海洋ごみのない未来へ!特別番組【海のキッズサポーターの 美ら海守ろう大作戦】を放送しました! 【放送】2022年3月6日 15時~
美らビーチクリーンプロジェクト実行委員会は、沖縄の海洋ごみ問題について「海のキッズサポーター」とともに解決策を考える特別番組「海のキッズサポーターの 美ら海守ろう大作戦」を放送しました。
2022.04.07
美らビーチクリーンプロジェクト実行委員会は、沖縄の海洋ごみ問題について「海のキッズサポーター」とともに解決策を考える特別番組「海のキッズサポーターの 美ら海守ろう大作戦」を放送しました。
専門家から沖縄に流れ着く漂着ごみの現状と課題、そして生物への影響などを学んだキッズサポーター2人が、常識にとらわれない独創的な解決策をスタジオでプレゼンし、海洋ごみのない未来の沖縄の姿を探りました。
この番組は、日本財団が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で放送したものです。
番組概要
年々深刻化する海のごみ問題。海のごみはどこからやってくるの?大切な生き物への影響は?美しい海を守ろうと活動する「海のキッズサポーター」が調査員となって専門家を直撃!海洋ごみ問題の現状と課題を学んだ子どもたちが導き出した解決策とは?
放送日時
2022年3月6日(日)15:00〜15:30
放送エリア
沖縄県内
出演者(敬称略)
海のキッズサポーター 由利あかり、田中獅礼
日本財団 常務理事 海野光行
パーラナイサーラナイ 知念臣悟、大田享
RBCアナウンサー 仲村美涼
キッズサポーターが専門家を直撃!
番組のテーマは①漂着ごみの現状と課題、②マイクロプラスチックが生物に与える影響。世界が、全国が、そして沖縄が直面している大きな問題です。
漂着ごみの現状について学んだのは、宜野座村立松田小学校4年の田中獅礼くん。沖縄県内の海岸で漂着ごみについて調査・研究を続けている日本エヌ・ユー・エスの野上大介先生から、北風が吹く冬の時期に多くのごみが流れ着く沖縄の特徴を教わりました。海外からの漂着ごみが多い沖縄ですが、私たちの日常生活から出されるごみが、黒潮に乗ってハワイなど外国にも流れ着いている現状があります。「海洋ごみ問題に一方的な加害者も被害者もいない」。野上先生の言葉がとても印象に残った様子でした。
海の生物が大好きだという那覇市立壺屋小学校5年の由利あかりさん。プラスチックごみがどう海の生物に影響を及ぼしているのか、沖縄県立芸術大学の藤田喜久教授から学びました。長年、風雨や紫外線にさらされたプラスチックはやがて微細なマイクロプラスチックとなり、それを食べてしまった生き物たちの体内から見つかっていることが、これまでの研究で分かっています。こうした生き物を私たちが口にした時、プラスチックに含まれる色素など様々な成分が、将来的に人体にどう影響するかなど詳しくは分かっていないそうです。研究が進んだ時にはすでに手遅れになっている可能性があり、だからこそ、ごみを減らすだけでなく、ごみを出さない工夫を人類の課題として取り組む必要があるという説明に、真剣に耳を傾けていました。
専門家から海洋ごみ問題の現状を学んだキッズサポーターの2人。どうやったら大切な海を守れるのか。常識にとらわれない自由な発想で導き出した答えとは?
発想は無限大!独創的な解決策を披露!
さて、いよいよスタジオでのプレゼンタイムです。田中くんが発表した「ごみ回収機アリストテレス号」は、世界中の海底に沈んでいる大量のごみを回収するために考え出されたハイテク乗り物です。海水・風力発電を動力に、ごみの分別機能を備えていて、誤って魚たちを吸い込んでしまっても生きたまま外へ排出できる、環境にも生き物にもやさしい田中くんの思いやりの詰まった作品です。圧巻だったのは、回収機のイラストに加えて、手作りの模型まで制作してくれたこと!スタジオの海野常務からは、水中ドローンが実際に使われ始めていることや、AI(人工知能)の進展に伴い実現可能性が非常に高くなってくるのではと、期待が寄せられました。
続いて由利さんは、どうしたら私たちの住む街からごみがなくなるのか、物語風に解決策を考えてくれました。舞台は地球から遠い惑星にある架空の街「あおシャンタウン」。ごみがいくらでも入る「Oceanバッグ」に『そのごみ僕にちょうだい』と語りかけてくる不思議なごみ箱。月に1回プラスチックを使わない「バイプラday 」。住人も観光客もごみを拾って街をキレイにし、大切に海を守ろうとしているのが伝わります。簡単に楽しくごみを拾いたくなる独創的なアイディアから、みんなが協力すればすぐにでも実現できそうな取り組みまで、海を守る工夫が幅広く散りばめられた素敵なストーリー。由利さんの無限大の発想を聞いていると、「あおシャンタウン」が決して夢物語ではない、そんな気持ちにさせられました。
キッズサポーターへの専門家コメント
日本エヌ・ユー・エス 野上大介先生:
「獅礼くんが考えたごみ回収機が実現すれば、海底に沈んでいるごみがどんどん無くなっていって、世界中の海が綺麗になり、海の中の生物たちも安全に暮らすことができるでしょう。僕は、獅礼くんにはもう一つ大切な役割を頼みたいと思っているよ。海洋ごみ問題の解決には長い長い時間が必要。獅礼くんには、情報を世界中に発信して、世界中の人たちがごみを海に出さないように働きかけて、海にごみを出さない世界にしてほしい。獅礼くんにはそのリーダーになってほしい」
沖縄県立芸術大学 藤田喜久先生:
「『あおいOceanバッグ』のような “夢のようなアイディア” もあれば、『バイプラday』や『ちゃんとゴミを捨てたくなるゴミ箱』のように実現可能なアイディア。まさに現在取り組みが進められつつあり、皆がそのような世界を目指していることまで、とても幅広く考えてくださいました。フランスの小説家ジュール・ヴェルヌさんは「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」と言ったそうですが、『あおいOceanバッグ』もいつか実現できる日が来るかもしれない。今は架空の街である「あおシャンタウン」が、沖縄に実在する街になるように、それから、日本中へ、世界中へ広がるようになると嬉しいです」
オンライン配信
放送内容はYouTubeでも視聴することができます。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています