世界自然遺産「屋久島」で地元の小学生が森とつながる豊かな海を学ぶ!『われはうみの子探検隊~世界自然遺産の海~』を開催しました!
海と日本PROJECTin鹿児島実行委員会は、小学5・6年生20人を対象に2021年10月16日と17日の1泊2日の2日間で世界自然遺産の森とつながる豊かな海をについて学ぶワークショップ「われはうみの子探検隊~世界自然遺産の海~」を開催いたしました。
2021.11.16
海と日本PROJECTin鹿児島実行委員会は、小学5・6年生20人を対象に2021年10月16日と17日の1泊2日の2日間で世界自然遺産の森とつながる豊かな海をについて学ぶワークショップ「われはうみの子探検隊~世界自然遺産の海~」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
子供たちに、世界自然遺産の島「屋久島」に渡ってもらい、森と海がつながる自然を学び、海でのアクティビティや、海の恵みを探す体験を行います。また、人々が大切に守る世界自然遺産の島でもおこる海洋環境の変化も学びました。
日程
2021年10月16日・17日
開催場所
屋久島環境文化センター
参加人数
小学5・6年生19名
協力団体
鹿児島大学、屋久島環境文化研修センター、屋久島環境文化村センター、屋久島ブルーツーリズム、推進協議会 うお泊やくしま、鹿児島大学ウミガメ研究会
屋久島の自然環境を知ろう!
今回の「われはうみの子探検隊~世界自然遺産の海~」では、子供たちに、森と海がつながる自然を学び、海でのアクティビティや、海の恵みを探す体験、人々が大切に守る世界自然遺産の島でもおこる海洋環境の変化も学んでもらい、その学びを鹿児島県内に発信・周知することを目的として実施しました。
1日目の最初は、屋久島の実地体験を前に、田代海岸に向かい、座学にて、森と川と海のつながり、海の生態系が形成されることについて学びました。環境問題について知り、海温変化による海藻と魚の分布の変化も学び、世界自然遺産の海の変化から、浮かび上がる問題をまずは基礎知識として考えてもらいました。
屋久島の大自然「世界一笹川杉」と「淀川」を通じで学ぶ実地体験!
実地体験では、「世界一笹川杉」と「淀川」を見に行くために、淀川に向けて登山を行い、屋久島研修センターの講師からの説明もまじえ、屋久島の自然観察を通じて、森が水を通じて川、海とつながっていることを実際に体感してもらいました。笹川杉周辺に注目してみてみると、コケが水を蓄え、滴っている様子を見ることができます。これは、コケが水を蓄え、落ちる様子を経て、栄養が染み出している様子です。
小学5年生の女の子は「コケに栄養がしみでている様子や、川の源流をみてここから海へとつながっているのかと、自然のすごさを感じました。山の寒さや森のにおいなどを感じたり、途中鹿や猿に出会ったり、写真でみたことはあっても、実際に体験しないとわからないことばかりでとてもいい体験になりました」と感想を述べ、子供たちは、実際にここで養分が滴る様子を目にし、海と森は養分でつながっているということに気づき、大自然の偉大さを感じている様子でした。
タイドプールの生き物観察!
淀川登山後、屋久島環境文化研修センターへ移動し、海の中でも川からの栄養分供給が豊富なタイドプールと呼ばれる、海水が引く干潮時に磯など、岩のすきまにできる水たまり内の生き物の観察を行いました。沿岸部は、特に生産性が高く、生き物が特に多いエリアとなっており、タイドプールで観察できた生き物をスケッチしたり、海水をアクリルケースに入れて「動物性プランクトン」の確認を行ったりなど、講師からの講和も交え、生き物や藻場の形成につながることを学びました。
顕微鏡を使っての観察も行い、目に見えるサイズの動物性プランクトンから、顕微鏡を通さないとみえないサイズの植物性プランクトンを確認しました。小学5年生の男の子は「大きな川でも、はじめはすごく小さいことに驚きました。コップ一杯のタイドプールの水の中には、たくさんの生き物が住んでいて、自然のすごさが思っていた以上でした。」と話しました。タイドプールにはたくさんの森の養分が含まれていることを知り、森からの栄養の多さに驚いている様子でした。ラジオ中継で子供たちから今回の屋久島での様子を伝えてもらうなど、まとめ学習を行い、1日目は終了しました。
かつてトビウオ水揚げ日本一 大自然「屋久島」の恵み
2日目は、世界自然遺産の島で生まれる「海の恵み」について学んでもらいました。かつてトビウオの水揚げ日本一屋久島の海におきている変化に気付いてもらうべく、トッピーの森ゲストハウスに向かいました。トッピーの森ゲストハウスでは、屋久島ブルーツーリズム推進協議会 うお泊やくしまの方にお越しいただき、トビウオクイズや、地場産業飛魚さばき見学・炭火焼加工体験を行いました。屋久島のトビウオの歴史や、製法の見学を通じて、世界自然遺産の海でも起こっている海洋環境変化を学び、藻場の減少が環境に与える影響が大きいことを理解した様子でした。海洋生物に欠かせない藻場の変化への気付きから、海に思いをはせてもらいました。
海・川・山のすべてがこんなに近い距離にあるのは屋久島ならではの環境です。島のほとんどが森林で、山がたくさんあり、川の数も多く、海と山が近い屋久島は、海からの水蒸気が山に当たって雲に変わり、雨がたくさん降り、その雨が森を育てて海に流れ、海藻やプランクトンを育てます。山や森からの栄養は、川・里・海をめぐりながら、さまざまな生き物を育てているということも分かりました。
森と海の恵みのコラボ 屋久サバやトビウオを使った特産品づくりにも挑戦!
屋久島環境文化研修センターでは、森、川、海の恵みである食について学びながら、屋久島の特産品である飛魚を使った料理教室を実施し、世界自然遺産の海の恩恵を享受する体験を行いました。屋久島漁協とお魚マイスターアドバイザーの川東繭右さん指導のもと、トビウオミンチの春巻きやさば節おにぎりのレシピを学び、特産品作りを体験しました。作った料理と、森と海の恵みがたっぷりのお弁当を昼食に食べ、屋久島の大自然の恵みを堪能しました。年内、鹿児島県に流通するスーパー城山ストアーとコラボレーションし、包装紙裏面に子供達の作文を掲載するなど、特産品である飛魚を使い、海を感じることができる「海のごちそう弁当」を開発し、県内の城山ストアー店舗で販売予定です。
屋久島で学んだ2日間!
2日間で学んだ海へとつながる自然の大切さと、豊かな海の未来を守るためにできることを、まとめ学習し、作文にまとめてもらいました。
小学6年生の男の子は「はじめに、海と山はつながっているんだよと言われてとても驚きました。海と山はとても離れているのになぜだろうとすごく不思議でしたが、山も海も環境の変化が起きていて、1つを守るだけではだめなことがすごく考えさせられました。自然の美しさや、人間が環境に与えている被害も分かり、これから自分が気をつけていかないといけないことも分かりました」と話していました。
2日間の体験を通して、海の未来を考えるにあたって、森と海がつながっている事を学んでもらいました。全ての環境を守る事や、大切に思う事が、海の未来に繋がっているというこということをわれはうみの子探検隊の子供たちに実感してもらうことができました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:19人