県内の小学生14名が参加! 佐賀の誇れる名産!コハダを学び、味わい、これからの有明海を考える【SAGANキッズ コハダ大作戦in太良】を開催しました!
海と日本プロジェクトin佐賀実行委員会は、佐賀県太良町で9月3日(土)、4日(日)の2日間、佐賀県内の小学5・6年生14名を対象に太良町で獲れるコハダと有明海の海洋環境を学び、体験する「SAGANキッズコハダ大作戦in太良」を開催しました。
2022.09.27
海と日本プロジェクトin佐賀実行委員会は、佐賀県太良町で9月3日(土)、4日(日)の2日間、佐賀県内の小学5・6年生14名を対象に太良町で獲れるコハダと有明海の海洋環境を学び、体験する「SAGANキッズコハダ大作戦in太良」を開催しました。
江戸前鮨に欠かせないネタのコハダ。漁場である有明海は干満差最大6mと日本一を誇り、この潮の干満で川から栄養や酸素が海へ集まりプランクトンが増えることで、太良町では脂の乗った非常に美味しいコハダが獲れます。そのため東京の豊洲市場での取扱量はなんと日本一(東京都卸売市場 市場統計情報(令和元年5月~令和2年5月)より)!佐賀県有明海(太良町)産 が、入荷量のおよそ3〜6割を占めます。関東では高級魚として知られていますが、ほぼ東京市場に出されているため、 県内の店先や食卓にコハダが並ぶことはほとんどなく、太良町の「カニ(竹崎ガニ)」や「カキ」は知っていても「コハダ」の産地と知る人は少ないのが現状です。今回こどもたちにはこのイベントを通して、佐賀の誇れる魚“コハダ”を学び、実際に自分たちで調理し味わう体験することで地元で獲れる魚をより身近に感じてもらい、「いのちをいただくこと」を学びました。また、イベント内では実際に海に出て水辺でのセルフセーフティやマリンスポーツを体験し、海に対する関心を高め、コハダの住処である有明海の海洋環境を学びこれからの海との関わり方を考えました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
佐賀の誇り“コハダ”を通して、有明海について学ぶ体験学習
「SAGANキッズ コハダ大作戦in太良」
日程
2022年9月3日(土)・4日(日)
開催場所
佐賀県藤津郡太良町
参加人数
佐賀県内の小学生14名
協力団体
佐賀大学、佐賀県有明水産振興センター、B&G海洋センター、コハダ女子会、太良町中央公民館
佐賀の誇り“コハダ”を知ろう!
初日、佐賀県有明水産振興センターの佃氏の講義ではコハダの生態や現在抱えている問題について学びました。地元佐賀では認知度は高くないが、関東では珍重されている佐賀県有明海(太良町)産 の出世魚コハダ。その秘密は有明海の性質と投網と呼ばれる漁法にあります。非常に技術が必要とされる投網漁法により魚を傷つけることなく漁獲し、素早く出荷作業をし東京の市場へ送られます。漁師さんの技と、有明海の干満差が生む海洋環境が佐賀の誇りである脂の乗ったコハダを生み出すことを小学生たちは学びました。また、近年問題となっている漁獲高の減少傾向であることについて、考えられる原因やその解決策を実際に行った研究も踏まえて子どもたちも一緒に考えました。子どもたちは講師の問いに対して積極的に発言し、一生懸命学んだことをメモしていました。
有明海ってどんな海?
干潟の専門家でもある佐賀大学の藤井先生の講義ではコハダの住処である有明海の特性や干潟の水産業、これからの海の活用について学びました。干満差が日本一大きい有明海。他の海と違ってどういう特徴があるか、実際に有明海特有の生物「ムツゴロウ」を間近で観察しながら、生物の多様性を理解していきました。また、海洋ごみや地球温暖化など、人間活動や地球規模の自然変化によって変化を続ける有明海とともに生物資源も目まぐるしく変化し、私たち人間に与える影響(水産業や地域の経済生物)を学び、将来にわたって有明海とどう向き合っていけばよいか考えました。
マリンスポーツを通して、楽しく水辺のセルフセーフティを学ぼう!
午後は実際に海に出てマリンスポーツを体験。B&G海洋センターのインストラクターより水辺でのセルフセーフティを紙芝居で学び実際に海で実践!ライフジャケットを着てぷかぷかと浮いた後に、ライフジャケットがない場合を想定しての「背浮き」やペットボトルを抱えて浮かぶ方法を習得しました。水辺での安全確保が確認出来た後はマリンスポーツに挑戦。水上バイクの後ろに乗せてもらったり、バナナボートに乗ると、最初は「怖い」と言っていた子どもたちも「もう1回乗りたい!」と何度も乗り、海の楽しさを満喫。バナナボートで海に振り落とされても、学んだ背浮きを実践し早速学びを活かしていました。
佐賀県有明海(太良町)産のコハダを自分で調理して味わおう!
2日目は子どもたちがとても楽しみにしていた「コハダクッキング」。太良町のコハダ漁師の奥様方で結成され、コハダの美味しさを広める活動をしているコハダ女子会協力のもと、当日朝獲れたばかりの新鮮なコハダを捌き、調理する体験をしました。実際にコハダを3枚おろしで捌く過程で、「心臓」をみた子どもたち。コハダ女子会の舩口さんからは「私たちは“命”を頂いています。海の恵みに感謝していただこうね。」との教えもありました。お刺身、押し寿司、天ぷら丼が完成するとおかわりする子も多く、有明海の恵みに舌鼓を打ちました。コハダを食べたことがない子がほとんどでしたが、「想像してたより甘い!」「初めて食べたけど美味しい!」「おうちでも魚を自分で捌いて食べたい」「漁師さんに感謝したい」と声が上がっていました。
体験学習の集大成!学んだことを発表しよう!
午後は2日間で学んだことをポスターや自分の言葉でまとめ、発表しました。ポスター制作では有明ガタゴロウと青木理奈さんの「ガタリナ」コンビと絵のプロである平江先生に応援に来ていただき、アドバイスを受けながら絵で海への想いを表現。絵が完成した後は、2日間通してびっしりとった学習ノートのメモを元に、改めて学んだことを振り返りながら発表原稿を作りました。このイベントで“コハダ”を初めて知った子も多く、地元の誇りであるコハダをこれからも守っていくためにどうしていきたいか、思い出に残ったアクティビティや講義を通して感じた素直な気持ちを一人ずつ発表。2日間学びサポーターとして見守って頂いた赤木先生との講評や共に学んだ仲間からの質問・感想を通して、学んだことや発見を深堀りしていきました。
今回のイベントの成果物として、佐賀県の今年イチのトピックである九州新幹線西九州(長崎)ルートの開通にあわせて、新駅への県内外の来客が見込める嬉野温泉駅でのコハダ女子会監修の「コハダ弁当」の販売を予定。掛け紙には今回子どもたちが描いた絵を使用し、県内だけでなく県外在住者に向けても佐賀の誇りであるコハダや当プロジェクトの認知を広げます。
参加した子どもからの声
体験学習に参加した子どもたちからは、「コハダ漁師さんたちが朝早くから、大切にコハダを獲っていることを初めて知った。これからもコハダを食べていきたい。」「海は私たちの暮らしにすごく関係していて、大切に守り続けていきたいと思った。」「有明海にいる沢山の生き物達の為に、ごみ拾いを頑張ろうと思った。」「家に帰ったら、コハダのことや有明海について学んだことを家族や友達に教えてあげようと思う。」「海は楽しいけど、いろんな問題があることも知れてよかった。自分に出来ることをしていきたい」「将来の夢が海洋生物学者なので貴重な体験となった。」との感想があり、コハダを通してこれからの有明海をはじめとする海との向き合い方、将来を考えるきっかけとなりました。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:14人