下関を代表する魚「フグ」が食べられなくなる?地域の魚をさばき、私たちの海について考える【日本さばける塾 for STUDENTS】を開催
日本さばけるプロジェクト実行委員会は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み『日本さばける塾 for STUDENTS』を12月11日(土)に開催し、下関市の水産大生徒など計10名の学生が参加しました。
2021.12.23
日本さばけるプロジェクト実行委員会は、”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げる取り組み『日本さばける塾 for STUDENTS』を12月11日(土)に開催し、下関市の水産大生徒など計10名の学生が参加しました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
”魚をさばく”という日本古来の調理技法を次の世代へ継承するとともに、豊かで健全な海を未来に引き継ぐアクションの輪を広げる取り組みとして、①地域の特色のある魚をさばく②その⼟地ならではの、郷⼟料理や地域の食材を使った料理をつくる③海にまつわる講義を受ける、以上を実施。
日程
2021年12月11日(土)10:00~13:00
開催場所
下関唐戸市場内2階 魚食普及センター(山口県下関市唐戸町5番50号)
参加人数
10名
講師
下関唐戸魚市場株式会社 前取締役会長 松村 久氏
水産国立研究開発法人水産研究・教育機構 酒井 治巳氏
学食ダイニング グランマのメンバー
主催
⽇本さばけるプロジェクト実⾏委員会
共催
⽇本財団 海と⽇本プロジェクト
協力
下関唐戸魚市場株式会社
1時間目:身欠きふぐ(みがきふぐ)をさばき、絶品フルコースに
日本全国からフグが集まり「フグの本場」と言われている山口県下関市。しかし、市民とフグの関係性が少しずつ変わってきており、今の地元の若い世代は特産であるフグを食べる機会が少ないのが現状となっています。そんな下関の学生を対象にフグのさばき方や調理技法の伝授をおこないました。本来フグをさばくためにはふぐ調理師免許が必要になりますが、有毒部分を除去し可食部だけを残した「身欠きふぐ(みがきふぐ)」は免許がなくてもさばくことができます。今回この身欠きふぐを使用し、下関唐戸魚市場株式会社前取締役会長の松村氏を講師としてお迎えしました。参加した学生らは、普段中々さばく機会がないフグの扱いに初めは戸惑いながらも、なんとか講師の手本を参考に三枚おろしから刺身までの工程を終えた後、「学食ダイニング グランマ」のメンバーと寿司やカルパッチョ、味噌汁、唐揚げなどフグ絶品フルコースを一緒に調理しました。自分の手で地域の魚をさばき、調理する体験を通じて海や街に対しての理解や愛着を深めた学生が多かったようです。
2時間目:フグが食べられなくなってしまう日も近い?
フグの雑種化問題について学ぶ
今まさにそんなフグの未来に暗雲が漂っています。地球温暖化現象の影響を受け、冷たい海水を求めて分布域が北へと広がり、従来ではあまりなかった交雑が広がることにより、種類不明の雑種のフグが頻繁に網にかかるようになってきています。雑種のフグは、有毒部分がわかりにくく処理をすることが難しいため、食べる事ができず廃棄することが多くなっています。このような海洋環境の変化について、水産国立研究開発法人水産研究・教育機構の酒井治巳氏が講師となり、学生たちに向けて講義を行いました。「まずはできることから自分たちの行動を変えていこう」という熱のこもったメッセージは参加者の心にも響いており、これからの海を守るためにできることについて話し合う学生も見受けられました。
参加者の声(アンケートより)
20代男子生徒「今まで魚をさばく機会はほとんどなかったので、知らないことが多かったです。魚をさばくことはハードルが高いことではないとわかったので、今後は自分でさばき色々な魚に触れていきたいと思いました。」
20代女子生徒「地元で有名な食材として当たり前のように食べられていたフグも、今後は食べられなくなる可能性があると知り驚きました。まずはできることから、海を守る行動をしていきたいと思います。」
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:10人