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ヨコハマ海洋市民大学2023年度講座 第4回「おさかなマイスターアドバイザーが語る 海、情報の魅力」を開催しました!

ヨコハマ海洋市民大学実行委員会は、ヨコハマ海洋市民大学2023年度第4回講座「おさかなマイスターアドバイザーが語る 海、情報の魅力」を開催。横浜の海が抱える社会課題の解決に挑戦する市民を養成する講座で、多岐にわたる話題で盛り上がりました。

2023.10.13

ヨコハマ海洋市民大学実行委員会は、令和5年9月7日(木)に横浜の海が抱える社会課題の解決に挑戦する市民を養成する講座ヨコハマ海洋市民大学2023年度第4回講座「おさかなマイスターアドバイザーが語る 海、情報の魅力」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
「横浜の海が抱える社会課題を自ら考え、解決できる市民(海族・うみぞく)」を育成するヨコハマ海洋市民大学2023年度講座(年10回開催)の第4回目「おさかなマイスターアドバイザーが語る 海、情報の魅力」を開催。開催日時
2023年9月7日(木)19:30〜
開催場所
象の鼻テラス(神奈川県横浜市中区)
参加人数
55名(会場受講生26名、オンライン受講生19名、ゲスト2名、講師・実行委員8名)
共催
日本財団 海と日本プロジェクト
後援
横浜市、海洋都市横浜うみ協議会

イベントのもよう

今回の講師はIT企業経営者でありおさかなマイスターアドバイザーの山形和弥(やまがたかずや)さん。まずは、経歴の紹介からお話しいただきました。学生時代に今は使われていない80カラムの紙カードへコンピュータのデータを書き込むアルバイトをしていたそうです。そして在学中に仲間と勢いで起業したとのこと。社会に必要なコンピュータ関連の基本業務を担う会社にしようとベーシックサービスという言葉を社名に使ったと自己紹介されていました。なんと今年45期目と言う株式会社マイトベーシックサービス 代表取締役社長です。
とはいえ、当時(45年前)は起業のマニュアルなどありません。図書館で調べ、資本金を友人知人からかき集め、届出機関で呆れられながら登記を完了。そしてハンコ屋さんでは代表印の値段が想像以上に高く驚いたことを懐かしそうにお話しされていました。その時作った一番安いツゲの印鑑はすり減りながらもまだ使われているそうです。また当時珍しい学生起業家は事務所を借りるのも信用されずに苦労されたと仰ってました(卒業した大学OBが経営するビルを見つけようやく入居できたとか)。

起業前のアルバイト時代に培った人脈(先輩や取引先)が起業後の会社を支えてくれたそうです。コンピュータ関係を本業としていたのですが、取引先のご縁から漁業関係の会社とお付き合いが始まりました。その時「水産関係のお仕事は派手さはないけれど、関係を大切にしなさい」と先輩にアドバイスされ、それが今でも続いているそうです。そして情報入力の委託業務だけのお付き合いではなくもっと関係を深めようと思ったものの、水産の専門家が自分を含め社内にいないため当時の築地市場周辺で情報を集め「おさかなマイスターアドバイザー」の資格を取得したそうです。併せて水産関係の会社や団体のデータ化のお手伝いをさせてもらい水産業界での業務が拡大してきたとのこと。おさかなマイスターアドバイザー認定式で生まれた新たな出会いも活動の広がりにつながっています。

本業拡大のために始めた勉強から取得することになった「おさかなマイスターアドバイザー」も自身の活動として大切にしていて、今でも小学生への出前授業で煮干しの解剖を続けています。当日も煮干しの解剖図が配布されました。そうそう、煮干しと言ってもさまざまな産地があるわけですが、なんと日本では瀬戸内海にある伊吹島で作られる煮干しがいちばん美味しい!ではなくて解剖しやすい!のだそうです(もちろん美味しいです)。いい煮干しの条件は脂が少ないことだと説明がありました。もともと脂分の多いカタクチイワシは、脂イワシと言って煮干しには加工しないそうです。伊吹島の煮干しがおいしく解剖にも良い理由は脂分の少ないカタクチイワシを漁業者が見極めて網で漁獲し、すぐに加工所に持ち込み、茹でたのち乾燥させ、いち早く煮干しにしているからだそうです。講師は漁業者がカタクチイワシを漁獲するとき脱糞後の魚群を選別して漁獲してるのではないかと考えているようです。それは国内産製造のイナゴの佃煮がおいしい理由の一つである捕獲後脱糞させてから加工している方法と共通していると語っていました。最近流行りの魚介系ラーメンも煮干しの研究も同様に美味しい煮干し選びから始まり奥が深いそうです。

先述の「おさかなマイスターアドバイザー」の活動の際にはマイスターのピンズ着用(他にネクタイ、エプロン)が義務付けられており、そこから好きになったさまざまなピンズのコレクションもされています。「タイのタイ(タイの胸ビレの中にあるタイの形をした骨)のピンズ」などちょっと変わったものをお仕事の場に出向く時にも着用していくとお客様との会話のきっかけになったりするようです(10個からオーダーできるそう)。講師のコレクションの一部がスライドで投影されました。他にも万年筆が大好きだけれど、高価なものを持ち歩くことを嫌ってわざわざレプリカを入手しているとか、それをお客様に見破られてさらに会話が進むとか、なかなかのマニアぶりを発揮されています。
「唐突ですが、ここで質問です」と講師が漢字のスライドを。講師からマニアなクイズと豆知識の連続です。ここにいる大人は読めますよね?この漢字「鰯、鮭、鮎、鱈、鯵、鯖、鰹、鮪、河豚、翻車魚」「さけ」はシャケって読まないでくださいね!「ふぐ」ですよ「イルカ(海豚)」ではありませんよ!「まんぼう」…実は大人でも読めない人が多いです。ちなみに小腸が美味しいですよ。
そしてこの漢字クイズにはもう一つの意味があり、魚として進化の古い順に並んでいるそう。イワシは魚の進化では古くからいる魚でその特徴が骨の多さなのだそうです。「まんぼう」はニュータイプなんですね。

おさかなマイスターは「魚食の減少」を社会課題として捉え活動をしています。いつでも同じ魚がスーパーに並んでいるため、旬の魚を食べる習慣が少なくなっていることは少し残念だと話してくれました。また共働き家庭が増えているため、切身での購入が減っているのも原因の一つのよう。さらにキッチンで煙モクモクとさんまを焼くのは大変ですよね。それでもさんまの塩焼きの美味しさをぜひ生活に取り戻してほしいと語ります。講座の最後にもマニアなクイズがありました。カツオの体にある模様は縦じま?横じま?(答え:背骨に沿っているので縦じまです)、マグロが高速で泳ぎ続ける理由は?(答え:呼吸のためでもあるけれど、浮力のため)、ハリセンボンの針は本当に千本?(答え:実は350本くらいらしい)。
講座の中では他にも、昭和の映画を掘り起こし紹介する活動を地元横浜・野毛の劇場やお店とタイアップして行なったり、今回の講座会場(象の鼻テラス)でも行ったりと多岐にわたるマニアな人生に触れることができました。
今回レポーターが素晴らしいと思ったのは、本業の営業活動の中で「これ」と思ったことは手放さず大事に深掘りして行くこと、活動に「本業はこれだから」という制限をかけていないこと、また出会ったご縁を大切にすること(ご本人は御用聞き営業と謙遜されていますが)でした。
受講生たちも「海族(うみぞく)」になるための良い参考と刺激になったようで質疑応答終了後も講師を囲んで会話が弾んでいました。

参加者の声

・お話が楽しくてあっというに終了時間が来てしまった
・魚の解剖と聞いて生魚だと思っていたらニボシで驚いた(楽しそう)

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:55人