三重県⇔福島県のオンライン授業「持続可能な漁業」がテーマの謎解きを使った事前ワークとアクアマリンふくしまによるオンライン出前授業を開催しました!
海なぞ実行委員会は、伊賀市立上野南中学校(三重)とアクアマリンふくしま(福島)をオンラインでつなぐオンライン出前授業を、謎解きを使った事前ワークと水族館による講話の二部構成にて開催いたしました。
2021.11.19
海なぞ実行委員会は、伊賀市立上野南中学校(三重)とアクアマリンふくしま(福島)をオンラインでつなぐオンライン出前授業を、謎解きを使った事前ワークと水族館による講話の二部構成にて①2021年10月22日(金)13:25~14:15と②2021年10月27日(水)13:25~14:40に開催致しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
上野南中学校・アクアマリンふくしまによるオンライン出前授業
日程
謎解きパート:2021年10月22日(金)13:25~14:15
講話パート:2021年10月27日(水)13:25~14:40
開催場所
zoomを使用したオンライン開催
参加人数
3年生(1組32名、2組33名:合計65名)
2年生(1組28名、2組28名:合計56名)
1年生(1組26名、2組26名:合計52名)
協力
アクアマリンふくしま
持続可能な漁業がテーマの謎解きを使った謎解き授業パート
本出前授業は、2021年9月15日から順次公開を行っているオンライン謎解きゲーム「海なぞ水族館2021」に登場する水族館と海なぞ実行委員会が連携し、昨今の情勢下で学びの機会が減少しつつある子どもたちに海洋問題への理解・関心を深めてもらうべく企画されました。
授業は「謎解きパート」「講話パート」の二部構成で実施。まずは謎解きを通して楽しみながら海の環境問題についての基礎知識を学んだうえで、提携するアクアマリンふくしまによる講話で学びを深めました。
謎解きパートでは、「海なぞ水族館2021」で実際に出題される謎から抜粋した4問を出題。アクアマリンふくしまに実際にあるお寿司屋さん「寿司処・潮目の海」を舞台に様々な寿司ネタとなる魚種の資源量を調査する謎を解きながらその魚種の漁獲方法などについても学びました。
同館で独自に取り組んでいる運動「HAPPY OCEANS(ハッピーオーシャンズ)」は、魚介類の資源量を信号機の色で表現し、資源が安定した魚介類を積極的に食べていくよう奨励するもので、今回の授業では謎を解くことによってその魚の資源量の状況(青=安定/黄=注意/赤=少ない)が判明する授業構成になっています。
①寿司ネタになる魚種の漁獲方法について謎解きで調査する
②当該魚種の資源量の状況(信号機の色)が判明する
③漁獲方法や資源量についての解説、また資源量が安定した類似魚種などについて解説を行う
という構成で、続くアクアマリンふくしまの講話パートにつながる導入の内容になっています。
オンラインならではの試みを盛り込んだアクアマリンふくしまによる授業
本実行委員会が「海なぞ水族館2021」内で訴求している様々な問題に理解を深め「自分ごと化」できるイベントとして、より本格的に実施すべく5校程度の募集を行ったところ、予想を超える国内外様々な教育現場の皆様よりご応募・大きな反響をいただきました。慎重に協議を重ねた結果、5校のうちの1校として伊賀市立上野南中学校とアクアマリンふくしまの組み合わせでの出前授業の実施が決定致しました。
授業を担当したアクアマリンふくしまは、「きれいな海と生き物を守ろう」をテーマに、持続可能な海洋資源の利用と海洋環境の問題について、数が多く資源量が安定した魚介類を食べる運動である「HAPPY OCEANS(ハッピーオーシャンズ)」と「海洋プラスチックゴミの現状と生物に与える影響」について、アクアマリンふくしまでの取り組みや活動経験をもとにした内容の講話を行いました。
授業の後には再び宿題として学んだ内容をレポートにまとめました。このレポートでは、自分たちの生活が海洋環境に与える影響について、授業を受ける前と後とでどのような考え方の変化があったかを可視化するために作成され、授業の内容を通しての段階的な学びについて改めて考えるきっかけとなりました。
また、授業内で取り扱った様々な内容を踏まえて「自分たちに何ができるか」ということを再考することで本出前授業の重要な目的である社会課題の”自分ごと化”を促進することに寄与しました。
協力水族館および参加した生徒・学校からの声
《出前授業を担当したアクアマリンふくしまより》
・アクアマリンふくしまと全国の学校や人々をつないでもらえることで、アクアマリンふくしまの理念や取り組みなどについて広く知ってもらえるきっかけになり、参加できたことは非常に意義のあるものになった。
・謎解きでの事前学習を行ったことで、生徒たちがある程度の知識をもった状態で講話に臨むことができ、水産資源や海洋ごみなどの問題についての理解についてとても効果的であった。
・少しながら考えさせる要素を盛り込んだ講話の内容にしたが、生徒たちは自分の考えを積極的に言葉やジェスチャーで表現しており、興味関心高く学んでいる様子を感じとることができた。生徒達には、学んだことをここで終わりにせず、ひとつでもいいので生活での実践を試みたり、周りの人に伝えたりしてもらえれば嬉しく思う。
《上野南中学校・生徒の皆様より》
・謎解きがすごくむずかしかったけど、最後にはすごく勉強になった。減ってきている魚もたくさん残っている魚も大切にしようと思った。
・魚のことも海のことも、全然知らなくてわからなかったらどうしようかと心配していたけど、謎解き形式で楽しく学ぶことができて、魚に興味を持つことができました。漁獲量のことも聞いて、マグロを食べるときはキハダを食べようと思いました。
・海なぞ、お話を聞けて、すごく良い経験をさせていただきました。水族館って「楽しい」ってことだけじゃなくて、たくさん学ぶことがあると感じました。プラスチックのごみによって亡くなってしまう生き物の話を聞いて「私たちが、海を守っていかないと…」と強く感じました。
・小さい魚や鳥、カメの中にプラスチックゴミなどが入っているのを実際に見せてもらって、すごく思うことがありました。コロナが終わったら行きたいところにアクアマリンふくしまが入りました。福島に行くことがあったら行ってみたいです!
《上野南中学校・先生方より》
・初めて謎解きに挑戦する生徒がほとんどで、出前授業が始まる前から楽しみにしている様子でした。「海洋問題」というと一見難しそうに聞こえますが、ゲーム形式で「海の生き物の漁獲方法」や「海産物の資源量の問題」について学べたため、事前知識が全くない生徒も興味を持って取り組んでいました。日常的によく食べている生き物でも、どのように漁獲されているのか知らないことがほとんどで皆驚いていました。また、謎解きをしてから、さらに発展した海洋問題のお話(ご講義)を聴かせていただけたため、話の理解度も高まったように感じます。今回このような機会をいただけたこと、心より感謝いたします。
・昨年から生徒と共に海に流れ込むごみの問題を学んできましたが、アクアマリンふくしまの講師の方のお話から私自身大きな衝撃を受けました。実際に本物・生の体験談を聴かせていただくことの影響力は、本当に大きなものだと実感しました。生徒も私たち教師も、海洋問題を身近な問題として、ひとりひとりが考え行動しなければならないという意識を持つ大きなきっかけをいただけました。全学年の生徒と全教職員が、一緒にお話を聴かせていただけて本当によかったです。生徒たちに問いかけながら反応をうながしながら進めていただいたので、とてもわかりやすく、生徒達も講師の方のお話にのめりこんでいる様子でした。生徒の目線にたって、お話していただいてありがとうございました。私たち人間が果たすべき役割と責任を常に問いながら、できることをひとつずつ見つけて行動していきます。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:173人