川遊びや人々の暮らしの見学を通して山から海へ下る水の一滴を自ら体感する、「【おいしい流域】みず:檜原村 源流の冷たい水は、海からやってきた。」を開催しました!
一般社団法人 おいしい未来研究所は、「【おいしい流域】みず:檜原村 源流の冷たい水は、海からやってきた。」を開催。川遊びや川の支流と本流の合流地点の観察、人々の水にまつわる神事を学ぶことなどを通して山から海までの繋がりについて学びました。
2024.08.14
一般社団法人 おいしい未来研究所は、川遊びや川の支流と本流の合流地点の観察、人々の水にまつわる神事を学ぶことなどを通して山から海までの繋がりについて学ぶ、「【おいしい流域】みず:檜原村 源流の冷たい水は、海からやってきた。」を2024年7月30日(火)に開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
山から海までのつながりを「食べること」を通して学ぶ「おいしい流域」プロジェクトの第一回目。水の路がスタートする山では、水の循環システムの仕組みや、山が水に与える影響、秋川および多摩川水系について学びます。イベントで学んだことを体験を通して実感し、日常生活に戻った際に川が自分の生活にどのように接続しているのか考えるきっかけにすることを目的としています。
日程
2024年7月30日(火)
開催場所
東京都 檜原村 秋川
参加人数
14名
集合後さっそく秋川へ、河原で講義とランチ
講師のジンケンさんからは、水の循環の仕組みと多摩川水系についてお話していただきました。水は循環しています。ジンケンさんの「水はどこからきたの?」という質問に、子どもたちから「山!」という声が上がりました。正解です!でも、山からきた水は、実は海からきました。海に溜まっている水が蒸発して雲になる。雲になって雨を降らせます。陸に降った雨が川になるのですが、実は日本の国土の約7割は森や山です。そのため、陸地に降る雨のほとんどは山に降り、それが染み出してきて川になっています。そうして水は海に戻っていきます。このように、地球ができた時から水はぐるぐる回っていて、この循環の中に人間の生活があるということをお話していただきました。
講師の清田さんからは、木が森に与える影響についてお話していただきました。春になると、山に生えている木々が葉を出し花を咲かせるために、多くの水を山から吸い上げるため川の水位が減ります。そうすると山も乾燥して、山火事が起きやすくなります。木が森に与える影響はとても大きなものだということを学びました。
講義でたくさん学んだあとは、川辺でお昼ごはんの時間です。メニューは、檜原村の沢水で炊いたお米の塩おにぎり、沢水といりこで出汁をとったお味噌汁、ゆで卵、川の水で冷やした地域の夏野菜(トマトときゅうり)をみんなで囲みました。どれも水のよさがよくわかる、シンプルでおいしい料理でした。
お稲荷さんの見学と400年続く檜原村の五穀豊穣の神事をたどりました。
檜原村の役場付近の階段下に佇むお稲荷さんと湧水スポットを見学しました。隣接する春日神社では400年も続く「おとう神事」という天下泰平・五穀豊穣・無病息災を祈願する行事が行われます。
毎年3月1日に、参加者は南秋川で身体を清め、春日神社内で火打ち石により火を起こし、湧水で米を炊き、神に捧げます。400年もの間、「水」が檜原村の人々にとって大切なものであることを実感する祭り事のお話を春日神社にて講師のジンケンさんからお伺いしました。
また、同じく講師の清田直博さんにご案内をいただき階段をくだると、そこには東京都とは思えない清流と崖が広がっていました。参加者からは、「きれい!」「川の底が見える!」といった声が上がりました。実際に触ってみると、想像以上に水が冷たいことに驚く方が多くいました。
あたりのひんやりとした空気を感じ、水が澄んでいる様子に気づくことで、地域の人々から長い間この川が「身を清めるもの」として扱われてきた理由がよくわかりました。日常生活の中に水が大切にされてきている檜原村の話を聞くことで、日常生活に戻った際に自分自身がどのように水に接するのか考えてもらえるきっかけになることを期待しています。
川の合流地点の観察、川遊びを通して水の旅路を体験しました。
山から海の繋がりを学ぶ中で、「川」のことを切り出して知る機会は意外と多くありません。「おいしい流域」第一回目の本イベントでは、そもそも川や水の循環システムがどのような仕組みであるのか。都市河川としての多摩川の特徴などについて講義を聞いた後は体験として学ぶツアー設計としています。
後半の体験コンテンツでは、支流の沢から秋川本流に合流する地点の見学および川遊びをし、講義で学んだことを参加者と共に体験しました。
合流地点の見学中まさに雨が降り出し、親子参加者は「雨が降って、山にしみこんで、沢に流れて、川と合流する様子を見れて面白い! 全部繋がってるんだ!」と声を上げていました。
川遊びでは、森の中に流れる秋川に入り、森から流れる川の水の冷たさや水の流れを実際に体感しました。参加者の子どもたちからは、「水つめた〜い!」「楽しい!」といった声が多く聞かれました。川遊びを通して年齢の壁を超えて打ち解けていき、一部チューブを使って川流しをしたりと、大人も童心に返り川遊びを楽しみました。
参加した子ども・保護者からの声
「次の日に学校休んで川に行きたい!」「川遊び楽しかった!」といった子どもたちの声
「水の姿は七変化〜」と歌っている子どもたちの姿
「雨が降って、山にしみこんで、沢に流れて、川と合流する様子を見れて面白い!全部繋がってるんだ!」という子どもたちの発見の声
「実際に体験することで、水って回ってるんだっていうことをより実感できた! 子どもたちに、遊びながらも普段気づけないことを学んでもらえてよかった」という保護者からの声
今回の講義で実際に水の冷たさや美味しさ、また様々な形の水を体感することで、皆さんにとって水の存在がこれまで以上に身近なものとなった様子が伝わってきました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:14人