長浜市の“海ノ民話アニメ”『堀止地蔵』 地元小学生を対象に上映会とフィールドワークを実施しました
長浜市・海ノ民話のまち実行委員会と一般社団法人日本昔ばなし協会は、地元の「海との関わり」「地域の学び」を子どもたちに伝えるため、アニメ『堀止地蔵』の上映会と舞台を訪れるフィールドワークを、12月9日(木)に実施しました。
2022.02.08
長浜市・海ノ民話のまち実行委員会と一般社団法人日本昔ばなし協会は、地元の「海との関わり」「地域の学び」を子どもたちに伝えるため、アニメ『堀止地蔵』の上映会と舞台を訪れるフィールドワークを、12月9日(木)に実施しました。海なし県である滋賀県ですが、日本海から深坂峠を越えて、びわ湖の塩津港で再び船に乗せ、京都に近い大津まで運ぶルートは物流の要所でした。そんな長浜市の歴史を、地元・塩津小学校の6年生6人がアニメ鑑賞と現場体験を通して学びました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
海ノ民話のまちプロジェクトオフィシャルサイト
https://uminominwa.jp/
日時
2021年12月9日(木)9:30~11:30
会場
①長浜市立塩津小学校(滋賀県長浜市西浅井町塩津中41)
②深坂峠~堀止地蔵(深坂地蔵)(西浅井町沓掛)
参加者
塩津小学校 6年生6人(全8人中、当日は2人欠席)
プログラム
9:30・・・塩津小学校にて ■事業説明・アニメ鑑賞
9:40・・・塩津小学校~深坂峠入口(貸切バスで移動)
9:50・・・深坂峠~堀止地蔵(深坂地蔵)
■地域の歴史など、解説を受けながら古道を歩く(約1キロ)
古道には塩津海道と記された道標や、荷受け問屋跡があります
10:30・・・堀止地蔵(深坂地蔵)
■維持管理されている地元自治会の方からのお話
■地蔵前にて写真撮影など
11:20・・・深坂峠入口に戻り、貸切バスで塩津小学校へ
11:30・・・終了予定
<アニメ『堀止地蔵』>(尺約5分)
びわ湖はその昔、北国と京の都をつなぐ交通の要所として、また、品物を運ぶ中継地点としても、とても賑わっていました。日本海と琵琶湖を結ぶ深坂峠は、一番の近道なのですが、急な坂が続く険しい道。平清盛は、なんとここに、運河を作ろうという、壮大な計画を思いつき、息子・重盛に工事を命じました。ところが開削作業は深坂峠に差し掛かると、大きな石により阻まれます。石を砕く職人がノミや槌で叩こうとすると急に苦しみだすのです。これはおかしいと思った重盛は特の高いお坊さまにお経をあげてもらうと、石にお地蔵様の姿が浮かび上がりました。重盛は運河計画をきっぱりと止め、お地蔵様を祀りました。このお地蔵さまは堀止地蔵と呼ばれ、峠を行き交う人を見守りました。それから数百年もの間、運河がなくてもこの地域は商人たちが行き交い、発展していきました。人々は貴重な塩を惜しみなくお供えしたので、堀止地蔵はいつもキラキラと真っ白に輝いていたということです。
当日のレポート<上映会>
民話の舞台となった地元の小学生(6年生)にアニメを鑑賞してもらいました。
物流の要所として栄えていたこと、「丸子船」という船が使われていたことなどは地域学習で学んでいたようですが、アニメとしてその様子が描かれ、子どもたちの地域への理解がさらに深まりました。
堀止地蔵についても、地蔵堂があることは知っていても、民話を知っている児童はおらず、今回のアニメをきっかけに地域の民話が次世代に伝わっていくことを願います。
児童へのインタビューでは、「詳しい歴史を聞いたのは初めて。この地域に、そんな歴史があるものがあって良かった」「お地蔵様が今も残っているのはびっくりする」 などの声が聞かれました。
当日のレポート<フィールドワーク>
民話の舞台となった深坂峠で地域の小学6年生を対象にフィールドワークを実施しました。
深坂峠からは、この地域に詳しいガイドの方に、峠の歴史や史跡の説明を受けながら、堀止地蔵まで約1キロの古道を登りました。地域の児童らですが、この古道を歩いた経験があるのは1人だけ。問屋跡の石垣や、日本海へ続く『海道』と書かれた石碑などを見つけ、興味深そうにガイドから話を聞いていました。堀止地蔵をお参りし、民話で出てきた傷跡を見つけたり、地域の方が守り継がれていることを実感しました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:6人