何でも丸のみ!深海魚「ミズウオ」のお腹の中には何がある?ミズウオの解剖教室を開催しました!
対象しずおか海洋ごみゼロ対策プロジェクト実行委員会は、11月20日(土)東海大学海洋科学博物館にて、小学生親子20組40名を対象にミズウオの解剖教室を開催しました。
2022.02.15
しずおか海洋ごみゼロ対策プロジェクト実行委員会は、11月20日(土)東海大学海洋科学博物館にて、小学生親子20組40名を対象にミズウオの解剖教室を開催しました。イベントでは、なんでも丸呑みにしてしまう深海魚ミズウオの解剖を通して、海の生態系や深海の世界がいまどんな状況になっているか一緒に学び、自分たちにできることを考えました。
このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
開催概要
ミズウオの解剖を通して、海の生態系や深海についての学習教室を開催。
日程
2021年11月20日(土)14:00~16:00
開催場所
東海大学海洋科学博物館
参加人数
親子20組40名
海洋ごみ問題の現状
イベントでは、東海大学海洋学部博物館学芸員の手塚覚夫氏を講師としてお招きし、いま世界中で問題視されている海洋ごみ問題を身近な例を使ってわかりやすく説明いただきました。
日本は近年人口減少が問題となっていますが、世界的にみると人口は年々増加している傾向にあり、50年後には世界人口が100億人になると予想されています。人口が増加することにより食べものや水、エネルギーの問題などが出てくることが予測されており、そのなかでも一番の問題はごみ問題だと言われています。海岸には自然から生まれた漂着物のみならず、悲しいことに人が作り出したごみがたくさん落ちています。さらには私たちには見えない深海の世界にもたくさんのごみが浮遊しているそうです。
講演を聞いた後は、近くの海岸に出て実際にどんな漂着物があるか調査に行きました。流木や生き物の抜け殻など自然から発生したものも多くありましたが、プラスチックの破片や発泡スチロールなど人間が作り出したごみもたくさん落ちていました。最近は特にマスクのごみが多いそうです。子どもたちは海岸に取り残されてしまったごみを目の当たりにし、身近な海でも海洋ごみ問題は深刻化していると実感し、自分たちにできることはなにか真剣に考えていました。
ミズウオのお腹の中から出てきたものとは・・・?
深海魚ミズウオは、鋭い歯を持ちながら目の前にきたものはなんでも丸呑みにしてしまいます。丸呑みにするから食べたものがそのままの形で胃の中に残ります。今回解剖したミズウオの胃の中からは、イカやプランクトンが出てきました。手塚先生によると近年解剖するほとんどのミズウオから海洋ごみが出てきてしまい、今回のように人工物を誤って食べていないミズウオはきわめて稀だと言います。人が作り出したごみが海の生き物たちに悪影響を与えてしまっていることが分かります。
東海大学海洋学部では1964年から海洋汚染の現状などを調べるためにミズウオの解剖を行っています。手塚氏によると、1964年から1983年までに解剖したミズウオのうち胃の中にごみなどが残っていたのは62.2%でしたが、2001年から2019年の間に解剖したミズウオは71.9%の確率でごみを餌だと思って誤って食べてしまっているということが研究から分かっており、残念なことに海に流れ出るごみが年々増え続けていると言えます。
海の底に沈んでしまったごみをすべて拾い集めることは簡単なことではありません。しかし、これ以上海にごみを出さないために1人ひとりの行動を変えていくことが大切です。きれいな海を未来に引き継ぐために、そして大切な海の恵みを守っていくために、これからの生活のあり方を考えるイベントとなりました。
参加者からの声(アンケートより)
⼩学3年⽣⼥⼦
「ミズウオや海の魚たちにごみがえいきょうしていると知ったので、これからはプラスチックごみをなるべく出さないためにマイバックを利用しようと思った。」
⼩学4年⽣男⼦
「今日のイベントでミズウオにはごみがはいっていなかったけど、海岸にはたくさんごみがあって、これからごみ拾いをしたりごみをへらしたいと感じました。」
⼩学3年⽣⼥⼦保護者
「コロナでなかなか外に出れずにいた日々。よく海を見に来ていました。今日の授業でまた海が好きになりました。きれいな海保ちたいです。」
⼩学5年⽣男⼦保護者
「今回のミズウオはエサであるものを食べ幸せに生きていたんだな良かったなと思いました。他の生き物たちもみんなが幸せであるべき姿で生きていける世界になってほしいし、していきたいと思いました。」
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:40人