香川県⇔奈良県のオンライン授業 海の”栄養塩”問題がテーマの謎解きを使った事前ワークと 四国水族館によるオンライン出前授業を開催しました!
海なぞ実行委員会は、帯解小学校(奈良)と四国水族館(香川)をオンラインでつなぐオンライン出前授業を、2021年10月21日(木)8:55から開催いたしました。
2021.11.08
海なぞ実行委員会は、帯解小学校(奈良)と四国水族館(香川)をオンラインでつなぐオンライン出前授業を、2021年10月21日(木)8:55から開催いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
帯解小学校・四国水族館によるオンライン出前授業
日程
2021年10月21日(木)8:55~12:25
開催場所
zoomを使用したオンライン開催
参加人数
帯解小学校 6年生児童(25名)
協力団体
四国水族館
海の”栄養塩”がテーマの謎解きを使った謎解き授業パート
本出前授業は、2021年9月15日から順次公開を行っているオンライン謎解きゲーム「海なぞ水族館2021」に登場する水族館と海なぞ実行委員会が連携し、昨今の情勢下で学びの機会が減少しつつある子どもたちに海洋問題への理解・関心を深めてもらうべく企画されました。
授業は「謎解きパート」「講話パート」の二部構成で実施。まずは謎解きを通して楽しみながら海の環境問題についての基礎知識を学んだうえで、提携する四国水族館による講話で学びを深めました。
謎解きパートでは、「海なぞ水族館2021」で実際に出題される謎を計5題出題。帯解小学校と四国水族館の両者の間に位置する瀬戸内海の環境をテーマに、同海域で特に盛んに行われている”養殖”と、その土壌となる”豊かな海”とは何かを考える授業構成としました。
①四国水族館でも実際に展示されている「真珠貝(アコヤガイ)」の養殖方法について
②瀬戸内海における富栄養化/貧栄養化の問題と歴史的な変遷
③”きれいな海”と”豊かな海”の違いについて
という構成で、続く四国水族館の講話パートにつながる導入の内容になっています。
オンラインならではの試みを盛り込んだ四国水族館による授業
本実行委員会が「海なぞ水族館2021」内で訴求している様々な問題に理解を深め「自分ごと化」できるイベントとして、より本格的に実施すべく5校程度の募集を行ったところ、予想を超える国内外様々な教育現場の皆様よりご応募・大きな反響をいただきました。慎重に協議を重ねた結果、5校のうちの1校として帯解小学校と四国水族館の組み合わせでの出前授業の実施が決定致しました。
授業を担当した四国水族館は、穏やかで養殖業が盛んな瀬戸内海の特徴や、閉鎖性水域ゆえに発生しやすい赤潮の仕組みなどを、例え話や図を用いて分かりやすく解説し、「きれい」なだけではなく、生き物が育ちやすいバランスの取れた「豊かな海」の重要性を伝えました。また、ウミガメの研究者でもある館長が出会った、海洋プラスチックごみの被害を受けているウミガメの話を伝えると、児童たちは真剣な表情で聞き入っていました。海洋ゴミの8割近くは陸から流れてきていること、だからこそ一人一人の小さな心がけが、この先の未来にも「豊かな海」を残していくことに繋がるというメッセージを伝えました。
授業の後には再び宿題として学んだ内容をレポートにまとめました。このレポートでは、自分たちの生活が海洋環境に与える影響について、授業を受ける前と後とでどのような考え方の変化があったかを可視化するために作成され、授業の内容を通しての段階的な学びについて改めて考えるきっかけとなりました。
また、授業内で取り扱った様々な内容を踏まえて「自分たちに何ができるか」ということを再考することで本出前授業の重要な目的である社会課題の”自分ごと化”を促進することに寄与しました。
協力水族館および参加した児童・学校からの声
【出前授業を担当した四国水族館より】
・瀬戸内海の貧栄養化の問題は、小学6年生が学ぶには少し難しいのではないかと思ったのですが、こどもたちが皆、真剣な眼差しで話をじっくり聞いてくれたのが印象的でした。“海なし県”である奈良県も、海と繋がりがあることや、海洋問題の現状を知っていただく機会となり、水族館としても参加意義がありました。
【帯解小学校・児童の皆様より】
・海に面していない奈良県にも、川を通して海とつながる部分があり、海がなくても関係があることに気づきました。逆に、奈良県などが積極的にゴミを川に流さないように行動しないと、海洋問題は変わらないんじゃないかなぁと感じました。
・謎解きでわかりやすく、海の栄養のことを学べたので、とても楽しかったです。栄養塩や総量規制のことなどたくさん知らないことを知れてよかったです。
・海がたくさんの問題をかかえていることが分かりました。2050年には「海に住む魚より」プラスチックごみの方が多くなることに驚き、危機感を感じました。
・真珠の養殖は、三重県のイメージがあったけれど、瀬戸内海が盛んであることが分かりました。いい海にするために、栄養が多すぎてもだめだし、少なくしてもだめで、バランスが大切だと思いました。
・事前にインターネットで調べた「総量制限」のことを詳しく知れてよかったです。
【帯解小学校・先生方より】
・謎解きに関しては、児童はとても興味を持って取り組んでいました。謎を解きながら、「養殖」や「富栄養化・貧栄養化」について動画とともに学び、正しい知識を深めることができました。
・小学生に謎解きはとても効果的で、解けたときは「やった~!」とか「スッキリした~!」などと言いながら、ワクワクしている姿が見られ教室が大盛り上がりでした。謎解きを通して、海洋問題にさらなる関心を持ったようです。
・四国水族館の館長からのお話は、児童にも分かりやすく、館長の体験に基づいた内容のものも多くあり、四国水族館と館長の環境を守ろうとする取組に聞き入り、共感している児童が大勢いました。
・海洋問題は、日本に住む私たちみんなに密接に関係があることに児童は気付くことができました。本校の児童は、山や森には慣れ親しんでいますが、海は憧れとともに遠いという認識を持っていました。しかし、本授業を通して、海洋問題を「自分ごと」としてとらえ、身近なことから少しずつ取組をしていこうと考えている児童がたくさんいました。
・本校では、これまでSDGsについて学習を進めてきて、食品ロス問題について調べてきました。それらにもプラスチックについての課題がでてきました。海洋問題にもプラスチックは大きくかかわりがあり、それらの共通点について気づく児童もいました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:25人