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釧路周辺の漁業の変遷と現在から海の未来を考える「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」を開催しました!

一般社団法人 北海道海洋文化フォーラムは、8月5日(月)~7日(水)に小学生を対象とした体験学習イベント「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」を開催。調査隊に参加した子どもたちは「くしろ・あっけし海の未来大使」に認定され、参加者全員に認定書が授与されました。

2024.08.15

一般社団法人 北海道海洋文化フォーラムは、8月5日(月)~7日(水)に小学生を対象とした体験学習イベント「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」を開催しました。このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

公式ホームページ https://hokkaido.uminohi.jp/
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/hokkaido_umi_jp

開催概要
「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」
日程
2024年8月5日(月)~7日(水)<2泊3日>
開催場所
北海道釧路市・厚岸町・浜中町
参加人数
北海道在住小学5・6年生 30名
主催
一般社団法人 北海道海洋文化フォーラム
後援
北海道教育委員会、釧路市教育委員会、帯広市教育委員会、厚岸町教育委員会、読売新聞北海道支社
協力
釧路市、厚岸町、厚岸漁業協同組合、浜中漁業協同組合、東海大学生物学部、東海大学北海道地域研究センター、独立行政法人 北海道立総合研究機構 釧路水産試験場、 THE GREAT NORTH、Amamo Works 、海に学ぶ体験活動協議会(CNAC)、ネイパル厚岸、エーウロコ ほか

道内各地から集結した調査隊員が道東の海を大調査!

「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」は、日本でも有数の好漁場とされる釧路沖や沿岸で起きている魚種交代など海の変化について、そのメカニズムやそれに伴う水産業の今を様々な切り口で学び、海の未来について考えようと、8月5日(月)~7日(水)に釧路市、厚岸町、浜中町をフィールドとして実施しました。稚内市や函館市など全道各地から小学校5、6年生30名が参加して行われた調査は、まず釧路沖での漁業の変遷を学び、現在主力で水揚げされているイワシの缶詰加工体験を行いました。初めて触れるイワシを興味深く観察したあと、魚のさばき方を学びオリジナルのイワシ缶詰を製作しました。「魚をさばくのは初めて」という子は魚に包丁を入れたり、内臓を取り出すのも恐る恐るでしたが、中には、「釣りが好きでよく魚をさばいている」という慣れた手つきの子も。子どもたちはコツを掴むと次々とイワシをさばいて缶の中に並べ、塩味と醤油味の調味液と共に入れ缶詰にしていきました。

続いて行われたプログラムでは、おさかな研究所、片野歩さんから海外の漁業と日本の漁業を比較し、水産資源の減少が人的要因もあること、そして水産資源を継続的に活用していくためにはルールを作りそれをしっかり守っていく必要があることを学びました。

魚種交代に対しての水産加工での取り組みや、資源を守るために適切な管理が必要であることを学んだ子どもたち。学んだことを振り返りながら、明日からの学習にそなえ1日目が終了しました。

豊かで美しい海の未来のために

2日目の朝は、厚岸漁業協同組合地方卸売市場でイワシのせりを見学しました。約500kgのイワシが入ったバケットがずらりと並ぶ市場内の様子に、子どもたちは驚いた様子でした。活気のあるせりの様子や早朝から働く市場関係者の話しを聞き、大勢の人が関わり食卓まで届く魚の大切さを学んだ様子でした。

次に厚岸湖にある、アサリ島へ上陸し、汽水域と海の繋がりを体験を通じ学びます。アサリ島は干潮時しか現れない人口の干潟で、厚岸名産の牡蠣養殖に使用してきましたが現在はアサリの養殖に使用されています。アサリ島に上陸した子どもたちは湖の上にぽっかりと浮かぶ干潟に大興奮、アサリの生息数や個体の大きさを調査するため干潟を掘りアサリの採取を行いました。ここでは地元をフィールドに調査研究を行っているAmamoWorks代表の河内直子さんから厚岸湖と海のつながり、生きもののつながりを学び、厚岸湖や海洋生態系の基盤となるプランクトンを育む栄養素に富んだ環境であることを教えていただきました。また、今、海に起こっている問題を問われると、子どもたちからは海水温が高くなってきていることや、海洋ごみが増加傾向になることなど活発な意見があり、こうした問題に関心、理解がある様子がみられました。

午後からは場所を浜中町に移し、まずは霧多布港でプランクトンの採取を行いました。プランクトンは海の食物連鎖を底辺で支える重要な生きものであり、このエリアの海の豊かさを担うものという解説に子どもたちは興味津々でした。続いて浜中町の海岸ではSUPを体験、初めてSUPに乗るという子どもたちが多かったですがあっという間に上達し、最後はチーム対抗のリレーで盛り上がりました。子どもたちはSUPを通じて、海と一体になり楽しむことの爽快感を得られました。

再び厚岸に移動、ネイパル厚岸に隣接する森の中で、地元で林業を営む山本浩二さんから森と海の繋がりについて学んだ子どもたち。途中間伐した切り株が用意され、年輪を数え樹齢のクイズ大会等も実施されました。森と海、一見なにもつながりのないように感じるこの2つが実は密接に関係しており、海の栄養供給源となっていることを知った子どもたちは、自分の足元にある落ち葉などを手に取り、陸からも海を考える良い機会になったようです。続いて浜中町の昆布漁師、山﨑賢治さんが自身で採った昆布を持ち込み昆布漁と近年の温暖化が漁業に与えている影響を子どもたちに解説しました。会場には長さ5m以上もある昆布が登場。実際に手に取り子どもたちはそのサイズに驚いた様子でした。

2日目の最後は、厚岸、浜中両町で採取した水やプランクトンの分析を行いました。湿原、川の上流、汽水域、海など、このエリアの特有のフィールドから集められたサンプルから試薬により有機物料を可視化、陸域と海が水を通じて密接な関係にあることが分かりました。また、顕微鏡を使ったプランクトンの観察では、水滴ほどの中にたくさんの生きものがいることに驚き、その特徴を熱心にスケッチする様子が印象的でした。子どもたちは科学的に分析する事により自然を数値化、可視化して現状を把握したうえで、未来を考えるための指標となることを分析実験を通じて学びました。

3日目は、このイベントで学んだことをまとめ上げ、イベントタイトルでもある「海の未来」を子どもたちが考え発表しました。プレゼンではプランクトンの重要性に気付きプランクトンの養殖をしてみてはどうか。魚をまるごと使ってフィッシュミールを作るのではなく食用として利用した魚の残渣を再利用できないか。海についての広報が足りていないように感じるので大勢の人に知ってもらうための広報はどうしたらよいか。など、子どもたちの柔軟な発想から様々なアイデアが発表されました。3日間の学びの成果は、厚岸漁業協同組合直売店エーウロコが製造するイワシ甘酢漬けなどを詰め合わせたギフトセットに、子どもたちの海の未来へのメッセージや、イラストを入れ直売所やECサイトで販売予定です。

全てのプログラムを終えた後には閉校式が行われ、調査隊に参加した子どもたちは「くしろ・あっけし海の未来大使」に認定され、参加者全員に認定書が授与されました。

参加した子ども・保護者からの声

・海の食物連鎖に森や川なども影響を与えていることがよく分かった、これからは川をきれいにしたり身の回りでごみ拾いをしたりして海を守っていきたい。(参加者)

・乱獲で魚が減ってしまわないようにルールを作ったりすることが重要だと思った。(参加者)

・プランクトンが海のいきものにとってどれだけ大切なのか分かった。小さいけれど役割はすごく大きい。 (参加者)

・今度は家族でこの町に来てみたいと思った。(参加者)

・漁師さんの話を聞いて漁師になってみたいと思った。(参加者)

・いろいろな実験で海などの様子が目に見えるのがすごいと思った。(参加者)

・学校では経験できない様々な本格的な活動、とても刺激的な3日間を過ごせたようで家に戻ってから3日間の話をたくさんしてくれました。(保護者)

 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:30人