親子10組が参加!鯖の学びをSNSで発信「わかさ!ばんざい!若狭さば学習会」を開催しました
一般社団法人福井環境研究開発は、10月14日(土)と21日(土)に「わかさ!ばんざい!若狭さば学習会」を開催しました。
2023.10.30
一般社団法人福井環境研究開発は、10月14日(土)と21日(土)に「わかさ!ばんざい!若狭さば学習会」を開催しました。
かつて朝廷に多くの海産物などを献上した事から「御食国」と呼ばれた若狭小浜。中でも多く運ばれたのが鯖です。小浜から京に繋がる道は鯖街道と呼ばれました。しかし、乱獲や海洋環境の変化により漁獲量は大きく減少。小浜では鯖の資源復活を目指し、海の環境保全活動や養殖技術研究がすすめられています。学習会では、サバマスターを目指して、親子で小浜の鯖を徹底調査。SNS等も活用、親子で力を合わせて学びの成果の発信も行いました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
開催概要
「わかさ!ばんざい!若狭さば学習会」
日程
2023年10月14日(土)、21日(土)
開催場所
小浜市内(小浜漁港/若狭おばま食文化館/ふくい水産振興センター/民宿佐助/鯖街道ミュージアム/福井県立大学)
参加人数
親子10組20人(小学5年生~中学生/保護者)
若狭の天然鯖、資源の現状
最初に訪れたのは小浜漁港。こちらでは福井県漁連小浜支所 加藤所長より、天然鯖の現状について説明がありました。かつて「海の底から湧いてくる」と言われた若狭の鯖、乱獲や温暖化などにより資源量が激減しているといった所長の話を参加者は熱心にメモしていました。話の後は、港の中のセリ場を見学。温暖化により漁獲量が増えているシイラやサワラにも興味深々。スマホで盛んに写真撮影する姿が見られました。
若狭の鯖が育んだ都の食文化
続いて訪れたのは、御食国若狭おばま食文化館。小浜と京都を結んだ鯖街道を通じ、一昼夜かけて都に運ばれた鯖。祇園祭りでは、一番の御馳走として鯖寿司が出された事など、若狭の鯖が都の文化を育んだという食の歴史について学習しました。
鯖の完全養殖、成果と課題
今年春、県内で初めて成功した鯖の完全養殖。人工的に卵から鯖の赤ちゃんを誕生させて、水槽の中で10㎝程度になるまで飼育します。鯖は暑さに大変弱く温度管理が重要といった点や、大きさが違う鯖を同じ水槽に入れると共食いしてしまう事など、飼育に取り組む「ふくい水産振興センター」研究員の話に熱心に聞き入っていました。
先人の知恵が詰まった海の発酵食!へしこ&なれずし
漁港に面した田烏地区で訪れたのは民宿佐助。こちらで学習するのは、鯖の発酵食です。漁ができない冬場のたんぱく源として誕生した歴史や、夏場20℃~30℃ぐらいの気温になると発酵がすすんで風味が増加する事などをご主人の森下さんが説明。へしこに加え、麹とごはんを加えさらに発酵させたなれずしを試食しました。口いっぱいに広がる鯖のうま味!おかわりをする参加者が続出しました。
新たな鯖の研究拠点完成!養殖技術の最前線
先月誕生した県立大学先端増養殖科学科の新キャンパスを訪問しました。学科長の富永先生より、鯖の生態やIoT(情報通信技術)を活用した養殖技術について講義。続いて学内の施設見学。ゲノム編集などを行う研究室、そして学生さんからも直接話を伺いました。その後、鯖のイラスト制作や2日間の学びの成果を発表。親子には富永先生より、サバマスター認定証がおくられました。
参加者の声
参加した親子からは、
「鯖がいつまでも暮らせるような、きれいな海を守っていきたい」
「養殖の現場で女性が活躍出来る機会もある事をはじめて知った」
「食べ残しがなく、海の汚染につながらないよう、大学で研究が行われている事をはじめて知った」
こういった感想が聞かれました。
参加者が描いた鯖のイラストは今後、民宿佐助で販売されているへしこのパッケージとして活用されることになっています。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:20人