センター)は、海の精鋭育成を目的に2023年7月16日、長崎県対馬市にて『第20回 海辺の教室 in長崎・対馬』~国境の島で国際ビーチクリーン活動に学ぶ~を開催いたしました。
長崎県対馬市は、古くから韓国、中国をつなぐ日本の玄関口となり、国交の要として重要な役割を果たしてきました。対馬は、対馬暖流にも恵まれ、日本だけでなくアジアの重要な漁場として私たちの食卓を支えています。そんな対馬は悲しいことに「日本一海岸漂着ごみが多い島」として昨今注目を集めています。
環境センターの2名の教員(中山准教授は廃棄物管理、清野准教授は海洋環境)は、かねてより対馬市の海洋ごみ問題解決のための協議会に専門家として参加、研究も行ってきました。このたび、対馬市が韓国の大学とともに共済した国際クリーンアップに参加し、現地での対馬市関係者の運営、NPOや住民との協働、日韓の若者たちの活動の現場に身を置きながら学びを深めました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
福岡ECO動物海洋専門学校の学生と合同で長崎県対馬市の日韓交流ビーチクリーンに参加し、「日本一海岸漂着ごみが多い島」と呼ばれる対馬の現状を体験し、海洋ごみ問題について考える。
日程
1日目 2023年7月16日(日) 10:00~12:00(長崎県対馬市 井口浜海水浴場)
2日目 2023年7月24日(月) 11:00~12:15(福岡ECO動物海洋専門学校)
参加人数
4人
協力
福岡ECO動物海洋専門学校(https://www.eco.ac.jp/)
養父信夫 氏(福岡ECO動物海洋専門学校特別講師・一般社団法人九州のムラ代表理事)
日韓市民ビーチクリーンに参加!
2023年7月16日(日)、福岡ECO動物海洋専門学校のグリーンライフ課、アドベンチャー課の学生と合同で対馬市主催の日韓市民ビーチクリーンに参加いたしました。
会場となった井口浜海水浴場には、釜山外国語大生の学生も含め約300人ほどが集まりましたが、綺麗になるまでに一時間かかるほどの漂着ごみがありました。一見綺麗になったようでも短くちぎれたロープや、小さくなった発泡スチロールやプラスチックのかけらなど終わりの見えない作業が続きました。
参加した学生からは、「日常からは想像もつかない深刻な海洋問題が起きていることを肌で感じた。」と驚きの声が上がりました。
ショベルカーやクレーンを駆使して砂浜に埋もれた漁網を掘り起こす作業も同時に行われ、人の手だけではとても及ばない”想像を絶する深刻な海洋ごみ問題”を肌で感じる機会となりました。
振返り授業「ひとりの力ではどうしようもない問題だからこそ」
2023年7月24日(月)、福岡ECO動物海洋専門学校のキャンパス内にて日韓交流ビーチクリーンで感じたことの振返り授業を行いました。
「なぜこんなにも対馬に海洋ごみが集まるのか。」「どうすれば海洋ごみを減らせるのか。」断片的に感じ取った素直な感想の発表を皮切りに、”対馬海ごみシンポジウム2023”のアーカイブを通して、対馬市を取り巻く海洋ごみ問題の現状や、政策についてさらに理解を深めました。
海洋プラスチックを再利用する試みが取り組まれている一方で、回収された海洋ごみのほとんどは粉砕され、対馬の美しい谷を埋めるかたちで処分されている風景に言葉を失うばかりでした。
振り返り授業の最後には「ひとりの力ではどうしようもない問題だからこそ、手を取り合って解決していかなければならない。」と感想が飛び出し、その言葉にみんながうなずく姿が印象的でした。
九州大学うみつなぎと福岡ECO動物海洋専門学校は、海の精鋭育成を目標にこれからも連携し、海洋教育に取り組んでまいります。
2023年7月15日に開催された”対馬海ごみシンポジウム2023”には、九州大学うみつなぎ統括プロデューサーの清野聡子准教授(九州大学工学研究院)もパネリストとして登壇させていただいております。(https://www.youtube.com/watch?v=ImRaO-VKDTs)
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:4人