海と日本公式サイトの最新ニュースをウィジェットで埋込み

<iframe class="uminohi-widget official-newest" src=" https://uminohi.jp/widget/newest/" width="100%" height="800" frameborder="no" scrolling="no" allowtransparency="true"><a href="https://uminohi.jp">海と日本PROJECT【日本財団】</a></iframe><script src=" https://uminohi.jp/widget/assets/js/widget.js"></script>

港の歴史や食文化を学び次世代の担い手としてこれからを考える「やまがた海洋塾2024〜庄内浜の食文化を未来へ〜」を開催しました!

一般社団法人海と日本プロジェクトin山形は、「庄内浜の地域ごとに違う海の恵みの歴史とこれから」をテーマとし、2024年8月3日(土)、8日(土)に「やまがた海洋塾2024〜庄内浜の食文化を未来へ〜」を開催。港の歴史や海洋環境の変化の問題からこれからの食文化を小学5・6年生の子どもたちが学び、次世代の担い手としての人材育成を目的としています。

2024.08.20

一般社団法人海と日本プロジェクトin山形は、「庄内浜の地域ごとに違う海の恵みの歴史とこれから」をテーマとし、2024年8月3日(土)、8日(土)に「やまがた海洋塾2024〜庄内浜の食文化を未来へ〜」を開催いたしました。港の歴史や海洋環境の変化の問題からこれからの食文化を小学5・6年生の子どもたちが学び、次世代の担い手としての人材育成を目的としています。

このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

開催概要
やまがた海洋塾2024~庄内浜の食文化を未来へ~
山形県の沿岸部の3市町(鶴岡市/酒田市/遊佐町)では地理的環境による食文化の違いがあります。この地域独自に人々を支えてきた食文化や海洋環境の変化などの海の課題、歴史について学び、未来の海を食文化から考えます。今年で6回目の開催となる「やまがた海洋塾」。昨年度、県内の5年生で学ぶ社会科の授業では地元の海を学ぶ機会がなく、「海に行ったことがない、魚を食べない」という児童が多いことがわかりました。それを踏まえ、本イベントではどんなアクションを起こしていくべきなのか様々な体験を通して“自分ごと”として考え、これからの食文化を繋ぎ、魚を食べることの大切さを学ぶことを目的としています。
日程
①2024年8月3日(土)
②2024年8月8日(木)
※庄内地域等大雨災害により7/27、28の日程を8月8日(木)に延期して実施
開催場所
山形県酒田市・鶴岡市
参加人数
県内小学5,6年生29名・山形大学教員1名・山形大学大学院生1名
協力団体
山形県教育委員会、酒田市教育委員会、鶴岡市教育委員会、山形県海洋教育研究会、山形県加茂水産高等学校、山形県水産研究所、鶴岡市加茂地区自治振興会、渚の交番カモンマーレ、山形県酒田海洋センター、公益財団法人山形県水産振興会、ゆらまちっく戦略会議(由良地区協議会)他

入塾式・オリエンテーション

県土面積の約7割が森林である山形県は、沿岸部と内陸部では海に対する親しみ深さや理解度に大きな差があります。今年も県内の様々な地域から30名の子どもたちが集結し、山形の海を学び・楽しみ・考える「やまがた海洋塾」が始まりました。今回は山形大学の教員と、山形大学教育学部で海洋関係を研究している大学院生も参加し、子どもたちと同じ体験をしてもらうことで県内における海洋教育の更なる普及と発展をともに考えました。入塾式では塾長を務める山形県立加茂水産高等学校元校長の佐藤淳氏より、庄内浜の文化や歴史、今回の海洋塾の目標が説明されました。

また、オリエンテーションでは、海をテーマとしたチーム協力型のクイズが行われ、子どもたちはこれから一緒に冒険する仲間たちと仲を深めました。

海と漁の変化・未来の食文化を考えるイントロダクション

まずは、全国的に問題になっている海洋環境の変化や食文化の現状と将来の可能性を山形県水産研究所の五十嵐氏、太田氏から学びました。特に海水温の上昇に伴い獲れる魚の変化、新しい漁具の開発、これからの食文化になるであろう新しい魚種について学びました。山形県が推進している「つくり育てる漁業」の伝統漁法や必要な分だけ魚を獲ることで資源を守る大切さ、市場に並ばない低利用魚・未利用魚で味付けをしたパスタと市場で破棄されるクロマグロの心臓の炒め物の新しい食べ方と美味しさ、資源を大切にいただくことを学びました。

漁村の食文化(昼食)

浜のお母さん達の手作り料理を食べながら、郷土料理の生まれた背景、海洋環境の変化による漁村の料理への影響を、庄内浜文化伝道師の齋藤氏、三浦氏、鶴岡市加茂地区自治振興会から学びました。まるごと焼いた小鯛の食べ方や浜の食文化、歴史についても理解を深め、海の環境と食文化の関わりについて再認識をしました。(メニュー:カニ汁(浜の食文化)・バイガイの煮つけ・小鯛の丸焼き・マスの餡かけ)

つくり育てる伝統漁法(磯見漁)・海の体感と共生(海のそなえ)

庄内浜の伝統漁法である「磯見漁」を体験。漁師の秋野氏から庄内の食文化を支える海の恵みを「つくり育てる漁業」によって守っていること、「必要な分だけとること」で資源も守っていることを学び、磯見漁で重要な箱メガネを覗いて漁師目線で海の環境を体感しました。

「海のそなえ」では、加茂水産高校の田代氏よりライフジャケットの必要性、使い方、安全に遊ぶことと共に危険も学んだうえ海を体感し、関心を高めました。

食文化の歴史や環境の変化に対する新たな取り組み(稚魚放流)

海洋環境の変化による海の魚の影響を栽培漁業センターの余語氏から学びました。食文化として守られているクロダイと、海洋環境変化に伴い新しいブランド化を目指しているトラフグの放流体験を行い、命の大切さ、循環を体感しました。

豊かな海を体感(シュノーケリング)

加茂水産高校ダイビング部の補助と渚の交番カモンマーレと連携して、シュノーケリング体験を行いました。海洋環境の変化によって起こっているビーチ付近での影響や、ダイビング部の学生が学んでいること、沖の海との違いと実際に海を体験。また、班のリーダーを水産高校生とし、実際に海で学んでいる学生からの学びの機会を設け、子どもたちが放流した魚の観察など、海を体感することで学びが深まりました。

1日目のふりかえりとオリエンテーション

順を追って復習を行い、各地域の豊かな環境や人々を支えてきた食文化、それに繋がる課題について解決方法の意見を出し合いました。最後に行う学びの共有で見識や学びを膨らませるとともに塾生同士の距離感を近づけ、未来に向けた行動と考えを改めて整理をしました。

庄内浜(酒田/鶴岡)の北前船の歴史と食文化

庄内浜(酒田/鶴岡)の地形が及ぼす恩恵や課題、日本遺産に認定された北前文化によって形成された地元の食文化を元加茂小学校校長の升川氏から学びました。昔から庄内浜でとれる魚種は130に上るが、何故そのような豊富な海になっているのかを地形からひも解き、昔から伝わっている漁法等も交えながら、これまでの歴史と私たちに与えてくれる恩恵を再確認しました。

港の歴史と北前船のルートを辿ろう(鳥海丸)

酒田の港や加茂の港を海上から観察して、学習内容を視覚で体感しました。鳥海丸で北前船の航路を巡り、酒田~鶴岡の外海に出る感動体験を味わい、船上では講師の升川氏より北前船や港町ならではの食文化、実際の港を見て昔から現在までの変化等を学びました。また、着岸する加茂港は物資を陸揚げしていた重要港であり、先ほどの学びをより深いものにしました。

卒業制作:想いを表現しよう!(アウトプット)

海洋塾で学んだことをキャッチコピーとイラストで表現。学んだことの中から何を伝えたいのかを話し合いブラッシュアップし、塾生なりの思いのこもったキャッチコピーを考案。学んだことを共有しながら“自分ごと”としてとらえ、アウトプットにつながるデザインを講師のあかるさかおる氏と作成。販売されるかまぼこ(滝川蒲鉾)のパッケージにし、塾生自身の思いが県内外に波及していくように庄内浜の海の幸を用いた「かまぼこセット」として10月末ごろの商品化を目指します。

学びの共有・卒業式:みんなで海を未来に受け継いでいこう!

仲間たちの自らの学びを共有するために、グループごとに学んだことを発表しました。発表の際にはアウトプット制作用に作ったキャッチコピーとイラストを使い、分かり易く伝え合い、海の綺麗さを守っていくことや資源の豊かさを未来に残していきたいといった意見などがありました。

参加した子ども・保護者からの声

・魚を丸ごと食べたのは初めて。苦手だったけど美味しくキレイに食べられた。家でも食べたい。(参加者)

・シュノーケリングは初めてだったけど海の中を観察できてまたひとつ楽しみが増えた。(参加者)

・以前より「話す」ことに自信がついたようで、新しい友達のこと、海のこと、環境のこと、体験したことも全部楽しかったと沢山話してくれた。参加させて本当に良かったと思います。(保護者)

・参加者からの発言や質問も多く、意欲が感じられた。こういう機会、人材は大切にしたい(講師)

・参加出来て良かった。学校での海洋教育へどのように落とし込んで行けるかこれから考えていこうと思う。この経験は海洋研究の材料としても活かしていきたい。(大学生:教育学部)

 

 

イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています

参加人数:31人