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次世代を担う小学生が様々な”海とのつながり”を体験【やまがた海洋塾2022~つながる海、つなぐ人々~】を開催!

海と日本プロジェクトin山形実行委員会は、次世代の海の担い手である子どもたちに、人と海とのつながりや、人が自然の循環にどのように関わっていくべきかを考え、実践する人材になってもらうことを目的に、2022年7月30日、31日、8月6日に【やまがた海洋塾2022 ~つながる海、つなぐ人々~】を開催いたしました。

2022.08.30

海と日本プロジェクトin山形実行委員会は、次世代の海の担い手である子どもたちに、人と海とのつながりや、人が自然の循環にどのように関わっていくべきかを考え、実践する人材になってもらうことを目的に、2022年7月30日、31日、8月6日に【やまがた海洋塾2022 ~つながる海、つなぐ人々~】を開催いたしました。

このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」“の一環です。

開催概要
やまがた海洋塾2022~つながる海、つなぐ人々~
イベントには山形県内の子どもたち21名が参加し、2つのグループに分かれ7月30日にA班、7月31日にB班がそれぞれ異なるプログラムで「海とのつながり」を学んだ後、8月6日にA班・B班合同でお互いの学びを共有しました。漁業実習船鳥海丸への乗船体験や、カヌーに乗っての海・川・山の水の循環の体験、磯見漁の見学、塩づくり体験、ライフジャケットやペットボトルを使った身を守る泳法などを行ったことで、子どもたちは海についてたくさんのことを学び、関心を深め、海とともに生きる海の担い手としての自覚が芽生えたようでした。
日程
2022年7月30日(土)、7月31日(日)、8月6日(土)
開催場所
山形県酒田市・鶴岡市・遊佐町
参加人数
21人
協力団体
山形県、酒田市、鶴岡市、遊佐町、山形県海洋教育研究会、山形県立加茂水産高校、山形県水産研究所、海浜自然の家、山形県漁協女性部加茂支部、一般社団法人大好きな加茂

入塾式・オリエンテーションで知る、山形の海

約7割が森林の山形県では、海に対する理解も住んでいる場所によって大きな隔たりがあります。今回の参加者は沿岸部の子どもたちから内陸の子どもたちまで様々。オリエンテーションでは、お揃いの「やまがた海洋塾塾生帽子」が配られ、やまがた海洋塾の塾長を務める山形県立加茂水産高校の元校長佐藤淳氏から、全国的にも短い海岸線でありながら豊かな山形の海の特徴が説明されました。塾長から「海は恋人」というキーワードが披露され、子どもたちの学びが始まりました。その後塾生同士の親睦を深めるゲームが行われ、楽しみながら友好を深めました。

海洋教育をつなぐ船!鳥海丸で海から山形を見てみよう!

普段は加茂水産高校生徒を対象とした船舶運航(航海・機関)の実習、延縄、流網、蟹篭、いか釣りなどの漁業実習及び海洋資源の調査・活用を目的とした実習を行っている船が漁業実習船「鳥海丸」です。子どもたちはその鳥海丸の船員たちから、「海と共に生きる」考え方を学び、漁業によってつながる海について考えました。また、通常見ることが出来ない海から陸を観察し、海と陸がどのようにつながっているのか、自分達の生活がどのように海と関わっているのかを想像し、海を守っていくにはどういう行動をすればいいのかを質問する児童もみられました。当日は天候にも恵まれ、海からの景色が最高のスパイスとなり、昼食に出されたカレーに子供達は舌鼓を打っていました。

人が支える循環・つくり育てる漁業

山形県海洋研究所の先生と実際の漁師さんを講師に迎え、「獲る漁業」ではなく山形が進める「つくり育てる漁業」を学びました。人が海から頂く恵みは、人が壊す循環でもあることを知り、海と共存していく為に人が出来ることは何か、人が支える漁業とは何かを実際の漁の方法と共に学習しました。

海とつながる!身を守る泳ぎ方を学ぼう!

海は「楽しさ」だけではなく時に危険も伴います。危険に対処する方法を正しく知ることで、海を一層楽しめる場所にしていくことができます。子どもたちはライフジャケットの浮力を体感するほか、ペットボトル等が浮力を得るものとして代用できること、またこうしたもので溺れた人を助けることができることを学びました。自分の身を守る方法を知ることは、他人の身を守ることにもつながります。人と人がつながる、海と人がつながる大変重要な学びとなりました。

山から川を通じ海へつながる!カヌー体験!

子どもたち自らが海、川、山をつなぐ「水」となり、カヌー体験を通して水の循環を体感しました。山に近づくにつれ水温が冷たくなっていき、川の色も澄んだ青になっていくことを全身で感じ、海と川、海と山の密接な関係を実感していました。さらに、カヌー操船中は講師から海運についてのお話もあり、子どもたちはそれぞれカヌーの操船に夢中になりつつも、自分たちの暮らしと川の関係性についても熱心に耳を傾けていました。とても長く険しい道のりでしたが体験した子どもたちは諦めることなく挑戦し、ゴールして達成感で満たされていました。

海の恵みが目で見える塩づくり体験

普段何気なく食している「塩」。どのように作られ、どのような味がするのかを実際に海水から作る工程を体験しながら学びました。子どもたちは、海水を汲んできた場所によっても味が違うことに驚き、興味津々で前のめりに作業に没頭し楽しんでいました。またいつも食べている卓上塩とも味が違うことを体験し、製法、味、どんな恵みが入っているのかを自分の口で体験し、確かめながら学んでいました。塩づくり体験に挑戦した子どもたちは、水の循環がどのように影響しているのかを当たり前にある物を通して体感し、海の尊さや大切さを感じていました。

人が壊す循環・人の営みが壊す循環を学ぶ

これまで海の恵みを中心に巡ってきた子どもたちが目の当たりにするのが、海洋ごみなど人が壊す循環です。人が捨てたごみが海にどのような影響を与えているのか、ゴーストフィッシング等、人が出したごみにより海の中で起きている事象についても触れ、海洋ごみの現状をより詳しく知っていきました。また、自然の循環や生き物の循環の中で人が壊す循環や支えている循環などを学び、子どもたちがつないでいく海を再認識し、今後の行動に活かしていくことを誓いました。

頭と体を使って共有!つながるシーアクティビティ!

つながるシーアクティビティと題した、学びの共有を目的としたオリジナルゲームを実施しました。チーム戦で、クイズの答えが書かれた海に浮かぶスイカをゲットする為にビーチを走って、SUP(StandUp Paddleboard)を漕ぎます。そしてなぜその答えに至ったのかを全員の前で発表し、共有します。大人も驚くような答えが連発し、学びを共有すると共に学びがとても深いものとなりました。

文化を伝える浜の食!漁村の食を味わおう!

長い年月を浜で暮らすことにより代々受け継がれ、発展してきた「浜のご飯」は、海と人をつなぐ海の恵みです。地元では普通のものでも外から見ると新しい発見の連続が。今回、浜のお母さんたちの手作りご飯を味わった子どもたちは、自分の地元とは違うご飯の食べ方に驚きを感じるとともに、食文化から海と人とのつながりを再発見しているようでした。

届け私たちの想い…商品パッケージ制作

卒業制作として子どもたちは、鶴岡市で作られているクラフトコーラ「YATAコーラ」のパッケージデザイン及び思い出通信を作りました。今回のイベントを通して学んだ庄内浜の知識を生かし、何を全国に届けたいか考えた子どもたちは、商品パッケージのデザイン絵に思いを込めました。YATAコーラは県内を中心に全国で販売されており、海洋塾のコラボ商品として販売されることで海洋塾での学びを発信し、海と人、人と人をつなぐ商品として幅広い層に海への関心を持つきっかけを作りたいと願っての商品作りです。

卒業式:海洋塾で学んだこと

卒業式に参加した子どもたちは、多くの思いを胸に海洋塾を卒業していきます。参加した子どもたちは「海は山、川と色んなものでつながっている」と、それぞれの思いを仲間たちの前で発表しました。改めて塾長の「海は恋人」との言葉を受けた子どもたちは、「自然の循環」「海の恵み」「海を支える行動」について「今後つなげていく人になれるか」の問いに大きな返事で答えていました。つながる海、つなぐ人々を学び、海の守り手への一歩を踏み出したやまがた海洋塾の塾生たちが、今後更なるつなぎ手として、それぞれの方法でつないでいく存在になることを願います。

参加した子ども・保護者からの声

・参加するまでは「行きたくない」と言っていた子が参加したら「来週も絶対行きたい」とポジティブな言動に変わった。(保護者)
・数時間親から離れたところで事業に参加し、頼もしくなって帰ってきた。(保護者)
・毎週(海洋塾が)あればいいのに。ダメなら月一で。(参加者)
・今度中学生になるので海について学んだことをもっと多くの人に伝えていきたい。(参加者)
・子どもたちが学び、考え、発言するコメントは大人では考えられない角度からこちらに問いを投げかけてくる。これが海洋塾の神髄。(進行役講師)
・子どもたち以上に大人が海について考え、学び、親しみを持てる事業。(スタッフ)
・つながる海、つなぐ人々を常に意識し、大切な海を守る行動を起こしていきたい(スタッフ)

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:21人