未活用魚を活用した熱海市こども園の独自給食がスタート! 〜意図せず獲れた魚たちを美味しく活用!子どもたちが楽しく魚を食べ、海や地域を知る機会作りを2022年1月21日より開始〜
「海と食の地域モデルin熱海」は、熱海市教育委員会、及び「熱海市立あたみこども園」とタッグを組み、熱海の海で意図せず獲れた「未活用魚」を給食で活用し、子供たちに楽しく魚を食べてもらうことを入り口に、限りある水産資源や熱海の海(地域)についてを知ってもらう学びの場の創出に取り組むべく、月に約2回のペースで継続的に未活用魚を給食に導入することを決定しました。
2022.01.28
「海と食の地域モデルin熱海」(特定非営利活動法人atamista)は、熱海市教育委員会、及び「熱海市立あたみこども園」とタッグを組み、熱海の海で意図せず獲れた「未活用魚」を給食で活用し、子供たちに楽しく魚を食べてもらうことを入り口に、限りある水産資源や熱海の海(地域)についてを知ってもらう学びの場の創出に取り組むべく、2022年1月21日(金)以降、月に約2回のペースで継続的に未活用魚を給食に導入することを決定しました。導入初日の1月21日(金)に予定していた、海や地域を学ぶワークショップは新型コロナウイルスの影響で延期となりましたが、給食を食べた園児たちからはさまざまな声が寄せられています。
この取り組みは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
現在熱海市では、令和2年度より「熱海市教育振興基本計画」の熱海市就学前教育カリキュラムに掲げる「郷土“熱海”を愛する心」を育てていくことを目的に、「特色ある保育」として、幼児期より熱海を知り、親しむため、豊かな地域の自然と歴史・文化に触れる体験保育を行っています。
また本プロジェクトは、子どもたちの魚食離れや保育園が抱える課題へもアプローチしていきます。
海に囲まれた水産大国日本で「魚食離れ」が加速しています。約10年前に日本人の魚摂取量は肉に抜かれ、その差は現在も拡大傾向。若者を中心とした「魚食離れ」が指摘され続けています。
2020年はコロナ禍での“家中消費”が影響してか、生鮮魚介類の1世帯当たりの年間購入量が前年比4%増の23.9kgとなり、2002年以来18年ぶりに増加したものの、日本では2001年をピークに年間購入量が減り続けているのが実態です(※1)。
※1:参考資料 https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r02_h/trend/1/t1_1_2.html
家庭環境の変化など家庭において食育の機会を十分に確保することが難しくなる今、「給食」を通じて魚を食べる機会作りがより求められています。ですが、予算の問題や安定供給等の都合で、どうしても魚は一番先に削られやすいという事情もあります。
未活用魚を使った給食を食べて。子どもたちの感想
未活用魚を活用した初回の給食メニューは「未活用魚(この日はイワシ、シイラ、カスゴダイを活用)のつみれ汁」。0〜5歳児合わせて約100名の園児たちがいただきました。
実際に未活用魚を活用した給食を食べた園児たちからは
「初めて食べるお魚の料理だけど、美味しい!」
「お寿司の魚とは違うけど、これもお魚なんだね。お魚の味がしっかりしたよ」
「骨がちょっとあったけど、よく噛んだから食べられたよ!」
といったコメントが寄せられています。
保育士さん、調理師さん、教育委員会など大人の声は
また、子どもたちだけではなく、こども園の園長先生、保育士さんや調理師さん、また教育委員会の担当者さんからは
「そもそも未活用魚について知らなかったので、今回の連携を通じて知れてよかった」
「思った以上に、子どもたちが魚に興味があると感じた。取り組みを通じて興味関心がより高まりそう」
「連携をきっかけに、ご家庭でも魚や海について親子で話す時間が増えているようだ。親子の触れ合いの時間にも寄与していると感じる。家の食卓でも魚の頻度が増えると嬉しい」
「これまでも地域を知る体験保育を実施しているが、実際に熱海で獲れた魚を“食べて熱海を知る”というのは初めて。未活用魚という地域の課題も含めて連携できたのはよかった。『あたみこども園』に始まり、導入保育園や小学校など少しずつ増やしていけたら」
といった声が挙げられました。
引き続き、熱海市教育委員会及び「熱海市立あたみこども園」と連携しながら、子どもたちに未活用魚を食べてもらうことをきっかけに、魚や海、熱海に対しての興味関心を育てていけたらと思います。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています