【海と食育 魚釣り教室と生き物観察会 第1回~第5回】を開催しました!
一般社団法人IKUHART企画は、播磨灘の海と環境を考え体験する事業として令和6年5月〜11月に兵庫県淡路市富島の富島漁港内で「海と食育 魚釣り教室と生き物観察会」を開催。魚釣り教室や生き物観察会などに多くの方が参加して楽しみました。
2024.12.26

一般社団法人IKUHART企画は、播磨灘の海と環境を考え体験する事業として、令和6年5月から11月にかけて、兵庫県淡路市富島の富島漁港内で、<海と食育 魚釣り教室と生き物観察会>を開催いたしました。
このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
開催概要
海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
魚釣り教室 海と環境の勉強、岸壁でサビキ釣り
生き物観察会 タッチプールや生け簀を使って、魚介類を見て触れて学ぶ
食育 魚介類を調理して、焼いて食べる
日程
2024年
第1回 5月11日(土)
第2回 6月8日(土)
第3回 7月6日(土)
第4回 10月5日(土)
第5回 11月2日(土)
開催場所
兵庫県淡路市富島 富島漁港
参加人数
231名
後援
淡路市、淡路市教育委員会
協力団体
富島漁業協同組合、北淡子育てネットワーク推進協議会
第1回 5月11日(土) 海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
淡路市富島の富島漁港で開催した第1回魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、洲本市、南あわじ市、明石市、播磨町からたくさんの方が参加してくれました。開会のあいさつの後、今年度からスタッフに加わった河村さんがリールや竿の使い方、糸の通し方、サビキ釣りの仕掛けの付け方、かごに餌を入れる方法などを丁寧に説明して、すべてのご家族に寄り添った指導をしてくれます。元有名釣り具メーカー出身で魚釣りが大好きで淡路島に移住してきた方です。強力なスタッフに恵まれて、今年度の魚釣り教室はさらによいプログラムになりそうです。参加者にレンタルしている物は、釣り竿セット、サビキ釣り仕掛けセット、解凍したアミエビ、サビキ釣り用の吸い込みバケツ、糸切りはさみ、水汲みバケツ、魚つかみはさみなど。そして魚釣りの手引きとして資料を配付しています。また、漁港の岸壁で活動するので、子どもたちには、必ずライフジャケットを着用してもらいます。
春は魚も小さく釣り針を一番小さな3号と4号を用意したのですが、なかなか食い渋っていました。30分を過ぎたあたりで、拡声器で子どもたちに声をかけて、2日前に漁港内に漁協の許可を得て仕掛けた5つのかごを上げました。1つめのかごに大きな真たこが入っていたので子どもも大人も大歓声で、子どもたちは海に逃げようとするたこを捕まえて市場内の水槽に運び、大人たちはスマホでその様子を撮影して楽しんでいました。他のかごにもたくさんの魚が入っていたので、子どもたちは大喜びでした。
後半は、富島漁協が用意してくれた魚を調理して、塩焼きで食べました。この時期のサビキ釣りでの釣果は厳しいですが、定置網では鯛など多くの魚が獲れています。去年に続き、今年も参加者数に合わせてひとり1匹以上の魚を用意してくれる漁協の皆さまにはいつも心から感謝しています。

第2回 6月8日(土) 海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
淡路市富島の富島漁港で開催した第2回魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、洲本市、神戸市からたくさんの方が参加してくれました。参加募集数を30名にしていますが、すぐに定員に達してしまうので今回も40名を超える参加者を受け入れました。2年目の事業ですが、地元の皆さまが子どもたちが集まるイベントに気持ちよく笑顔で協力をしてくれますので、参加者の皆さまも安心して楽しまれている様子が伺えます。さらに口コミでよい評判が伝わっているそうです。この地域は30年前に野島断層が2m近く動いた大震災で甚大な被害がありました。現在は皆さまからのご支援のおかげで区画整理なども進み、美しく復興を成し遂げています。ただ富島地区の現状は過疎化高齢化が進んでおり人口は当時の5分の1と聞きます。それだけに地元の皆さまは、富島に来てくれる参加者を大切にしてくれるので、スタッフの皆さんも期待に応えてかなりハードワークな事業をよくがんばってくれています。
今回も魚釣り、仕掛けたかごを引き上げたあと、魚の調理教室を開催しました。スタッフも2年目となり作業場所、包丁、まな板などの設置も手際よく準備してくれます。小さな子どもはうろこ取り、小学生以上の子どもは活きたさかなの締め方とさばき方を教わります。こちらも人気のプログラムなので、大人も魚の締め方やさばき方を経験したいようですが、順番がなかなか回ってこなくて、毎回子どもたちだけでやり遂げてくれます。市場内はたくさんの生け簀や大量の海水を流すことができ、魚のうろこやアラが飛び散っても簡単に洗い流せるので、思い切った活動ができます。土曜日は漁も市場も休みなので、この場所を自由に使わせてもらえることはとても有り難いことです。調理して切った魚はバットに入れて、BBQコンロ2台の焼き場まで運んで、塩焼きにして食べました。
毎回参加者から聞こえてくる話ですが、家ではまったく魚を食べない子どもが、こちらの活動では何度もおかわりするほど魚を食べてくれるそうです。保護者からどうしてでしょうか?と聞かれるのですが、どのスタッフも明確な回答ができていません。とても嬉しいお声ですが、どうしてなんでしょうかね。そんなお声を聞きながら、今回もスタッフの皆さんは片付けまでしっかりとやり遂げてくれました。

第3回 7月6日(土) 海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
淡路市富島の富島漁港で開催した第3回魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、神戸市、播磨町、大阪市、海外からたくさんの方が参加してくれました。今年度もチラシを5000部作成して兵庫県内、淡路島3市の公共施設に配布しています。今年は案内して1週間程度ですべての開催日で定員に達しました。なんと今回は夏休みに合わせて海外から帰国された3家族のご参加もありました。口コミの評判でイベントを知って申し込みされたと聞きました。活きた鯛を調理する体験はとても感動されたようで、母と子で何匹も調理に挑戦していました。さらに、この春から参加してくれている複数のスタッフもだんだん慣れてきて、参加者に対する接し方も向上し、安心した運営が継続出来るようになっています。
潮見表で開催日をよく釣れる予想の大潮の日を設定していますが、今年はなかなか食い渋りが続いています。針を小さくしているので、この日のサビキ釣りでは小さなふぐなどがたくさん釣れ、子どもたちは生け簀に泳がせて観察したり、手に乗せてふぐか膨らむ様子などを楽しんでいました。今年は漁港内で食べることができる魚がたくさん釣れて持ち帰るという釣果に恵まれていません。富島の沖合は、今年はたこバブルと言われるほど真たこが豊漁で、京阪神や四国からプレジャーボートが連日200隻近く集まってたこ釣りを楽しんでいます。海と環境は年々変化があり地元の漁師さんでもわからないと言います。
この事業では毎回しおりを配っています。しおりには、釣り竿、リールの使い方、サビキ釣りの方法、淡路島で釣れる魚の種類と画像などが掲載されています。また、海と環境を美しく保ちましょうとの願いから、ごみの処理や釣り場での注意点なども掲載しています。イベント後は、ごみはもちろんのこと、釣り針ひとつ落ちてなくて、参加者に良い啓発活動が出来ていることも感じます。スタッフも活動後に必ず漁港内と市場内の清掃活動を実施しており、富島漁業協同組合からいつもありがとうの言葉をもらっています。

第4回 10月5日(土) 海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
淡路市富島の富島漁港で開催した第4回魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、南あわじ市、神戸市、大阪市からたくさんの方が参加してくれました。今回も申し込み多数で40名を超える参加者を受け入れました。参加者の内訳ですが、開催当初は淡路島島外や淡路島に移住してきたご家族の参加が多い傾向にありました。回を重ねる毎に地元のご家族の参加が増えてきたことが嬉しい傾向です。この夏は、他の場所でも魚釣り教室と生き物観察会の事業を開催できないかと考えて、今まで海と環境の事業やビーチクリーン活動などでお世話になった数カ所の漁業組合を訪問しました。基本、漁港は仕事場なので一般の客をうろうろさせたくない。漁港内はどこも原則として釣り禁止なので許可できないなど、納得できる理由ですべての場所で断られました。唯一、富島漁港内で継続出来ている協力者のおひとりは、地元海鮮料理屋いちじろうの坂部さんです。人気のプログラムになったかごの仕掛けを5つも用意してくれて、漁協からかごの利用の許可も取ってくれました。この日は開店前で忙しい中、サビキの仕掛けや魚釣りを手伝ってくれたり、別の日には無人島キャンプにスタッフで参加してくれたりと、この事業が地元で受け入れられているのは坂部さんのお陰でもあります。坂部さんの声かけで、地元の魚屋魚増鮮魚の社長や海鮮料理屋兵部の店主などもさかなのさばき方教室を手伝ってくれています。
今回のサビキ釣りは魚釣り開始直後は食い渋ってましたが、海中に撒いたエサのアミエビが魚の群れを呼び込んだようで、後半から小あじや小鯖が鈴なりに爆釣れして、皆さん魚を針から外すのに大忙しで参加者全員が2桁以上の釣果を楽しみました。魚釣り教室を楽しんで、参加者の皆さんと一緒に魚介類を調理して塩焼きにして振る舞いました。おにぎりと飲み物の持参だけで参加して昼食までありますので、参加者の皆さまは昼から淡路島観光を計画して楽しまれるようです。サビキ釣りは春の釣果は厳しく、秋以降の釣果が良さそうなので、来年の春は、魚つかみ取り体験と生き物観察会の開催にしたらどうかと地元定置網の漁師の親方と漁業協同組合の職員の方から良きアドバイスがありました。

第5回 11月2日(土) 海と食育 魚釣り教室と生き物観察会
淡路市富島の富島漁港で開催した第5回魚釣り教室と生き物観察会に、淡路市、洲本市、南あわじ市、神戸市からたくさんの方が参加してくれました。秋も深まり今回も鈴なりの釣果を期待していたのですが、この日は強い西風でしたので、海面は波立ち魚釣りは厳しい結果となりました。そんなときは仕掛けたかごに期待です。今回は、富島漁業協同組合の地元漁師で理事の田中さんが、かごを仕掛ける前にすべての穴を修繕してくれたので、小さな魚も逃げることなく獲ることができました。今年度は淡路市役所と神戸新聞からこの事業の取材依頼があったので、理事の田中さんに取材を受けてもらいました。淡路市の全世帯配布の広報誌に名前と画像が掲載されましたので、どこへ行っても良いことしてるな~と話題に出たようです。
引き上げたかごには、いつも入っているガシラやホウボウなどの根魚以外に、今回はワタリガニや台湾かになども入っていたので子どもたちは大喜びでした。かにを青いバケツで運んで水槽に入れ、観察したり触ったりして生き物観察を楽しみました。この日の一番人気はかにでした。あと驚きと悲しい話は海鵜がかごに入ってしまって息絶えていたことです。海鵜は海に沈んでいくので、子どもたちと手を合わせて海へ戻しました。様々な感情があったと思いますが、これも生き物観察会での学びだと思います。

参加者の皆さまからの感想と今後の展望
昨年度と今年度で11回の魚釣り教室と生き物観察会を終えました。毎回、よい体験でした。楽しかった。美味しかった。また必ず参加しますなどの高評価をもらっています。そのような嬉しい感想を聞く中で、今回はスタッフが受け取って嬉しかった画像を2点紹介します。

神戸市から参加の小学生のお子さんは、自宅でも率先して真鯛を捌いて塩焼きに調理しているそうです。都会育ちなので魚はスーパーの切り身しか見たことがなかったそうで、イベントに参加したことがきっかけになり体験から経験となってくれていることは、スタッフ一同とても喜んでいます。
関東から淡路市へ移住してきたご家族で参加してくれている年長6歳のお子さんは、お父さんが釣ってくる魚を捌いてくれるようになったそうです。今回はたくさんのアジを捌いたとの連絡と画像を受けたので驚きもありスタッフ内で情報を共有しました。
淡路島は海に囲まれているので海を眺めることはしますが、海水浴や魚釣りなど海に親しむという体験活動などの海離れは顕著になっています。来年度以降も海に親しむ入口として体験活動の実施を継続したいと思います。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:231人