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子どもたちが”ワカメ漁”を通して海とのつながりを実感! 「身近な海を知ろう!@小坪漁港」を開催しました

次世代価値コンソーシアムは、2022年3月12日(土)に「身近な海を知ろう!@小坪漁港」を開催いたしました。

2022.03.25

次世代価値コンソーシアム(企画・事務局:国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよhttps://iko-yo.net/ 」を運営するアクトインディ株式会社)は、2022年3月12日(土)に「身近な海を知ろう!@小坪漁港」を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
子どもたちにとって、海とのつながりを身近に感じることができる「食」を切り口に、身近な海についての学びを深めます。小坪漁港で盛んな「ワカメ漁」の歴史や現状を知ることで、味噌汁やサラダなどで当たり前のように食べているワカメが直面している課題を知り、海で起きている問題が自分たちの生活にも影響することを実感します。さらに、海を守るために何ができるのかを考え、海の恵み感謝する気持ちを育むきっかけとなるイベントとなっています。

日程
2022年3月12日(土)
開催場所
小坪漁港(https://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/keizai/suisan/gyokou.html
参加人数
6組12名
協力団体
小坪漁業協同組合、小坪市

相模湾・小坪漁港について学ぶ

まずは、目の前に広がる相模湾、そして小坪漁港について学びます。
相模湾は山から運ばれてくる栄養に恵まれ、豊かな漁場が広がり、昔から漁業が盛んな地域です。そのため、数多くの漁港が存在します。その中でも小坪漁港は長い歴史を持ち、鎌倉時代にはすでに開港していたといわれています。子どもたちは真剣な表情で相模湾や小坪漁港について聞き、クイズに答えていました。

小坪漁港では、年間を通じて季節の海産物が水揚げされますが、本イベントでは、現在収穫の最盛期を迎えている、春の風物詩である「ワカメ」に注目です。ワカメの構造から養殖方法、天然ワカメと養殖ワカメの違い、加工方法など、ワカメがどのように海で育ち、人の手を介し、スーパーなどの店頭に並ぶのかを学びました。

ワカメの収穫を体験

小坪漁港のことや、ワカメについて学んだあとは、船に乗ってワカメの収穫を体験しました。
海から引き上げられるワカメはとても大きく、カットワカメでしかワカメを見たことのない子どもたちはびっくり。よく成長しているワカメをしっかり見極めて、収穫していきます。

さらに、養殖場から陸までの船上では、漁師さんから様々なお話を聞きました。ワカメの養殖は約50年前からスタートし、以前は収穫が追いつかないほど、ワカメがぐんぐん成長していましたが、8年ほど前からワカメが育ちづらくなり、収穫量が落ちているとのこと。その原因の一つとして、「アイゴ」による食害の被害が大きいことを教えてもらいました。温かい海に生息する植食性の魚であるアイゴですが、近年は、冬になっても海水の温度が下がらず、養殖場でワカメが育っていく11月~1月に、本来はいないはずのアイゴがワカメを食べてしまうのです。そのため、ここ数年でワカメ漁をやめてしまう漁師さんが多く、ワカメ養殖は過渡期を迎えていることも教えてもらい、日常生活で当たり前のように食べているワカメですが、実は危機が迫っていることを知りました。

しかし、今年は海水の温度が下がるのが早かったので、アイゴの食害による被害も少なく、よく育っているそうです。それでも、20〜30年前はワカメが凍ってしまうほど気温が下がっていたので、今年は寒いと言われますが、一度もワカメは凍っていないため、昔と比べると暖かくなっているとのことでした。

ワカメの加工に挑戦

ワカメの収穫を終えて陸に戻り、次はワカメの加工を体験しました。地域によって、加工方法に違いがありますが、今回は小坪漁港の伝統的な方法を学びます。まずは、メカブを切り落とし、葉の部分と分けていきます。さらに、葉の部分でも先の悪くなっているところは切り落とします。この切り落とした葉の部分は、サザエやアワビ、ウニなどのエサとして活用しているそうです。さらに、切り落としたメカブは専用の道具を使い、茎と葉でわけます。スルスルと綺麗に取れる感覚に子どもたちは大興奮。角度を調整しながら、どうすればスルッととれるか試行錯誤していました。

切り分けたワカメは、部位ごとに大きな釜でさっと茹であげます。お湯に浸った瞬間、濃い茶色から鮮やかな緑色に変化。その一瞬の出来事に、子どもたちは目を輝かせて驚いていました。ワカメを引き上げるタイミングが遅くなると元の茶色に戻ってしまうためタイミングも重要だそうです。

茹でたワカメは、すぐに水にさらしてきれいに洗います。その後、ワカメを一枚ずつ丁寧に干していきます。ワカメを綺麗に乾燥させていくために、くっついている部分を剝がしてシワを広げていきます。漁師さんに教えてもらいながら、子どもたちも真剣に挑戦。何気なく口にしていたワカメですが、お店に並ぶまでに大変な手間がかかっていることを知りました。

小坪漁港のワカメを味わう

ワカメが出荷されるまでの工程を学んだあとは、新鮮なワカメを味噌汁で味わいました。歯ごたえや香りなど、普段口にしているワカメとの違いを感じ、「シャキシャキって音がする!」と感想がとびだします。さらに、メカブも食べてみると、ネバネバした食感にびっくり。子どもたちは、何度もおかわりをしたり、ワカメの特徴を漁師さんに質問をしたり、ワカメの虜になっていました。

漁師さんからのメッセージ

体験の最後に、漁師さんから参加者のみなさんへ2つの大切なメッセージをもらいました。1つ目は、みんなの頑張りで、最近は海水が綺麗になっているので、それを未来にちゃんと引き継いでほしいこと。2つ目は、海に栄養を運んでくれる山の木を大切にしてほしいこと。魚がとれなくなっている原因の一つとして、海に運ばれてくる栄養が少なくなっていることも大きく影響しているため、豊かな海を守るということは、山の木を大切にすることにもつながっていることを学びました。

プロジェクトを通して参加者から寄せられた声

日常生活の中で味噌汁やサラダなどで食べているワカメですが、実はこんなに身近な海で収穫されていて、実は海の問題にも直面していることや、たくさんの人の手で大切に育てられて食卓に運ばれていることを知り、子どもたちや保護者の方からも、感動の声が寄せられました。

~アンケートより~
・わかめはいつも食べているけれど、知らないことがたくさんあった。(小学校3年生)
・船に乗って、水面を見たら透き通っていたから感動した。(小学校4年生)
・海が私達の食を育んでいることを実感できたので、他の食材や環境についてもっと考えたいと思いました。(保護者)
・食べものは誰かがとってきてくれたり、加工したりの手間や苦労をかけて食卓まできていることを子どもに学ばせることができてよかった。(保護者)

今回のイベントでは、普段口にしている親しみの深い海産物であるワカメを通して、身近な海について学ぶとともに、海とのつながりを実感し、海洋問題を身近な問題として捉えるきっかけを提供することができたと感じます。今後も、一人でも多くの子どもたちに、海を未来へ引き継ぐアクションの輪をひろげる活動をしてまいります。

 
 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

 

参加人数:12人